August 07, 2008

オンリーワンになるためのエンジニアプロ論


オンリーワンになるためのエンジニアプロ論 (開発の現場セレクションSpecial)

キーワード:
 SE編集部、IT技術者、プロ論、モノ作り、ロールモデル
IT業界を牽引するトッププレイヤーによる、エンジニアのためのプロ論。以下のような目次となっている。
  1. パート1 技術者としての誇りを胸に
  2. パート2 失敗、挫折、試練を越え
  3. パート3 新しい時代を切り開く
  4. パート4 素晴らしい仕事、魅力ある業界にするために
(目次から抜粋)
この本はITエンジニアのための専門誌『開発の現場』において、業界のリーダー、エキスパートの人のインタビュー記事などがまとまったものとなっている。IT業界のエキスパートは、以下の19名となっている。肩書きや役職は、各記事の最初のページから抜粋。
  1. 柏原彰(日本アイ・ビー・エム株式会社 IBMディスティングイッシュト・エンジニア/ITアーキテクト)
  2. 平鍋健児(株式会社チェンジビジョン 代表取締役社長)
  3. ひがやすを(株式会社 電通国際情報サービス 開発技術センター Seasar2技術開発推進グループ プロジェクトディレクタ)
  4. 漆原茂(ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長)
  5. 小野和俊(株式会社アプレッソ 代表取締役副社長/CTO)
  6. 梅田弘之(株式会社システムインテグレータ 代表取締役社長)
  7. 羽生章洋(株式会社スターロジック 代表取締役社長/NPO法人Seasarファウンデーション理事(当時))
  8. 萩本順三(株式会社豆蔵/プロフェッショナルフェロー/技術戦略支援室 室長)
  9. 大西建児(株式会社豆蔵/ES事業部シニアコンサルタント)
  10. 山本啓二(ウルシステムズ株式会社 主席コンサルタント)
  11. 市原俊治(株式会社NTTデータ 基盤システム事業本部 オープンソース開発センタ)
  12. 鈴木雄介(フリーアーキテクト/株式会社エーティエルシステムズ チーフソフトウェアアーキテクト兼テクノロジーディレクター/稚内北里学園大学 客員助教授)
  13. 河村嘉之(オープンソースCRM株式会社 シニアコンサルタント)
  14. 近藤秀和(Lunascape株式会社 代表取締役兼CEO)
  15. 守安功(株式会社ディー・エヌ・エー 取締役ポータル・コマース事業部長)
  16. 最首英裕(株式会社イーシー・ワン 代表取締役社長)
  17. 細川努(株式会社アーキテクタス 代表取締役)
  18. 野津和也(株式会社スマートスタイル 代表取締役社長/MySQLパートナー会 会長(当時))
  19. 内野弘幸(ウイングアーク テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長)
自分も一応IT技術者の範疇に入るので、この19人のうち何人かは知っているし、所属企業なども聞いたことがあったりする。そのうちの何人かは、独立して会社を起こしている人が結構いる。

この19人に共通していることは、IT業界での仕事に対して誇りを持っており、IT業界に対して明るい未来を期待している点だなと思った。みな、IT業界の3Kだとか7Kだと揶揄されている現状に対して危機感を持っているようだ。だからこの現状ではだめなので、何とかしようという意気込みも感じられる。また、それぞれが若い頃は必死で勉強して働いていたということも多く示されていた。

特に若い人向けに技術者の心構えみたいなものが多く示されている。何人かの主張の一部を抜粋しておく。まずは、IBMの柏原彰氏の意見。
 とにかく「ソフトウェアエンジニアリング」をしっかりと学ぶべきだと思います。それは不要と考える人もいるようで、Web上で論争になったりもしていますが、知識と経験は補完し合うもので両方必要なのは自明です。ソフトウェア開発の効率やプログラミングの得手不得手、ソフトウェアを稼動させるためのインフラ設計といった幅広い経験と、知識レベルの「ソフトウェアエンジニアリング」の両輪をうまく回していくことが重要だと確信しています。
(pp.19)
自分はソフトウェアエンジニアリングの基礎は体系的に学んだつもりだが、どうしてもインフラ回りに弱いなと思う。インフラ、基盤はどうしても遠慮してしまう。

アプレッソの小野和俊氏から会社に就職して、ミスマッチが起こったときにどうするかということに関して。
 ところで、「会社に入ってみたら自分のやりたいことと違った」と言う人がよくいます。でも、これこそチャンスなのです。肉屋をやりたいのに八百屋に入ってしまったと嘆くのではなく、その肉屋をやりたいという得意を八百屋でこそ活かすのです。八百屋で肉屋をやろうなんて人間はそうそういないはずなので、そこで自分が手を挙げて頑張れば間違いなくトップに立てます。これは詭弁ではありません。
(pp.74-75)
これはプロジェクトでも同じかなと思う。必ず自分がやりたいと思う技術領域をできるわけではない。そのときにどうするべきか?ということが、この八百屋で肉屋をするという姿勢なのだと思う。実際は難しいと思うが。

システムインテグレータの梅田弘之氏からは勉強について。
 あえて厳しいことを言いますが、「家に帰ってまでコンピュータを触りたくない」なんて言うのは、言い訳だと僕は思っています。もちろん他の仕事だったらプライベートではTVを観たりして気楽にするのもいいでしょう。でも、技術革新の著しいコンピュータ分野のプロになろうと思ったのならば、仕事だけでは十分な技術を習得することができない、と覚悟すべきです。コンピュータ技術の世界をワールドワイドの観点で見た場合、プロとして立っていこうと思ったら、まったく甘くない世界です。もしこの記事を読んでいる方が、自分はプロとして成功するんだと思うなら、家に帰ってでも勉強し続けなくてはダメなんです。
(pp.87)
これは正直耳が痛い・・・。全然家に帰ってから勉強していないなぁと。ビジネス書とか自己啓発書は読むけど、技術本をあまり読んでいない・・・。また、実際仕事以外でほとんど家でプログラミングなんてしていないし・・・。最近、それではやはりダメなのかなぁと思いつつあるので、もっと激しく勉強しようかなと思うしだいで。

この19人は、IT技術者のロールモデルとなりえる人ばかりだなと思う。そして、若い頃の働き方が語られているが、自分と同じ世代のときは激しく必死で働いていたとある。それを読むと、自分はこの人たちのようにITに入れ込んでいないのではないかなと思った。それだけ熱中していないなと。それではIT技術者として頭打ちになり、そこで限界になってしまうのかなと思った。ある意味危機感を覚えるが、それと同時に、そこまで自分がITに関心を持てていないことに失望感みたいなものも感じる。そのときはそのときで、方向転換をするべきなのかなと思ったりもするが、まだ入社して3年もたっていないので、もっと激しく勉強して仕事に熱中してみれば、何かが変わるのかもしれないということを期待して頑張ろうと思った。

若手IT技術者は読んで置いて損はない一冊だと思う。IT技術者として生きていく覚悟みたいなものを感じられると思う。逆に、このような考え方にまったく賛同できなければ、IT技術者はあきらめたほうがいいと思う。そんなことを考えさせられる本。

読むべき人:
  • 入社3年以内のIT技術者の人
  • IT業界に就職しようとしている大学生の人
  • IT技術者としてプロを目指したい人
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