October 05, 2008

理解という名の愛がほしい


理解という名の愛がほしい―おとなの小論文教室。II

キーワード:
 山田ズーニー、小論文、理解、気づき、愛
フリーライターの著者が日々感じていることを綴ったエッセイ。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 連鎖
    1. Lesson 1 連鎖
    2. Lesson 2 生きる実感
    3. Lesson 3 「おわび」の時間
    4. Lesson 4 続「おわび」の時間
    5. Lesson 5 「通じ合う」という問題解決
    6. Lesson 6 正直のレベルをあげる
    7. Lesson 7 理解の言葉を伝えて
    8. Lesson 8 哀しいうそ
    9. Lesson 9 「お願い」の肝
    10. Lesson 10 ブレイクスルーの思考法
  2. 第2章 本当のことが言えてますか?
    1. Lesson 11 毒
    2. Lesson 12 話をしていておもしろい人
    3. Lesson 13 なぜか饒舌になるとき
    4. Lesson 14 声に宿るもの
    5. Lesson 15 ゴールから架かる橋
    6. Lesson 16 もっと抽象度の高いところで人は選ぶ
  3. 第3章 人とつながる力
    1. Lesson 17 表現者の味方
    2. Lesson 18 スランプをのり切る―表現者の味方2
    3. Lesson 19 言えなかった「ひと言」
    4. Lesson 20 連鎖2 母の哀しみ
    5. Lesson 21 コンテンツLOVE―連鎖3
    6. Lesson 22 再会―連鎖4
    7. Lesson 23 「おとな」というシステ―連鎖5
    8. Lesson 24 独立感覚
(目次から抜粋)
著者は、『ほぼ日刊イトイ新聞 - おとなの小論文教室。』でコラムを連載している人で、この本はその連載が収録されたものとなっている。

なんとなく書店のビジネス書エリアにおいてあったので、タイトルと装丁に惹かれて何も深く考えずに買ってみた。読んでみると、普段の生活であまり気づかなかったことが書いてあったので、読んでよかったと思った。恣意的に内容を引用し、それについての自分の意見、感想を示すことにする。

まずは、Lesson2の『生きる実感』から。著者が若い人と話していると、生きている実感薄いので、生きている実感が欲しいとよく聞くようだ。そんな話について、著者なりの考えが以下のように示されている。
 若い人に伝えなくてはいけないのは、体中が熱く、気持ちが昂揚する「歓びの一瞬」のことではなく。

 自分の無意味感から逃れつつ、
 空気圧にじっと耐えて、
 昨日と同じ今日を、また、同じ凡庸な朝を生きる覚悟、
 それをうんざりしても、毎日繰り返し続けていることこそが、「生きる実感」である。

 ということなのではないだろうか?
 (中略)
 もっとも虚無が押し寄せ、何にも起きない日常におしつぶされそうになっていた、あの時間こそ、もっとも自分は生きていたと思う。あれが、命を燃やすということではなかったろうか?

 あたなにとって「生きる実感」とはなんだろう?
(pp.22-24)
このLessonの全文はここ(『生きる実感』)で読めるが、自分はこの部分が特に印象に残った。自分の無意味さをかみ締めながらループしている日常が、生きている実感ということのようだ。

ただ、無意味さを実感する毎日のループ途中には苦しくて苦しくこんなのは嫌だと叫びたくもなる。そのときに、これが生きている実感だよと言われたとしても、きっと納得できないだろうなぁと思う。著者のように考えられるのは、無意味な毎日を抜け出し、何かを見出した境地に至ることができたからではないかなぁと思う。自分はまだそんな境地には程遠い。自分自身も『生きる実感とは何か?』と考えることがある。今のような日々の繰り返しで、本質的に生きていると言えるのか?とたまに思い悩むこともある。けれど、このような日常にも価値があるという考えは新鮮で、心にとどめておきたいと思った。

もう一箇所印象に残ったものがある。Lesson21の『コンテンツLOVE―連鎖3』の冒頭。
「ほんとうの愛を与えられたことがなければ、
 人をほんとうに愛すこともできない」
(pp.186)
全文はここ(『連鎖3』)。

自分の場合は、著者と同じように『YES』だと思う。ここではあんまり深くそのことについては書かないが、自分の知りえないものについては与えようもないのだろうなと思う。著者の主張に共感できた。

この小論文形式の著者のエッセイは、著者の日常生活での気づきや感じたことが率直に示されている。そんな考えもあるのかとか、激しく同意!!と思えるようなものもある。この本の全文は、すべて著者のホームページ『ほぼ日刊イトイ新聞 - おとなの小論文教室。』に載っているので、興味のあるタイトルだけ読んでみるとよいと思う。今まで著者のことやこのホームページの存在を知らなかったけど、興味深いことが多く書いてあるので、この本は読んでよかったなぁと思った。

また、もっと著者の本を読んでみたいと思った。

自分がエッセイを読む理由は、内面の充実を図るため。さすがに毎日読むことはないけど、成功本やビジネス書の合間に読むと、気づきが多く得られる気がする。

読むべき人:
  • 山田ズーニーが好きな人
  • 日常生活のちょっとした考えや気づきに触れてみたい人
  • 空虚な日々を過ごして生きている実感に乏しい人
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