December 10, 2008

わが家の母はビョーキです

わが家の母はビョーキです
わが家の母はビョーキです

キーワード:
 中村ユキ、統合失調症、コミックエッセイ、闘病記
漫画家である著者の母が統合失調症になってしまい、統合失調症の闘病記が描かれているコミックエッセイ。以下のような目次となっている。
  1. はじめに
  2. PART 1 はじめに
  3. PART 1 発病から20年 まちがいだらけの不安な日々
  4. PART 2 社会とのとながり 回復の兆し
  5. PART 3 私の結婚と新生活
  6. おわりに
(目次から抜粋)
自分の中学からの友人であるサンマーク出版の編集者、綿谷氏(力を抜くなら肩からで)から献本御礼。基本的に献本は受け付けないが、これは例外。そして、このエントリは、決して、献本を受けたから、手がけた編集者が古くからの友人だったから多くの人に読んで欲しい、というわけではなく、本当に痛々しいほど共感したから熱く書く。

この本は、今日、通院中の待ち時間を利用して読んだ。自分もまた病んでいる身として、自分にしか伝えられない想いがあると思ったので書く。また、綿谷氏が熱くこの本を多くの人に読んで欲しいと語っていた理由がよくわかった。

著者の母は27歳のとき(著者が4歳のとき)に統合失調症という脳の病気を発症し、それから紆余曲折を経て、ある程度回復する現在までの闘病記が漫画で示されている。漫画の絵柄はやわらかめで読みやすいが、その内容はあまりにも痛々しく、著者の不安、絶望、孤独感が多く示されていている。ところどころで共感しすぎて本当に涙が出てきそうだった。

統合失調症を患っている著者の母は、月に1,2回豹変することがあり、まるで何かに取り付かれたように独り言を言ったり、幻聴を聞くようになり、ひどいときは包丁を持って娘である著者に襲いかかったりする。それに対して父はパチンコ、競馬などのギャンブルにはまっており、母のことは知らん振り。娘である著者は、本当に小学生の幼い頃から、自立を強いられ、母に代わって治療費などのお金の管理、豹変中の母の面倒を見てこられたようだ。それらは本当に過酷、失望感一杯で、漫画では少し面白おかしく描かれているけど、現実ではとても笑っていられなかっただろうと思う。母をここまで面倒見ながら自暴自棄にならず、母がある程度普通の生活を送れるようになるまでの20年以上の歳月を想像すると、著者は本当にすごい方だと思った。

以下に、特にこの本で印象的だった部分を示す。クリックで若干拡大。
存在しない平安
※画像アップについては承諾済み
特にこのシーンが印象的だった。『消えたいね』という、この言葉はあまりにも重く心に突き刺さる。

ここで統合失調症について簡単に示しておこうと思う。統合失調症は、もともと精神分裂病と言われていて、昔は発症すると廃人になるとか言われていたようだ。しかし、実際は脳の機能障害による病気で、躁うつ病と並んで代表的な精神疾患らしい。その発症割合は、100人に1人というもので、誰にでも発症しうるものらしい。統合失調症を発症すると、以下のような症状が現れるようだ
  1. 現実を正確に判断する能力が低下する
  2. 感情や意欲のコントロールができなくなる
  3. 適切な対人関係を保つことが困難になる
  4. 外からの刺激に迅速かつ正確に対応できなくなる
    (pp.49)
詳しくは、以下のサイトを参考にしてくれると嬉しい。この病気は抗精神病薬などを飲むことで、治療が可能なようだ。そして、それは早期治療ほど早期回復につながり、仕事をしたり、安定した社会生活が送れるようになるようだ。さらに、著者の長い闘病体験から、『わが家のトーシツライフ10カ条!!』が以下のように示されている。
  1. 困ったときはまわりに相談
  2. ドクターや関係先とは情報を共有
  3. クスリはかかさずに飲む
  4. 疲れる前に休む
  5. なるべくひとりでいない(支援センターに通う)
  6. 病気の知識を更新しよう
  7. 家族各々が自分の楽しみを持つ
  8. 家族同士の距離感を守る
  9. 毎日会話をしよう
  10. 思いやりと共感と感謝
    (pp.162)
これらが重要なようだ。闘病体験者であるからこそ、示せる内容だと思った。

著者の旦那さんもいい人だなぁと思った。楽観主義で、著者の精神的な支えになっておられる。やはりこういう病気になったときには、家族などの精神的な支えが重要なんだなぁと思った。それが端的に表されているのが最後の2ページにある。その著者の想いを以下に抜粋。
クスリも病気への 基本的な対応も 大切だけど
「思いやり」と「共感」が プラスされると最強だ

気づくまでに 本当に 長い 時間が かかったけど

これからは 家族一緒に のんびり楽しく 
トーシツライフ できるといい・・・

「失敗」と「反省」を くり返しながら 
「涙」と「笑顔」で 生きてみようと思う
(pp.160-161)
これを読んで、本当に自分も闘病して生きていく勇気を得た。

ここまで共感できたのは、自分もまたそれなりに病んでいるから。自分は腎臓病を患っていて、腎機能が常人の半分しかない。今日も、定期通院で、血液検査と検尿をしてきた。毎回通院時の血液検査に怯えている。今日は、ほんの少し良くなっていた。医者には完治しねぇとか宣言されているけど、なんとかいっぱいいっぱいで生きている。この本に示されているような統合失調症とは病気は違うけど、病んでいる人、またはその支えになっている人の気持ちが痛いほど分かってしまう。だから、この本は共感しまくりで、どうしても、多くの人に伝えておきたいと思って熱く書いた。

この本を読んで、病んでいるとき、辛いときはまわりの助けや理解が本当に重要なんだなぁと思った。『辛いときは辛いとまわりの人に言ってもいいんだよ』、と言ってもらった気がした。

ということで、自分の腎臓病ライフが知りたい人は、以下のgdgdブログを見るというのもあり。やはり、どこかで自分のことを理解してくれる人がほしいと思うから、こっちの書評ブログで取り上げてみた。とはいっても、こっちの書評ブログほどの価値はまったくないよ。RSSリーダーに登録してみるも価値もない。本当に自分専用の私生活の記録でしかないので。

ブログ、セミナー仲間である、大森さん、TMstarさんも同じように共感され、広く知って読んでもらいたいと書かれている。統合失調症という病気などぜんぜん知らなかった。この本で、多くのことを学べた。そして、1人でも多くの人が統合失調症という病気を理解してほしいと思うので、ぜひ手にとって読んでみて欲しい。



わが家の母はビョーキです
わが家の母はビョーキです

読むべき人:
  • 統合失調症について知りたい人
  • 自分の周りに統合失調症を患っている人
  • 闘病生活をしていて、生きていく勇気を得たい人
Amazon.co.jpで『統合失調症』の関連書籍を見る

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コメント一覧

1. Posted by ap   December 11, 2008 00:20

うつの方の闘病歴が描かれた漫画は持ってたんだけど、
こういう本があるとは知らなかったよ。

統合失調症も臨床心理の領域に入ってくるものだから、
是非勉強のためにも買わせてもらいます。

2. Posted by Master@ブログの中の人   December 11, 2008 07:42

>>apさん

最近出版されたものだからね。
周りの人にも薦めといて!!
たのんだよ!!

3. Posted by (・ω・)   December 13, 2008 13:27

君も知っての通り、俺も軽度に入るとは思うけど若干メンヘル系の問題を抱えていて昨日も病院行ったばかりなので、あまり他人事ではないなぁ。
何だかんだでもう丸2年以上通ってるからね。

トーシツではなくボーダーの話になるけど、リストカットがやめられなくて、彼氏に手首見られただけでフラれちゃったり、色々ツラい目に遭ってる友達がいる。
身近な人の理解が何より大切なのに、病気としてではなく単なる気持ちの問題としかとらえてもらえない場合が多いから、本人も相手をなかなか信頼できなくて、結果的に悪循環に陥っちゃうんだよね。
かといって軽々しく理解したなんて思うと、かえって本人を傷つける結果になりかねないし。

ホント、難しい問題だね。

4. Posted by Master@ブログの中の人   December 13, 2008 22:44

>>(・ω・) さん

コメントありがとうございます。

やはり病気の人に対する正しい理解というものが特に重要な気がします。病んでいる人意外の健全者の人に多く読んでほしい本です。

5. Posted by amber5   December 14, 2008 14:26

5 リストカットの話で言うと、知り合いのトーシツの女の子もやっぱり「自分の存在」のためにリスカをやっていたようです。
しかし、最近はリスカもある意味メジャーになってしまいましたからね。彼女は、家族に心配をかけましと、そして付き合った恋人にもすぐには分からないように、太ももをリスカしていると言っていました。

リスカするときまでも、他の人のことを考えなければならない…これはやっぱり社会の認識が、彼女たちを追いつめている、ということだと思います。

6. Posted by Master@ブログの中の人   December 14, 2008 15:33

>>amber5さん

コメントありがとうございます。
自分の回りに、リスカをしたという人がいないので、やはりどこかで自分の中にも偏見みたいなものがあると思います。自分を含めて、正しい認識を持っていくことが重要なんだと思いました。

ほんと、この本は、いろいろと勉強になりました。

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