July 20, 2008

宇宙の戦士


宇宙の戦士

キーワード:
 ロバート・A・ハインライン、SF、強化防護服、クモ、スターシップ・トゥルーパーズ
ロバート・A・ハインラインの古典SF作品。以下のような内容となっている。
    単身戦車部隊を撃破する破壊力を秘め、敵惑星の心臓部を急襲する恐るべき宇宙の戦士、機動歩兵。少年ジョニーが配属されたのはこの宇宙最強の兵科だった。かれの前には一人前の戦士となるための地獄の訓練が待ち受けている・・・・・・いつしかジョニーは、異星人のまっただ中へ殴り込み降下をかける鋼鉄の男に成長していた! 未来の苛烈な宇宙戦を迫真の筆致であますところなく描き出し、ヒューゴー賞に輝いた巨匠の問題長編!
(カバーの裏から抜粋)
何となく夏はSF作品を読みたくなる。ということで、この500項近くある宇宙戦争SF作品。結構すんなりと読めた。

この作品については語るべきところが多い。まずは作品内容から。

主人公は高校卒業後に友人とともに軍隊を志願する。そして、新兵の訓練が始まり、新兵訓練後はカプセル降下兵として戦地に赴き、戦果に応じて伍長、軍曹、そして少尉へと階級が上がっていくという成長物語でもある。

どちらかというと、異星人であるクモの戦いの描写よりも、軍隊での訓練の描写が多く、軍隊の教科書みたいな内容となっている。長ったらしい解説には、ファシズム的だとか右翼的だとかいろいろ書かれているが、自分もそう思う反面、なるほどと思うような部分も多かった。この物語でポイントになるのは、主人公ジョニーの高校時代に<歴史と道徳哲学>の授業を教える、退役軍人、デュボア先生だろう。解説にはこのキャラはハインライン自身を投影しているとあり、ハインラインの軍、戦争の哲学が多く語られている。

この作品は、映画、『スターシップ・トゥルーパーズ(Starship Troopers)』の原作となる。1作目の映画はこの小説の内容とはまったく違うということがよくわかる。映画の中では敵はバグズといって、兵隊蟻、重量級、飛翔タイプとさまざまなやつが出てくるが、小説では大型のクモタイプのもののみしか出てこない。しかし、最後のほうは、ブレインバグを捕獲するという点は映画と結構似ているのかなと思った。

また、機動歩兵が身につける強化防護服、パワード・スーツ(1/12 機動歩兵Phase2)はガンダムのモビルスーツの元ネタらしい。それに関してやこの作品の詳細な解説はWikipediaに詳しい。(宇宙の戦士

また、スターシップ・トゥルーパーズは昨日3作目が公開されたので、何とか見に行く前に読了できてよかった(スターシップ・トゥルーパーズ3 - オフィシャルサイト)。3作目では、1,2で出てこなかった強化防護服が出てくるらしい。またジョニーも1作目から引き続き登場する。映画は1作目がB級SFっぽくて好きだった。2作目はスケールが小さく、いまいちだった。さて、3作目は・・・。後で見てこよう。

主人公の一人称で物語が進むので、割とすんなり読める。しかし、ところどころに軍隊とは、国家とは、このような作戦行動をとった場合どうなるか?といった主人公とその他のキャラとの討論は難しい話になりがちになる。それ以外は、そこまでSFっぽい用語が出てくるわけではないので、読みやすい。また、ところどころに濃いイラストも載っていて、イメージが良くわく。

ただ、物語は何か大きな結末を迎えるという感じではないので、そういう壮大な物語を期待している人には肩透かしを食らうかもしれない。そのため、強化防護服のSF要素や主人公の成長物語を楽しむというのが良いと思う。戦争論的なものを期待して読むと、納得いかない部分も出てきて突っ込みたくなることもある。

夏の長編SF作品を読みたい人、スターシップ・トゥルーパーズが好きな人は読んだほうが良いと思う。同じく、ハインラインの夏といったら以下をお薦め。読むべき人:
  • ロバート・A・ハインラインの作品が好きな人
  • スターシップ・トゥルーパーズを見たことがある人
  • モビルスーツなどの強化服が好きな人
Amazon.co.jpで『ロバート・A・ハインライン』の他の作品を見る

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1. 宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))  [ 書評リンク ]   August 14, 2008 20:11

書評リンク - 宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))

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