October 06, 2008

読書進化論


読書進化論〜人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか〜

キーワード:
 勝間和代、読書論、出版、マーケティング、カツマー
勝間和代氏の読書論が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 序章 成功や自由は、読書で手に入れる
  2. 第1章 人を進化させる読書がある
  3. 第2章 進化している「読む」技術
  4. 第3章 「書く」人も進化する
  5. 第4章 「売る」仕組みを進化させる
  6. 終章 これから「読みたい」「書きたい」「売りたい」と思っているみなさんへ
(目次から抜粋)
この本は、本の読み方の技術、書く技術、そして本を売るためにはどうすればよいかということまで示されている。普通の読書論は、たいてい読む技術までで終わっているが、この本は自分で「売る」ということまで言及されているので、他にはない本かなと思った。

細かい内容紹介は、他の書評サイトを見てもらうとして、自分が特になるほどと思った主張を示しておくことにする。

第1章では、リアル書店での本の出合い方が示してある。曰く、リアル書店のほうが思いがけない本に出会う確率が高いようだ。そのときに、本の「におい」、装丁の雰囲気、タイトル、文章の流れ、どのくらい丁寧に作られた本であるかなどかから、自分に合う本かどうかがわかるようになるようだ。これは自分もそのとおりかなと思った。よく大型書店に行って、ふらふら歩き回ってくると、読んでくれと叫んでいる本がいるような気がして、それを手にとって見ると、あぁ、これはよさそうだと中身もまったく吟味せずに買うことがある。そういう本は、結構思いがけない内容で、買ってよかったと思うものが多い。最近では、『理解という名の愛がほしい』がそれだと思う。

第2章では、『良書との出会いが読書体験を豊かにする秘訣』が示されている。その一部を抜粋。
 よくない本の読み方の典型例のひとつは、自分にとって良書ではない本をうっかり買ってしまい、さらにせっかく買ったからと、2週間くらいかけて無理矢理、全部読むことです。そうすると、読書体験はとても悪くなります。うかりそういう本を買ってしまったら、時間の無駄なので、読むことをあきらめるほうがいいのです。ナンパしてつきあってみて、「あ、違った」と思ったときに、「お友だちになりましょう」とさよならする、のと同じです。
(pp.82)
これは多読をしていないとこのような考えには至らないなぁと思った。自分ももったいなさを感じて、ついつい時間をかけて読んでしまっているので、お金よりも時間が大事だという意識をもっと持とう。文学作品ほどがんばって最後まで付き合っていたが、最近ではどうも合わないと思うものは投げるようにしている。そのほかのジャンルは飛ばし読みで済ますようにしている。

他にも本をプレゼントするということに関して。
 本の体験を共有するため、お薦めの本を親しい人にプレゼントする、というのはいいことだと思います。ひとりで本を読むのも楽しい体験ですが、その体験をさらに人と共有して、語り合うと、学びも深くなりますし、コミュニケーションとしてもとても楽しいものです。
(pp.85)
これは結構前から自分も実践している。どうしても毎日書評しようとすると本があふれてしまい、本棚に入りきらなくなる。もう読まないだろうなと思うもので良いものは、飾りとして本棚を占有するくらいなら、読んだほうがよいと思われる人にプレゼントしたほうが、本(著者)にとっても自分にとっても、プレゼントする人にとってもよいと思うので。勝間氏の提言している、Giveの5乗の実践とも言える。

あと、フォトリーディング(フォトリーディング公式サイト 全世界20万人が学んでいる、成功率96%のフォトリーディングとは?)の考え方もなるほどと思った。勝間氏によれば、フォトリーディングとは『体操に非常に近いスキル』ということになる。だから、知らない分野で興味がある内容の本であれば、最初はきちんと読めばいいとあったので、何でもかんでもフォトリーディングすればいいってものではないということがよくわかった。実際に、勝間本を読んで、フォトリーディングを受講した(フォトリーディングセミナー体験記(ブログ))ので、これは結構納得できた。だって、明らかに自分の既知ではない戦略本とか会計本、哲学や物理の本をフォトリーディングしたところで、断片的な情報しか手に入らないよなぁと思っていたので。体系的に知りたい場合は、ゆっくり読むことにする。

自分にとって、この本で一番重要だと思ったのは、やはり第3章の書くということに関して。読む技術はもうさまざまな読書論を読んできたし、本自体もそれなりの数をこなして読んできたので、もう読書論から得られることはほぼ既知の物となっている。しかし、書くということ、自分の本を出版するということに関しては、まだ未知の領域である。

書く訓練としては、ブログやメールが良いみたいだ。なので、この書評ブログで文筆修行をしているようなもので。やたらと他の書評ブログよりも長い文章になっているのは、そういう理由からになる。他のブログよりも一見したときのわかりやすさは劣るが、読める書評を書いていくことを意識している。

また、ブログでCSSを設定して読みやすいものにしろという主張もなるほどなと思った。
 しかし、このようにブログもいろいろな技術の積み重ねで読みやすいものにできます。文章のコツを考えるのも、スタイルシートを作るのも、技術です。残念ながら、それを実行できない人には、訪問者が増えたり、出版社から声がかかったりするという進化は起きません。進化とは、突然変異ではなく、徐々に積み重ねた技術や労力が一定水準を超えたときに始まるものです。
(pp.150)
これは厳しい意見だなと思った。しかし、自分でCSSの設定をやってみることで、どういうデザインが人をひきつけるか、どういうフォントサイズ、カラーが読みやすいかということを考える訓練になり、より読み手を意識できるようになったと思う。とはいえ、このブログデザインはIE6.0で見ると右のサイドバーが落ちているが・・・・。なるべく早く直す予定・・・。

面白い考え方だなと思ったのは、ブログを書くことと本を出すことの差は、『インディーズと大手レーベルの差』ということらしい。これはなるほど!!と思った。自分は、今はインディーズでデモテープのように記事を書いて出版社から声がかかるのを待っている状態とも言える。まだまだ、本になるようなコンテンツは持っていないが。そして、本を書きたい人に勝間氏が強くお勧めするのは、『人生を充実させよう』『自分メディアを充実させよう』ということらしい。なるほどと思った。なので、自分も出版できるようにがんばりたいと思う。

第4章は、自分の本を売るということに関して著者の経験が載っている。これはすごいなぁお思う。ここまで意識して本を売っている著者は他にいないんじゃないかなぁと思った。逆に、本のマーケティングはまだまだ発展の余地があるということだとも思った。

最後に勝間氏の読書観を示しておくことにする。 
 最後に。私は決して、読書が人生のすべてだとは思っていませんし、読書が人生の何もかもの問題を解決する魔法の杖だとは思っていません。自分の人生を切り開くのはあくまで自分が中心です。ただ、自分だけではすべてのことはできないので、他者の力を上手に借りないといけないと思っています。そんなときに、直接会うことはできないけれども、間接的に知り合って、アドバイスをくれるのが著者たちです。
 著者たちは、私たちが自分の人生のミッションを達成するための、よりよい人生経験、楽しさ、知的好奇心、豊かさ、考え方、教養、興味、哲学、そのようなさまざまな刺激を本を通じて与えてくれるのです。
(pp.230-231)
これはまさにそのとおりだなと思った。著者のアドバイスをもらうけど、最後は自分がやらなければならないのだということで。そして、この書評ブログのコンセプトは、そのような先人の知恵のコレクションという側面もある。自分が本を読む理由は、先人の知恵を取り込んで、より良く生きるためでもある。

書くこと、売ることまでに言及されているとても濃い読書論だと思った。読む技術に関しては、読書論をそれなりに読んでいる人にはあまり新鮮味はないかもしれないけど、書く、売るに関しては、そんなことはないと思う。

読書をがんばっていこうと思う人、出版しようと思っている人は、絶対読んだほうがよい本だと思った。

また、この書評ブログで取り上げたカツマー本は以下。フレームワーク本、利益の方程式本も早く読まないとね。

専用サイトもしっかり準備されていて、読者を常に意識されている方だなと思った。読むべき人:
  • 本で自分を育てたい人
  • どのほうに本を選んでいいかわからない人
  • 将来著者になりたい人
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1. 勝間和代『読書進化論』  [ itchy1976の日記 ]   June 11, 2010 18:44

読書進化論?人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか? (小学館101新書)勝間 和代小学館このアイテムの詳細を見る 今回は、勝間和代『読書進化論』を紹介します。Webを意識した「読み手」「書き手」「売り手」それぞれの本との付き合い方について述べられています。...

コメント一覧

1. Posted by hiro@平凡会社員多読成功術   October 06, 2008 14:03

Masterさん
こんにちは!

インディーズからメジャーへの例えは
分かりやすくいいなぁと思えましたね!

音楽も本も媒体が違うだけで
根本を分ける必要はないというのが分かる気がします。

2. Posted by Master@ブログの中の人   October 06, 2008 20:59

hiroさん

こんにちは。

インディーズでがんばるアーティストをイメージすると、なんだかやる気がわいてきますね!!

がんばりたいと思います。

3. Posted by sugiyuzu   October 06, 2008 22:03

記事を書こうと思ったら、先を越されてしまいまいた・・・笑
音楽の喩えも分かりやすいですが、私は本との出逢いがグルメに似ている、というのに深く共感しました!
あとは「努力が報われる環境」。
これを自分自身で作っていかなければなりませんね。

4. Posted by Master@ブログの中の人   October 06, 2008 22:11

sugiyuzuさん

コメントありがとうございます。

この本は読書好きには共感できることが多く書いてありますよね。

自分も『努力が報われる環境』を作っていきたいと思います。

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