October 07, 2008

ブログ論壇の誕生


ブログ論壇の誕生

キーワード:
 佐々木俊尚、ブログ、論壇、メディア論、公共圏
ITジャーナリストによって、ブログによる情報発信について分析されている本。以下のような目次となっている。
  1. I ブログ論壇はマスコミを揺さぶる
  2. II ブログ論壇は政治を動かす
  3.  ブログ論壇は格差社会に苦悩する
  4.  ブログ論壇はどこへ向かうのか
(目次から抜粋)
著者は、新聞社出身のIT系のジャーナリストで、この本では、ニュース系、ネタ系、社会情勢に言及しているさまざまなブログの状況を分析し、そのブログの影響力を解き明かそうとしている。

そもそも、ブログ論壇は何かというと、以下のように示されている。
 インターネットの世界には、いまや巨大な論壇が出現しようとしている。このブログ論壇の特徴は次のようなものだ。―発言のほとんどはペンネームで行われ、したがってその社会的地位はほとんど問題にされない。そしてマスメディアがタブー視してきた社会問題に関しても積極的な言論活動が行われている。その発言が無視されることはあっても、発言内容をネット空間から排除されることはない。その中心にはブログがあり、2ちゃんねるのような掲示板があり、ソーシャルブックマークがある。
 この論壇は、マスメディアとアカデミズム、有識者たちによって構成されてきた日本の空間に、強いインパクトを与えつつある。
(pp.12)
そして、この本の目的は、『ネット論壇のダイナミズムの全容を紹介し、その世界がもたらすインパクトを解き明かすことである。(pp.15)』とある。

取り上げられている社会現象は、毎日新聞の低俗記事事件、ウィキペディアの編集の公平性、小沢代表のニコニコ動画出演、官僚出身教授に対する若者の反発、中国四川大地震時のトリアージ、JJモデルブログのクチコミ記事による炎上などさまざまなものとなっている。それらの社会情勢に対して、さまざまなネットの論客であるブロガーが自分のブログで意見を書き、それを著者が本書で取り上げ、解説をしているという内容となっている。

以下簡単に感想を示しておく。

日本ではブログの使用目的の大半が、日常生活の身辺雑記、つまり日記のようなものだが、アメリカなどは、個人のジャーナリズムとして社会情勢などに言及しているものが多いようだ。しかし、自分もいろいろなブログを見ていると、社会情勢に言及しているブログも結構あるし、それらは鋭い考察がなされているなと思う。本書では、新聞社出身の著者によって、新聞はブログ論壇のような論考・分析の要素に限ってしまえば、負けていると示されている。これは、自分もそのとおりかなと思う。社会情勢の事実のみを知るには、やはり既存のマスコミによるもののほうが正確で早いが、その本質、論考・分析は新聞より圧倒的にブログのほうが参考になるし、マスコミが言及しない裏の部分も知ることができる。

なので、この本を読むと、既存のマスメディアの存在価値はなんだろうな?と考えてしまったりする。ブログという新しい表現の場が出てきたことによって、マスコミとの付き合い方も大きく変えられたと思う。少なくとも、自分は新聞やニュースを積極的に取り入れようとはまったく思っていない。新聞は、書評欄と芸術欄のみを目的とした、日曜日の日経新聞しか読んでない。ニュースもネットニュースや社会情勢に言及しているブログを見れば十分な気がしてならない。

巻末に著者が選んだ著名ブロガーリストというものが載っている。その中で、自分もRSSリーダーに登録していて、よくチェックするものは以下。どれも超有名どころばかり。正直、これらとさまざまなブログを追っているだけで、世の中の流れを読むのに困ることはあんまりないと思う。

既存メディアと新メディアの対立構造として読むと面白いと思う。また、ブログの可能性について再考するのもよいと思う。

読むべき人:
  • ブログの可能性について知りたい人
  • マスコミ情報にうんざりしている人
  • ブログ論壇の論客になりたいと思っている人
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1. ブログ論壇の誕生  [ 蔵前トラック?? ]   October 20, 2008 22:39

ブログ論壇の誕生 (文春新書 (657)) 著者:佐々木 俊尚 ここ最近はそれほ

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