January 10, 2009

SEのための価値ある「仕事の設計」学

SEのための価値ある「仕事の設計」学
SEのための価値ある「仕事の設計」学

キーワード:
 森川滋之、SE、キャリア論、スキル論、最短距離
ITコンサルタントによって最短距離でSEのキャリアを築く方法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 背中が煤けていませんか?
  2. 第2章 将来性がないなんて、とんでもない!
  3. 第3章 市場価値の高いスキルとは?
  4. 第4章 ぼくはどうして突破できたのか?
  5. 第5章 これが最短距離だ!
  6. 第6章 これからSEが目指すべき道は?
(目次から抜粋)
この本はITコンサルタントである著者によって、キャリアなどの人生設計がうまくできていない30歳前後くらいのSE向けに、最短距離で現状を脱却できる方法が示されている。

この本はとても真摯にかつ丁寧に書かれている本だと思った。今年1年、技術力を高めていこうと思う自分にとってはとても勉強になる内容だった。

線を引いた部分があまりにも多すぎて網羅性を示せないので、気になった部分などを恣意的に取り上げていくことにする。

これからのシステム構築のキーワードとして、『ユーザー主導』というものがある。これは、著者によれば、以下のように定義されている。
 エンドユーザーが中心となって業務設計をし、提案依頼書を作成して、ユーザー企業側の管理者が主体的にプロジェクト管理をし、システム開発をすること。
(pp.50)
これはつまり、システム構築を請け負うベンダーの言いなりになっていれば、本当に必要なシステムができることはないということであり、ベンダー依存体質から脱却しなければならないということになる。これからは、ベンダー任せではなく、ユーザー企業が積極的にシステム構築に関わっていくことになるようだ。

そして、その時に求められるIT人材はどういう人かというと、専門能力が高い人と示されている。たとえば、どこの企業でも会計知識は必要なので、公認会計士出身のシステムコンサルタントは今後もくいっぱぐれないとある。また、ファシリテーターや概念データモデルなどを作成できるデータアナリストも重要になっていくと示されていた。しかし、これらの専門性の高い職種はSEからなるのは難しいとある。

そのため、SEから上級職を目指すなら、システムグランドデザイナーとプロジェクトマネジャーが有望だとある。プロジェクトマネジャーなら誰でも聞いたことがあると思うが、システムグランドデザイナーという聞きなれないものは、著者の造語らしい。これは、一言で言えば、システム方式設計とソフトウェア方式設計ができる人らしい。そして、このような人材は本当に人手不足で、このような能力のある人の将来性がない、ということはないようだ。

システムグランドデザイナーに必要なスキルセットは以下のように示されている。
  1. ソフトウェア方式設計力
  2. インフラ設計力
  3. 業務理解力
それぞれをブレイクダウンしていくと、以下のようになる。まずは、ソフトウェア方式設計力
  • 開発言語、フレームワークになどに関する知識
  • データ構造とアルゴリズムに関する知識
  • 基本ソフトに関する知識
  • パターン化&と統合能力
  • 開発規約作成能力
次にインフラ設計力。
  • ハードウェアに関する知識
  • ネットワークに関する知識
  • データベースに関する知識
  • セキュリティに関する知識
  • アーキテクチャ選定能力
  • 規模見積もり能力
最後は業務理解力。
  • 一般知識
  • インタビューノウハウ
  • 業務フロー作成能力
  • データ分析能力
このように多岐にわたる知識や技術が求められる。プロジェクトマネジャーも同じように示されているが、今回は省略。上位レベルだけを示すと、プロジェクト管理に関する知識、ビジネススキル、人間力が求められるようだ。そして、これらのスキルセットのまとめ表が示されているので、自分には何が足りないか、どれを身に付けていくべきかがよくわかる。自分自身に関しては、インフラ周りと業務理解が特に弱いと思う。なので、ここを重点的にレベルアップしていきたいと思う。

技術者のあるべき理想像が示されているが、この本で特に重要なのは4章5章だと思った。4章からは著者のエンジニア人生が示されている。失敗経験やうまくいかなかったことなど、隠さずに赤裸々に示されている。それらは、自分も同じような経験があることもあるし、著者独自の大変な経験も示されている。

そして、5章こそが著者が1番伝えたかったこととあとがきに示されている。5章は、人が幸せになれるのは、自己実現をしているときというスタートから、技術者として自己実現するための14のステップが以下のように示されている。

自己実現までの14段階

これはとても参考になる。他の技術本にはこのようなものが示されていないので、この本はすごくSE、IT技術者のことを良く考えられていると思った。どれも細かく示しておきたいけど、これは実際に本を読んで確かめて欲しい。

ところどころに著者の仕事経験のコラムなどがあり、読み物としても面白い。また、各章の冒頭には必ず格言が示されている。著者は、矢沢永吉がお好きなようだ。

300ページくらいあるので、じっくり読んで1週間くらいかかってしまった。しかし、この本はどうしてもフォトリーディングで読み飛ばしていきたくなかった。本当に真剣に技術者のことを考えられて書かれている本だと思ったので。将来自分もこのような本を書きたいと思った。

新年、IT技術者として生きていくと決断するうえでとても勇気付けてくれる本だと思った。30歳前後くらいの読者を想定しているが、この本を早くに読めたことを幸運に思った。そして、システムグランドデザイナーを目指してみようと思った。

IT技術者として将来に悩んでいる人は絶対読んだほうがいい。



SEのための価値ある「仕事の設計」学
SEのための価値ある「仕事の設計」学

読むべき人:
  • IT技術者に将来性がないと思っている人
  • どのようなスキルを身に付けていいか分からない人
  • ITコンサルタントを目指している人
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1. SEのための価値ある「仕事の設計」学 森川滋之著  [ 読書による経験価値 ]   May 13, 2009 01:39

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