July 26, 2009

ブログの始まりと3年間の軌跡と意味

このブログは、2006年の4月、社会人になったときから始めたブログであり、先日500冊の書評を達成した。

よい区切りだと思うので、そもそものこのブログの始まりについて、そして自分にとってこの500冊の書評とは何であったのか?ということを一度深く振り返ってみたいと思う。


始まり

このブログは、最初は気軽なものだった。読書ブログを始めるときの目的は、単に自分専用の読書記録をWeb上につけることと、Amazonアフィリエイトに挑戦することだった。しかし、実際にこのブログがスタートした時点で、その目的は霞むことになる。

2006年4月、僕は大学卒業後、社会人になった。第一志望の会社に就職が決まっていたので、希望に満ち溢れていたと思う。しかし、希望に満ち溢れていた社会人生活のスタートは、絶望的なものだった。

2006年4月4日、父の58回目の誕生日に、父親と突然の死別。
2006年4月11日、忌引き休暇中に腎臓病が発覚。

東京生活が始まり、世界が広がっていくような楽しい状況から、一気にどん底に叩き落された境地だった。このときの精神状態はかなり不安定だったと思う。

絶望

父親の死は、心筋梗塞による突然死だった。何の前触れもなかった。

自分の病気は、大学時代から自覚症状は少しあったが、それが深刻な状況になっているほどだとは分からなかった。

2006年4月15日、最初の書評を書いた。最初の1冊は、このブログの方向性を暗示するようなものとなった。

不安

どうしようもなく不安で、未来が見えなかった。

それから2日後、入院した。5月半ばまで入院していた。
ベッドの上でこのブログを更新していた。

ベッドの上で自分の境遇について自問自答した。
なぜ自分がこんな目に?何の因果で?
医者から完治不能を宣告されて、途方に暮れた。
もう普通に生きられないのだ。
これからどうやって生きていけばよいのか?
毎日嘆いていた。

闘病生活

薬の副作用もあって、精神状態が不安定だった。
自分を安定させるように、毎日ベッドの上で読書した。
ベッドの上で、自分の気持ちを落ち着けるように記事を書いた。

退院後しばらくは、自宅療養期間になった。
毎日実家で読書をし、復帰に備えていた。
自分は4月入社であったが、
4月入社の同期はどんどん研修を進めているようだった。
常に焦りと不安だけがあった。

そして8月、主治医の許可もおり、なんとか復帰できた。
持病の影響もあり、1ヶ月は様子見で、
9月から9月入社の同期と入社後のトレーニングを開始した。
なんとか社会人生活を再スタートすることができてよかった。
休職していたので、休職可能期間を超えると、
自動退職になってしまうから。
それよりも、やっと東京生活が始められると思って嬉しかった。

復活

本格的に仕事が始まってからも、割としんどい状況だった。
入社した組織は、バリバリ体育会系の外資コンサル系。
常に自分のパフォーマンス以上を求められるが、薬の副作用もあり、自分の本来のパフォーマンスを思うように発揮できず、苛立ちやもどかしさを感じていた。

能力不足

仕事中も足の痺れ、強烈な眠気、注意力散漫な状態で、
疲労感も健常時の2倍くらいを体感していた。
もともとネガティブ思考なのに、投薬量の振幅によって、
精神状態に大きく影響を与えられた。
考えていることはいつも、ネガティブなことになった。

あるジョブでは、勤務時間が9時3時という日が何日か続いて、
ふらふらしてまっすぐ歩いて帰れなくなった。
そして、ある朝ベッドから起き上がれなくなった。
結局そのジョブからは途中リリースになった。

自分の実力のなさと、自分の境遇を嘆いた。

嘆き

そして、大体いつも同じことを繰り返し考えていた。

どうがんばっても、自分の能力を100%発揮できない・・・。
なぜこんなポンコツな体になってしまったのだろう?
どうしてこんなにつらい思いをしているのだろう?
いつ会社を辞めようか?
このままの生活ではだめな気がする。
自分がやりたいことは本当に今の仕事なのか?
何を目指して東京生活を送っているのだろう?
いっそ実家に帰ったほうがよいのではないか?
そもそも、この方向性を選ばなかったら、
今ごろこんなに病んでいることはなかったのかもしれない・・・。
どこで道を間違えてしまったのか・・・・?

人生の分岐点

もう過去に戻れないことはわかっている。
わかっているけど・・・。

では、どっちの方向に進めばいいんだ!?

東京での一人暮らしは、空虚で孤独なものだった。
誰かそばで支えてくれる人がいるわけではなかったので、
毎日自分で自分を支えるので精一杯だった。
逃避するように眠りに着く前に、何度枕を濡らしたかわからない。

東京タワーに問う

このままではよくないと思って、
夜景をみながら自分を奮い立たせたこともあったし、
温泉宿に引きこもって徹底的に自問自答したこともあった。
いろいろと自問自答しつつも、自分の支えになっていたのは、
読書だった。

いろいろな本を読んだ。
それらの本によって、本当に救われた境地に至ったものが多い。
一冊一冊読みながら、写経するようにブログに更新し続けた。
読むと気が楽になったり、生き方に対する迷いが薄まったりした。

自分が強く印象に残った部分、
救いを感じた部分をブログに引用しておいた。
また同じようなことを考えて迷ったり悩んだりしたら、
その部分を見て迷いを緩和させるために。

模索

辛い状況に陥りながらも、なんとか今まで自分の人生を投げ出さずにここまでやってこれたのは、読んできた本のおかげである。そして、このブログの更新が心の支えにもなっていた。

誰かのために更新し続けてきたわけではなく、
徹底的に自分のために更新した。
自分にとって、この書評ブログは、
心のよりどころみたいなものであった。
このブログがなかったら、今頃どうなっていたかわからない。

回顧

3年間続けられたのは、続けたかったからというよりも、続けなければ生きた心地がしなかったから。もっと正確に示すならば、読んで書いていなければ、生きていないのと同じだった。

書評を媒体として、自分の心情を叫んでいたのだと思う。

この3年間、ずっと更新し続けてきたが、このブログの本質は、始まりの3冊と最後の3冊に集約される。
  1. 不安の力
  2. 希望学
  3. ブッダ
  4. なぜ私だけが苦しむのか
  5. 本当に生きるための哲学
  6. 人間の絆
この3年間、読書、ブログの更新を通して、以下のことを考えていたのだと思う。

自分の人生をよりよく生きるとはどういうことか?

もっと自分らしく砕けた表現をすると、

何を目指して、どうやって生きていけばよいのか?

ということになる。

500冊の読書を通して、暫定的な自分なりの回答はある程度見出せたと思う。しかし、まだまだ自分の軸にはなっていないと思う。その答えが自分の生き方の軸になるように、これからも深く考えていきたい。

生きるということはどういうことか?

絶望的な境地から始まったブログではあるが、結果的にこのブログを通して、多くの人と出会うことができた。その人たちに影響を受けて、日々の生活が楽しくなったり、いろいろと勉強になることが多かった。

また、自分がここまでやってこれたのは、読んだ本だけではなく、更新を楽しみにしてくれている読者の方々、そしてブログを通して出会った人たちのおかげでもある。

その点については、深く感謝申し上げます。

社会人になってからのこの3年間は、冗談じゃなく今まで一番悲惨な状況で、死ぬほど辛かったと思う。自分にとってこの3年間という事象に意味づけをするなら、それは、以下のようなものだと思う。

25歳以降の生き方の土台を築き上げるための修行期間である

望的な境地に陥っていて、未来が見えなかったあのころの自分へ。
障害を完全に克服できたわけではないので、
たまに苦しいときもあるけど、何とかがんばって生きているよ。
それでも、いろんな人に恵まれて、楽しいことも多くなってきたよ。
確かな未来など存在しないけど、未来を楽しく想像する境地に至れるようになったよ。

Blue Sky Horizon

そして、自分の精神安定装置、生き方の模索のためのアウトプットの場としてのこのブログの役目は、すでに果たされようとしている。

もう大丈夫。
このブログがなくても、生きていける。
いつだってこのブログを手放すことはできる。

今までご愛読ありがとうございました。
本当に皆様と本のおかげです。


第2部 オンライン書評図書館 –Blue Sky Horizon- 編 完

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コメント一覧

1. Posted by 英語アレルギードクター   July 26, 2009 23:29

おお!感動的な終わり方ですね!!

ブログの終了をここまでドラマチックに仕立てるとは!


第3部に期待しています。

2. Posted by sugiyuzu   July 26, 2009 23:35

Masterさんへ

私もMasterさんの気持ちが非常によくわかります。
境遇がよく似ているから・・・
だから、この記事を読んで泣きそうになりました。

ブログを通じて、セミナーという場でMasterさんにお会いできたこと。
その後、良い関係を続けさせてもらっていることに深く感謝しています。

今後Masterさんがブログをどうしていくかわかりませんが・・・
ブログでもリアルでも、今後ともよろしくお願いします!

I'm really lucky to have a friend like you!

3. Posted by 勉子   July 27, 2009 00:32

5 ちょっと読んでいて泣きそうになりましたよ。

Masterさんに、そんな思いがあったなんて、
ぜんぜん知りませんでした。
3年間、500冊書評の原動力は、
そこだったのですね。

本が救ってくれたってところ、
私もよく分かります。

これからも応援しておりますね。

4. Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文   July 27, 2009 00:49

Masterさん、こんばんは。

結構昔(?)から応援していたモノの一人としては、色々と思うところもあります。

今後ともどんな形ででも応援しておりますので、お互い頑張りましょう!

5. Posted by 宇宙   July 27, 2009 09:24

2年ほど前から購読させて頂きました。
最後に大好きなモームの「人間の絆」を
取り上げてくれてとても嬉しかったです。
私もいまだ、意味と無意味の間で混乱しております。

ほとんどの書評ブログが自己啓発系ばかりの中、
小説なども頻繁に紹介して頂き、感謝しております。

お写真を拝見すると
おやせになった小山薫堂さんに似てますでしょうか。
Masterさんの末広がりの未来に乾杯!

6. Posted by 磯崎 航平   July 28, 2009 09:14

5 Masterさんのブログを拝見したのはつい先日のことでしたが、貴方の境遇をお聞きし、大いに共感致しました。
私も御承知のように難治性の持病持ちの上、昨年半年間の入院時には「自分は何者なのか?」を探し続けて病院の図書室の本を読み漁りました。

ちなみに、私を救ってくれた本をご紹介しておきます。何かのご参考になれば幸甚です。

「すべては『単純に!』でうまくいく」ローター・J・ザフヴァート+ヴェルナー・ティキ・キュステンマッハー共著(飛鳥新社)
「家族の中の孤独」岩月謙司著(ミネルバ出版)
「父原病」中川俊二(芸術生活者)

人生を生きるのはシンドイ。でも今は、生きていればこそ美しいものに触れ、感動や喜びを得る明日があるんだと心の底から感じています。

Masterさんの輝かしい未来とご健勝、ご活躍を心よりお祈りしています。

できることなら、第3部にて再びお会いできることを心より期待しております。
本当にありがとうございました。

7. Posted by わんわん   July 28, 2009 12:56

私がブログを始めたころからいつもお手本として拝読しておりました。

素晴らしいサイトをつくり3年以上もブログを続けてきたことには感動します。

ありがとうございました。





8. Posted by Master@ブログの中の人   July 29, 2009 22:41

コメントをいただいた皆様、
ほんとうにありがとうございます。

皆様なのおかげで、ここまでやってこれました。

これからも自分なりに更新し続けるので、今後ともよろしくお願いいたします

9. Posted by amber5   July 31, 2009 18:54

言われてみればあたりまえかもしれないけど、いろいろと考えてたんだね。

自問自答をする時期というのは、長い短いにかかわらず、自分のターニングポイントだと思います。

そのターニングポイントを迎え、そしてその上にたって一歩を踏み出したんなら今後の人生は良い方向に向かって大きく変わるよね!


>いろいろと自問自答しつつも、自分の支えになっていたのは、読書だった。


自分の場合、自分の支えとなったのは「現実(=リアル)」でした。

そんな時期に読むブッダの影響はでかかった。
将来、本を作りましょう。

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