December 24, 2008

羊男のクリスマス

羊男のクリスマス (講談社文庫)
羊男のクリスマス (講談社文庫)

キーワード:
 村上春樹 / 佐々木マキ、絵本、クリスマス、羊男、聖羊祭日
ノーベル文学賞に一番近いと言われている小説家、村上春樹の絵本。以下のようなあらすじとなっている。
聖羊祭日にドーナツを食べた呪いの為クリスマスソングが作曲できない羊男は、穴のあいてないねじりドーナツを手に秘密の穴の底におりていきました。暗い穴を抜けるとそこには――。なつかしい羊博士や双子の女の子、ねじけやなんでもなしも登場して、あなたを素敵なクリスマスパーティにご招待します。
(カバーの裏から抜粋)
今日、12月24日は、羊男の世界では、聖羊祭でもあるようだ。この日は、聖羊上人が夜中に歩いておられて、穴に落ちて亡くなられたという神聖な日らしい。去年の聖羊祭の日に、羊男は穴のあいた食べ物、つまりドーナツを食べてしまい、羊男は呪いをかけられ、そこから羊男の呪いを解くちょっとした冒険が始まる。

主な登場人物は以下のような顔ぶれ。
  • 羊男・・・夏でも羊の衣装を着ている本作品の主人公。ドーナツショップ勤務の作曲家。
  • 羊博士・・・羊のことなら何でも知っている博士。古いれんが造りの家に住んでいて、シナモン・ドーナツが好き。
  • 聖羊上人・・・羊男に呪いをかけた聖人。2500年前に深さ203メートルの穴に落ちて亡くなった、羊男会のキリスト。
  • 双子の女の子(208、209)・・・208、209とプリントされているシャツを着ている双子の女子。森から出ることができないが、風の唄を唄う。
  • 海ガラス・・・海の近くの岩壁のてっぺんに暮らしている奥さん。ガラガラとした大きな声の持ち主で、家の中がとても汚い。
  • 左ねじけ・・・穴の門番をしている、顔が左にねじれている男。すぐ泣いたり、人に悪いことを言ったりする。
  • 右ねじけ・・・左ねじけの弟。右回りにねじけていて、兄、左ねじけと正反対の性格で陽気だが、兄と同じようにねじけている。
  • なんでもなし・・・姿が見えないシャイなやつ。話すことはたいてい、『なんでもないです』と言う謙虚さを持つが、クリスマス・ケーキを3つも食べた。
このように、この物語は、おもしろいおかしいキャラクターに溢れている。その魅力を佐々木マキさんの絵がよりいっそう高めている。個人的に、ねじけ兄弟が一番インパクトがあるなぁと思った。

物語は、RPG的で、呪いを解くために羊男はさまざまな人と出逢い、ちょっとした冒険に出る。穴に落ちたり、森を抜けたり、岩壁を登ったり、海ガラスの奥さんと空を飛んだり、泉に頭から飛び込んだり・・・。

村上春樹の多くの作品は、日常の中に非日常が包括されており、まるで夢のような世界観が示されていると思う。その世界観をもっとデフォルメし、読者をより不思議の世界に引き込むのが、このような佐々木マキさんの挿絵が載っている絵本かなと思った。初めて、このタッグの絵本を読んだけど。

ちなみに、羊男は、村上春樹初期4部作の第3作目の『羊をめぐる冒険』、第4作目の『ダンス・ダンス・ダンス〈上〉』にも出てくるが、この絵本の羊男とは違う人みたいだ。なんせ、羊男教会というものがあり、羊男にクリスマスソングの作曲依頼をしてきた人も羊男だし。

物語の最後はちょっぴり切ない。そして、この絵本片手に独りでクリスマスを堪能するのはもっと切ない。



羊男のクリスマス (講談社文庫)
羊男のクリスマス (講談社文庫)

読むべき人:
  • 村上春樹が好きな人
  • 不思議な世界観を味わってみたい人
  • 一味違ったクリスマスを味わいたい人
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