January 05, 2009

アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック

アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック
アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック

キーワード:
 岩田治幸、PM、国防総省、戦略、EVM
自衛隊出身の著者によって、戦略的プロジェクトマネジメントが紹介されている本。以下のような目次となっている。
  1. 1章 プロジェクト・マネジメントとは何か
  2. 2章 何をどこまでつくるのかを決める(統合能力調整開発システム)
  3. 3章 方向性を誤らないよう行動方針を分析する
  4. 4章 仕事を柔軟に分担する(WBSの作成)
  5. 5章 コストの見積もり方
  6. 6章 スケジュール管理の仕方
  7. 7章 EVMを活用してできるだけ安く仕上げる
  8. 8章 リスクマネジメントの仕方
  9. 9章 使う人の身になって考える(信頼度・整備性の設計、品質管理)
  10. 10章 ジャストインタイムで提供する
  11. 11章 スパイラル開発手法でより良いものをより早くより安くつくる
(目次から抜粋)
著者は防衛大学出身で、自衛隊に入隊後、米国の軍事学校に留学していた人で、軍事的な観点からプロジェクト・マネジメントの方法論が示されている。以下、この本の目的を抜粋。
 本書は、米国陸軍兵站管理大学に留学し、プロジェクトマネジャー養成コースをトップクラス(Honor Graduate)で卒業した著者が、戦略的プロジェクト・マネジメントに必要な基礎知識、さまざまな事例、例題をわかりやすくまとめたものであり、一読すれば実践(戦)的な力が身に付くはずである。
(pp.4)
アメリカ国防総省の事例が多く出てくるので、軍ネタがとても多い。

まず、プロジェクト・マネジメントの目的を引用しておく。
 プロジェクト・マネジメントの目的は、組織内の壁を越えた横断的なチームによって一つの大きな目標を組織一丸となって達成するにあたり、スケジュール、リソース、そしてパフォーマンスのバランスを図ることにある。
(pp.16)
何気なく仕事でプロジェクト、プロジェクトと言っているけど、その最終目標は組織で何かを構築したり研究開発をしたりすることだと改めて認識させられる。そして、プロジェクト・マネジメントというと、プロジェクトで発生するスケジュール、人、物、金を管理することだということになる。さらに、プロジェクトにはかならず責任者としてのマネジャーが存在する。プロジェクトマネジャーの仕事は以下のように示されている。
 そこでプロジェクトマネジャーの仕事は、スケジュールの中で資源配分を適切にし、コストを抑制することによって、コストパフォーマンスに優れたものを開発し、それをユーザー(顧客)に提供することである。
(pp.13)
コストパフォーマンスに優れた開発を行うには、リソースやスケジュール、コストのバランスを図らなければならないようだ。

本書で取り上げられているプロジェクトは、従来の企業戦略やコンセプトが弱いプロジェクトを指すのではなく、戦略やコンセプトに主眼を置いた『戦略的プロジェクト・マネジメント』と定義されている。

軍事ネタが豊富で、その事例を眺めているだけでも面白いかもしれない。プロジェクトの工程管理などに使用されるWBS(Work Breakdown Structure - Wikipedia)の事例として無人偵察機や地上車両システムといった軍事兵器が出てくる。他にも、著者の自衛隊時代の教官としての話などもあった。これらは面白い事例で、他のプロジェクト本には出てこないものだと思った。

この本は、EVMの学習のために読んだ。EVMとは何かが示されている部分を以下に抜粋。
 アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)は、その名前が示すように、実際に得られた成果に基づき、プロジェクトの進捗を管理する方法である。
 それは、得られた成果をコストに置き換えることによって、プロジェクトの進捗を定量的に評価して、スケジュールの改善すべき部分を「見える化」する。つまり、EVMは完了したタスクの価値を決定し、傾向をつかむための手段である。この情報は、プロジェクトマネジャーが賢く資源を活用することを可能にする。
(pp.142)
このEVMの事例が、プロジェクトマネジメントと旅行の対比で示されていて、わかりやすかった。EVMについて知りたい人は、Wikipediaの記事を参考にすればいいと思う。この本は、そこまで難しいことが書いてあるわけではないので、割とすんなりと読めると思う。ただ、1ページあたりの文字量が多目なので、読むのには時間がかかる。特に朝の通勤電車で細切れで読んでいたので、そう感じた。

プロジェクトマネジメントに良く出てくる、WBS、PERT、CPM、ガントチャート、コスト見積もりなどが割りと分かりやすく示されている。一度読んだだけでは体感的には分からないかもしれないけど、そのうちプロジェクトマネジメントをする立場になれば、これがよく分かると思う。なので、もう少しクラスが上がったら再読する必要がある本だと思った。

プロジェクトマネジャーに近々なりそうな人は読んでおいて損はないと思う。



アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック
アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック

読むべき人:
  • プロジェクト・マネジメントについて勉強したい人
  • 軍ネタが好きな人
  • マネジャーに昇進したい人
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