August 14, 2008

小飼弾のアルファギークに逢ってきた


小飼弾のアルファギークに逢ってきた [WEB+DB PRESS plus]

キーワード:
 小飼弾、ギーク、インタビュー、プログラマー、楽習
アルファギークであるプログラマとしての小飼弾氏のインタビュー本。以下のような目次となっている。
  1. #0 Ruby on Rails開発者 David Heinemeier Hansson
    「アーキテクト」って言葉を使ったら負け
  2. #1 (株)はてなCTO 伊藤 直也
    良いサービスを作るのに,マネジメントはやはり重要
  3. #2 Perl開発者 Larry Wall
    優れたソフトウェアも,文化を持たなければ普及しない
  4. #3 livedoor 池邉 智洋/谷口 公一/ma.la
    ネットは個人の人生に何をもたらしているか
  5. #4 Twitter Co-founder Evan Williams
    大事なのは「好き」を貫けること
  6. #5 The Seasar Project チーフコミッタ ひが やすを
    世の中の根底にあるニーズに合ったものを提供したい
  7. #6 『達人プログラマー』著者 Dave Thomas
    コーディングを続けるという情熱が重要。それ以外は取るに足りない
  8. #7 Pathtraq / Japanize 開発者 奥 一穂
    自分は,コミュニケーションの形態を考えてる。ウェブは手段
  9. #8 Mozilla Corporation / jQuery開発者 John Resig
    自分が興味を持っているものに集中し,最適化を加える
  10. #9 「Binary 2.0」「スルー力」提唱者 高林 哲
    ハッカーに一番重要なのは,「深追い」できること
  11. #10 Perl Mongers Ingy dot Net / Dave Rolsky / Jesse Vincent / C.L. Kao
    今どき正気の人はいない。大事なのは役に立つ狂気かどうか
  12. #11 『IT戦士』 天野 仁史 & こんにちはこんにちは! はまちや2
    勢い重要。脆弱性とか気にしないでシンプルにリリースすべし
  13. #12 夫婦対談. (株)はてな 近藤 淳也・令子×小飼 弾・直美
    行動を起こしたほうに情報はついてくる
  14. #-1 スペシャル対談:前編 きたみりゅうじの 小飼弾に逢ってきた
    アルファギークとSEの現実と
  15. #-2 スペシャル対談:後編 きたみりゅうじの 小飼弾に逢ってきた
    知られざる小飼弾の歴史
(目次から抜粋)
この本で、404冊目の書評となる。404といったら、HTTP 404 - Wikipedia、404で思い浮かぶ人物といったら、404 Blog Not Foundの小飼弾氏しかいないだろ、ということで、404冊目にこの本を意図的に読んだ。

内容自体はあまり言及しないでおこう。別にポイントを絞る必要もないと思う。内容の紹介などは、『はじめに−−アルファギークとは?[小飼弾のアルファギークに逢ってきた(WEB+DB PRESS plusシリーズ)]|gihyo.jp … 技術評論社』などを見ればいいし、内容自体は『連載:小飼弾のアルファギークに逢いたい♥|gihyo.jp … 技術評論社』でほぼ同じものが参照可能である。

では、この記事に何を書いておくかというと、単純に同じIT業界でプログラマー(正確にはSEに近い)として働く身として、この本を読みながら考えたこと、感じたことを示しておくことにする。ほとんど自己分析みたいな内容になると思うが。


この本を読みながら感じたことは、プログラムそのものは目的のための手段ではあるが、みな手段そのものがいい意味で目的になっているのかなと思った。つまりプログラム自体にかなり関心が高く、何を作るかも関心がありつつ、それをどう自分に取り込んで使いこなすか?ということへの意識が高いのだなと思った。自分自身に関していえば、プログラム自体は目的達成のための手段でしかない、と少し思っている節がある。だから、仕事に必要ない言語学習とかほとんどやってこなかったのだと思う。かといって、プログラムそのものにまったく関心がないというわけではない。それは、この本を読みながら、Ruby, Perl, PHP, Python, JavaScript, Lisp, C, C++, Javaといった言語比較などにもそれなりに面白そうだと思うし、それぞれのギーク語る言語特性を知るのも面白かった。けれど、それを実際に自分で試してみようとまでは思えない。もっと技術的な関心を常に持ち続けられるのがギークとただのプログラマの違いなんだなと思った。

そう考えれば、自分はただのプログラマー特性はあったとしても、ギーク特性はないのではないかなと思ってしまったりする。『達人プログラマー』の著者である、Dave Thomas氏は小飼弾氏の質問には以下のように答えている。

 では質問を少し変えて、良いコーダーになるためにはどうしたらいい?
Dave とにかく重要なのは情熱。コーディングを続けていくという情熱。それ以外は、それほど取るに足りることではないんじゃないか。自分が知っている一番優秀なプログラマーは優秀なミュージシャンでもあるけれども、これは単なる偶然とは思えない。
(pp.110)
さらに、Perl好きな人たちPerl Mongersとのインタビューでも同じようなことが示されている。
DANKOGAI では、エンジニアとハッカーの定義の違いは?
CLKAO 単にエンジニアというのであれば、「情熱」というのは必ずしも必要ではないと思います。言われた仕事をちゃんとやっていれば立派にエンジニアだと思うんですけど、ハッカーっていう場合は情熱は欠かせないと思います。そうそう、まともなものを食べるというのも重要!
DROLSKY Jesseとほぼ同意見だけど、付け加えると、すごい大きな視点とすごい細かい視点を同時に持っている必要がある。
INGY プログラマー以外の視点を持つっていうのもすごい重要。たとえばCLKAOにとっての料理とか、Daveにとっての音楽とか。そうやって外からの視点を持ってると、ちゃんと使う人の意見に耳を傾けられる。
(pp.166)
『情熱』。これが圧倒的に自分に不足している。なんでだろう?プログラマー以外の視点を持つというのは、自分にとっての書評ブログなんだと思う。文学作品を読んだり、ビジネス書を読んだり。けれど、プログラミングそのものへの情熱が欠落している。もちろん、自分はプログラミングを知り尽くしたので飽きた、なんて言えるレベルでもなく、優れたプログラマーを名乗れるほどのコーディング力もない。それはなぜなのか?と少し考えると、自習で何かを作ろうと思ってやるプログラミング時と仕事でのプログラミング時は楽しさが違う。前者はそれなりに楽しいが、後者はまったく楽しいと思えないときがある・・・。

それは次の論点に関連すると思う。『SEのフシギな生態―失敗談から学ぶ成功のための30ヶ条 (幻冬舎文庫)』の著書がある、きたみりゅうじ氏の小飼弾氏への『IT業界をカテゴライズすると』というインタビューから。
 IT業界について、自分は、プログラマーを突き進めるっていう人とお客さんの要求を形にすることに興味がある人に二分化されるのかなって思うんですけど、弾さんは業界をカテゴライズするとしたらどんな感じですか?
 大まかに分けると二つ、まず作りたいサービスという製品があって、その結果として技術を提供するというのが一つ。あと、受託開発もそうなんですけど、お客さんが必要とする技術を提供する。
(pp.209-210)
自分はSI企業に近いところに所属しているので、立場的には『お客さんの要求を形にするために必要とする技術を提供する』というものになる。これが自分のIT技術者としてのネックになっているのかなと思う。つまり、このような立場であると、どうしても自分がやりたい技術で実装できず、そのためどうしても使用言語そのものに関心が持てず、さらに、始めに顧客の要求ありきのモノづくりと自分の内にある作りたいものを作るというモノづくりへの気持ちにギャップがあるのだと思う。だから、仕事中のプログラミングそのものに面白さ、楽しさを感じられないのかなと思う。

この本に出てくるギークたちのほとんどは、弾氏の言う『まず作りたいサービスという製品があって、その結果として技術を提供する』という立場にいるのだと思う。彼らの中の作りたいモノと使用したい技術が同じベクトルを向いているから情熱をささげられるのかなと思う。だから、JavaScript, Perl, PHP, Rubyなどのスクリプト言語を使用し、サービスを提供している人のブログなどを見ると地味に羨ましいなぁ、なんて思ったりする。それは単純に隣の芝生は青いということなのかもしれないけど。

自分自身がプログラミングにそこまで没頭できない理由の一つとして、作りたいもの、使いたい技術と実際に使うプログラム言語、構築すべきシステムのギャップがあるのかなと思う。

自分と同じように、受託開発型、いわゆるSE業をやっている人は、この本を読んでどう思ったのかがとても気になる。また、ギーク特性は先天的なものなのか、それとも後天的に発展させることはできるのかな?ということが気になった。そもそも、自分は何を求めてIT業界に入ったのだっけ?ということも考えなくてはいけないのかなと思った。

そろそろ入社3年目に突入しようという一プログラマーの葛藤みたいな記事になってしまったが、いろいろ考えさせてくれるきっかけになったと思う。この自己分析のヒントは、エンジニアの未来サミットで何か得られるのかなと思った。ということで、これに参加してみて、実際にアルファギークである小飼弾氏や他の受託開発型のエンジニアの話を聞いてみたいと思う。

このイベントの参加登録は今日が締め切りで、さっきあわてて登録した・・・。前に弾氏のブログで告知されたときにすぐ登録しようと思っていたけど、アカウント登録マンドクセと放置していたら、締め切りがぎりぎり今日までだった・・・。定員に達していたら抽選なので、参加できるか怪しいが・・・。

それはそうと、書評ブログで404冊目にこの本を取り上げたのはたぶん、自分くらいのものだろう。内容自体ははIT技術者、エンジニア、プログラマーなら読んでおいて損はないと思う。読むといろいろ考えさせられると思う。

読むべき人:
  • Webベースの新しい技術の世界に関心がある人
  • オープンソースソフトウェアを使った開発に関心がある人
  • エンジニアとしてスキルアップや人生設計を考えている人
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1. 情熱という楽しさで未来を創る -404 小飼弾のアルファギークに逢ってきた  [ あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術 ]   May 23, 2010 04:10

404というのはweb用語では"Not found"という意味で404といえば この方の本を紹介するのがいいかなぁと思うわけで 今回の本 小飼弾のアルファギークに逢ってきた (WEB+DB PRESS plusシリーズ) (単行本(ソフトカバー))[詳細はAmazonで⇒] は必然的にこうなる。 まぁ完全に....

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