January 27, 2009

バーのある人生

バーのある人生 (中公新書)
バーのある人生 (中公新書)

キーワード:
 枝川公一、Bar、入門書、隠れ家、人生
雑誌でバーについてのエッセイを連載していた著者によって、バーのたしなみ方が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 1 バーへの心の準備
  2. 2 バーに入る
  3. 3 カクテルを楽しむ
  4. 4 バーの時間の過ごし方
(目次から抜粋)
この本は、バーの歴史、バーの由来、バーでの注文の仕方、カクテルの解説、バーでのちょっとした客としての気遣い、バーテンダーの本質、良いバー、悪いバーの例など、幅広くバーについてまとめられている。

線を引く部分が多かった。ポイントを絞って列挙すると、水で薄めた酒みたいになってしまうので、引用を多めに示しておく。

まずは、バーの本質が示されている部分を引用。
 自由は残念ながら、非日常に集中している。一方、日常は不自由だらけである。たまたま自由を満喫しながら、遊ぶ快感にひたれる場のひとつ、それがバーであろう。日常のあれこれを置き去りにし、素のままの自分になって、カウンターに向かい、座る。あるいは立つ。それがバーである。
(pp.10-11)
バーとは非日常の中で、自由をもたらしてくれるものらしい。そして、その自由を保障するものが、バーカウンターと示されていた。

バーの所在地は分かりにくいところにあったり、看板が出ていたとしても控えめで小さいものであったりする。バーの入り口に立ちはだかる扉は、暗い感じで、開けられたくないと告げているようだとある。そして、バーというものは、特別な空間であると示されている。以下にその部分について抜粋。
 これについて、ある人が、まさにそのとおりと言いたくなる、的を射た発言をするのを聞いたことがある。「外から内部を見えづらくする。これってバーの条件のひとつでしょう。ウェルカムではあるけれど、オープンにはしない。それでいて、いったん入ってきた人は温かく迎える。ひとつの世界を構成することへの執着というか、それが昔ながらの日本の酒場とちがっているところかな」。
 扉の向こう側にあるのは別の世界である。よそよそしい扉は、そのことを客に告げるためでもあり、あるいは確認させるためでもある。ここからは、あなたがいつも暮らしている、日常の世界ではないんですよ、と改めて念を押す。だから、あまりに気軽なドアのバーに出会うと、本格的なバーであることの「自覚」が足りないんじゃないかと疑問を投げかけたくもなってしまう。
(pp.42)
あまりにも重厚な扉を備えるような本格的なバーには入ったことがないが、それでもカジュアルなバーに入るときでも、いつも別世界に行くのだと思っている。

先ほどのバーの本質と絡めて自分なりにバーを定義すると、『バーとはお酒を飲みながら、自分自身と向き合える非現実空間である』と言える。自分がバーに行くのは、日常生活の悩みや不安を全て払拭して、自分自身と向き合い、自分の仕事、プライベート、そして人生についてお酒と共に考えるためでもある。

少し観念的になりすぎたので、実際的な部分も示しておこう。

バーでの注文の仕方を取り上げよう。バーに初めてやってきた者にとっては、何をどう注文すれば戸惑うことになる。著者は、お酒のブランドやカクテルの名称を「言わねばならない」という強迫観念を捨てるべきだとある。これが注文する場合の第一歩らしい。注文するには、自分の好みの味わいをバーテンダーに説明すればいいようだ。カクテルの場合だと、次の4つの情報があればいいようだ。
  1. 甘めがいいか、ドライが好みか
  2. アルコールは強みか弱めか
  3. ソーダは入れるかい入れないか
  4. 暑さ、寒さ、涼しさなどの季節に対応したものがいいか
さらに、食事の前か後かなど、自分の心身の状態を伝えればよいらしい。これは覚えておこう。そして、あまりにもバーテンダーに任せきりなのもダメなようだ。

他にもバーテンダーについてもいろいろと示されている。『バーテン』と略すことは、差別的な意味あいになり、大変失礼になるようだ。正しく、『バーテンダー』と言わなければならない。また、あるバーテンダーは、バーテンダーのことを『心の病を治す、夜のドクター』とまで言い切ったようだ。自分も癒されたくて、バーに通うのかもしれない。

カクテルの解説もひとつだけ示しておこう。『カクテルの王様』の異名を持つ、マティーニ(マティーニ - Wikipedia)を取り上げる。一部説明を抜粋。
 こうして派生させ、自分の好みのつくり方を求めていくカクテルの筆頭に挙げられるのが<マティーニ>であろう。その意味では、いかにもカクテルらしいカクテルとも言える。ボンドほどわがままでなくても、自分の好きな味を知ってはじめて、<マティーニ>好きを自称できると言われている。
(pp.130)
マティーニといったら、007のジェームズ・ボンドのウォッカ・マティーニ(ウォッカ・マティーニ - Wikipedia)、ヴェスパー(ヴェスパー (カクテル) - Wikipedia)が思い浮かぶ。最近公開された、『007/慰めの報酬 - オフィシャルサイト』では、ボンドがヴェスパーを6杯も飲んでいる。それは、前作、『007 カジノ・ロワイヤル - Wikipedia』を見れば、なぜだか分かるだろう。自分もボンドになりきって、ウォッカ・マティーニを飲めるようになりたいものだ。

将来、本が読めるバーを作りたいと思っていたので、この本を読んでみた。バーの基本的な知識から、客のバーでのあるべき態度などもとても勉強になった。自分は、まだまだバーが似合うような存在ではないが、なるべく多くのバー、お酒を体験していくことで、バーが板につく男になりたいと思った。



マティーニ今日は25回目の誕生日を迎えた。四半世紀生きてきた自分を振り返りつつ、これからの自分の人生をカクテルの王様、マティーニとともに考えてみた。

マティーニはアルコール度数40度超のドライジンが使われているので、1杯でほろ酔い気分になる。まだこの味を自分のものにできていないけど、ものにできるようになりたい。

ちなみに、自分が好きなのはウォッカベースのカクテルだ。癖がなく、度数が強いが悪酔いしないので、味わって飲める。特に好きなのは、青色が美しいブルーマンデー(ブルー・マンデー(カクテル検索):BIGLOBEグルメ)だ。日曜日の夜に飲むといっそうよい。



バーのある人生 (中公新書)
バーのある人生 (中公新書)

読むべき人:
  • バーの入門的知識を身に付けたい人
  • バーが似合う男になりたい人
  • ロールモデルがジェームズ・ボンドの人
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