August 21, 2009

政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ

政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ―ひとめでわかる図解入り
政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ―ひとめでわかる図解入り

キーワード:
 池上彰、政治、選挙、図解、権利
元「週刊こどもニュース」のお父さんによって、政治の仕組みが分かりやすく示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 「政治」とは何か?
    1. 「政治」とは何か?
    2. 「民主主義」とは何か?
    3. 朝鮮民主主義人民共和国は「民主主義国家」なのか?
    4. 日本の政治のしくみ
  2. 第2章 「選挙」とは何か?
    1. 選挙は社会において、どんな役割があるのか?
    2. 「普通選挙」はいつ、どのように始まったのか?
    3. 選挙制度はどのようになっているのか?
    4. 「一票の重み」はすべて同じなのか?
    5. 政治家が選挙を嫌がるのは。なぜか?
    6. 投票日に予定が入ってしまったら、どうするか?
  3. 第3章 「国会」とは何か?
    1. 衆議院と参議院はどう違うのか?
    2. いろいろある「国会」。それぞれどう違うのか?
    3. 法律はどのように作られるのか?
    4. 「族議員」とは何か?
    5. 国会議員の仕事とは、どんなものなのか?
    6. 国会議員の給料は?議員宿舎は本当に必要?
    7. 議員の後援会や、政治資金パーティーは何のためにあるのか?
    8. なぜ二世議員ばかりが増えるのか?政治家に必要なものは?
    9. 派閥とは何だろう?
    10. 「党首討論」「証人喚問」とは何か?
  4. 第4章 「内閣」とは何か?
    1. 総理大臣は、毎日どんな仕事をしているのか?
    2. 総理大臣はどうやって選ばれるのか?
    3. 総理大臣と大統領はどう違うのか?
    4. 内閣とは何か?政府とは何を指すのか?
    5. 「官僚制」とは、どんなものか?
    6. 幹事長とはどんな人か?副大臣、政務官とは?
    7. 内閣官房とは何か?内閣官房長官の役割は?
    8. 五五年体制とは何か?連立政権とは、どういうものか?
  5. 第5章 「憲法」「裁判所」「地方自治」とは何か?
    1. 「憲法」とは何か?
    2. 日本国憲法、その内容は?憲法で何が問題なのか?
    3. 裁判所とは何か?
    4. 裁判官に必要なものは?裁判員制度とは何か?
    5. 地方自治とはどういうものか?地方公共団体のしくみ
    6. 地方自治の問題は?
(目次から抜粋)
この本は、NHKで記者としての経験を活かし、そこから「週刊こどもニュース」のお父さん役をやっていた著者によって、社会人として知っておいてほしい政治の基本中の基本が、分かりすく図解を含めて示されているものとなっている。内容自体は、中学生の公民の教科書レベルだと思われる。来る今月末の衆院選に向けて、もう一度政治、選挙の仕組みの基本の基本を復習しておきたいと思って読んだ。特に抑えておきたいポイントを以下に列挙。
  • 人々を代表してそのお金を預かり、よりよい使い道を考えるのが政治家
  • 国民の代表として選ばれた政治家は、国民の声を聞き、税金の使い道を考えたり、国の方針を決めたりする。これが「政治」となる
  • 民主主義とは、政治家を信用していないシステム。政治家を信用していないので、ダメならすぐに辞めさせることができる仕組みとなっている
  • 選挙という仕組みがあることによって、世の中が悪化するのを防ぐことができる。いわば、社会の安全装置の役割を果たしてる
  • 国民主権により、政治の主人公は、政治家ではなく、私たち国民
  • 小選挙区制は、一つの選挙区から、一人の議員を選ぶもの
  • 政権交代があると、政治に緊張感が出て、政治腐敗が起きにくくなるといわれている
  • 比例代表制は、政党の名前を投票用紙に書いて投票し、政党ごとの投票数に応じて各政党に議席を配分する仕組み
  • 衆議院選挙は、4年の任期満了か、途中の解散のときに、衆議院全員を選びなおすので、総選挙ともいう
  • 一票の格差とは、議員一人当たりの有権者数の格差のこと
  • 「不在者投票」から「期日前投票」に呼び名が変わったのは、不在者投票は当日不在になる理由を明らかにしなければならなかったが、期日前投票は、投票日当日に投票に行けない理由を聞かないので、期日前でも投票してもらいたから
  • 海外に住む日本人は、日本大使館や領事館に「在留届け」を出してあれば、「在外選挙人名簿」に登録され、投票できる
  • 投票日当日、投票所に朝一番乗りした人には、選挙管理委員会から投票箱がカラであることの確認をお願いされる
  • 衆議院選挙が行われた後に開かれる特別国会で、総理大臣が選ばれる
  • 総理大臣が国会議員の投票で選ばれるということは、国会の中で議員数が一番多い政党から選ばれることになる
ちょっと多いが、多目に列挙した。主に2章の『「選挙」とは何か?』からポイントを絞った。こうしてみると、選挙の仕組みはあまり理解していなかったなぁと思った。中学の公民や高校の政治経済で学んだことから、特に知識が深まっていないと思った。まぁ、新聞は読んでないし、政治のニュースにも無関心だったからそれはしょうがない・・・。

国ごとの選挙の違いについての比較で、日本は他の国よりも選挙にお金がかなりかかると示されていた。それは、アメリカやイギリスは、「この人を私たちの代表として出したい」といって、周りの人たちが自主的に資金を提供したり、みんなでボランティア活動をして手作りでパンフレットを作ったり、ポスターを貼って回ったりするので、候補者本人にはほとんど負担がかからないらしい。

しかし、日本の選挙では、選挙には出たい人しかおらず、そのため、回りの人がボランティアで候補者を助けるということはないので、供託金やその他の選挙費用を含めて最低でも数百万円も必要になってくるようだ。そのような状況では、日本の政治はよくならない、と著者は以下のように示している。
 政治をよくするために、自分たちの中から代表を出そう。その人にお金がないなら、みんなで応援をしよう。政治資金が出せないなら、休日にポスターを貼るなど、体を動かしましょう。これが、政治に対して責任のある国民の姿だと思います。
 その点、日本国民の政治に対する意識はまだまだ未熟だと、言わざるを得ません。
 選挙にはお金がかかる、というのは事実です。ただ「お金がかかってけしからん!」というのは見当違いの批判なのではないでしょうか。
 私たちが出したい人の応援をしないから、結果的に日本の選挙はお金がかかる。こういうことなのです。
(pp.066-067)
なるほどと思った。しかし、回りの人からこの人を候補に!!と言ってもらうには、相当密に地域コミュニティが発達している必要があると思った。マンションの隣人が誰だかわらないような状況では、このような状況は難しいと思える。でも、社会参加するということは、著者の示すようなことなんだろうなと思った。

文章も分かりやすく、図もそれなりに入っているので、中学生くらいからでも読めると思う。出版されたのが、2008年4月と、比較的最近なので、数年前ニュースで話題になったこともなども出てくる。

選挙の仕組みなどが示されているが、各政党の特徴などの比較はほとんど示されていない。選挙の歴史をなぞっている部分もあるので、与党の自民党の記述が多いと感じられるくらいだった。

また、各政党のマニュフェストの比較などは、以下が参考になる。また、あんまり政治や選挙に関心が持てないという人は、島耕作の著者である、弘兼憲史による以下の漫画がおもしろいし、勉強になるのでお薦め。加治隆介の議 (1) (講談社漫画文庫)加治隆介の議 (1) (講談社漫画文庫)
著者:弘兼 憲史
販売元:講談社
発売日:2000-02
おすすめ度:4.5
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ちょっと長いので、満喫で一気に読んだほうがよいかも(笑)

社会人になって数年がたち、自分で税金を払うようにもなった。ニュースを読んだりしていると、日本はこのままじゃダメだ、とか少しは思ったりもする。企業や国を当てにせずに生きようといった、自己責任論がはびこっていたりもするが、選挙に行って投票するということも一つの自己責任なのではないかと思う。本書の『はじめに』で、『なぜ、選挙に行かなくてはいけないのか?』で、以下のように示されている。
 選挙が行われるたびに、報道される投票率。このところ投票率は下がるばかりです。「いちいち選挙に行くのはめんどくさい」「政治なんて、よくわからないから政治家に任せておけばいい」「国会議員も誰かが選んでくれればいい」……。
 果たして、本当にそれでいいのでしょうか。投票しないということは、有権者としての自分の権利を放棄したことになります。私は、こういう人は、政治に関することに文句を言う資格はないのではないかと思えるのですが、あなたはいかがですか。
 え?政治について文句など言ったことない?本当にそうでしょうか。消費税や年金問題について不平を言ったことはありませんか。これも政治の問題なのですよ。「政治」は実はあなたの生活にも密接にかかわっているのです。
(pp.002)
給料日のたびに何度、所得税、住民税が高いと思ったことか(笑)こういうふうに文句を言えるようになるためにも、選挙に行くべきだと思う。

期日前投票があるのだから、「選挙に行く時間が無い」とか「選挙など興味がない」、と言うのは、自分自身の生活環境がどうなろうと知ったことではないと宣言するようなもので、さらに自分の将来、日本の未来を放棄することに等しい、と自戒をこめつつ、投票日まで各党のマニュフェストを読み込んだり、当日はしっかりと選挙に行って投票しようと思った。

特に自分と同じくらいの世代の人は、この様な本を読んだりして、選挙や政治に関心を持つべきかなと思った。この本は、すぐに読めるので、衆院選までに2,3,4章のみを読んでおいたらいいかもしれない。

結局、誰かが日本を変えてくれるわけではない。自分で変えるのだ。一票を投じることによって。



政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ―ひとめでわかる図解入り
政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ―ひとめでわかる図解入り

読むべき人:
  • 政治のことがよく分からない社会人の人
  • 衆院選まで軽く選挙の仕組みを抑えておきたい人
  • 自分の権利をしっかり行使したい人
Aamzon.co.jpで『池上彰』の他の本を見る

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1. 裁判員制度  [ 裁判員制度.com ]   October 21, 2009 21:36

裁判員の選定や辞退、裁判員の日当・日程などについて

コメント一覧

1. Posted by sugiyuzu   August 21, 2009 08:07

本当、選挙にお金が掛かることも、政治絡みでお金がキレイじゃない一員だと思います。
供託金の制度も、欧米みたいに少額か廃止にすればいいのに・・・
「地盤・看板・カバン」というけど、これって無形資産ですよね。
世襲議員が強いのも、これが相続できちゃうから。

ということを、公に話せる国にまずならないといけませんね。

2. Posted by 勉子   August 21, 2009 08:22

日本は選挙にお金がかかる国なのかー
でも確かに、
「この人を私たちの代表として出したい」
という意識はないかも…。

結局、この国を作っているのは
私達一人一人なのだから、
選挙に行くこと大事ですよね。
まずは、そこから。

3. Posted by Master@ブログの中の人   August 21, 2009 09:16

>>sugiyuzuさん

まさにこの本で、「地盤・看板・カバン」と世襲議員の関係が示されておりました。すでに把握されているとは、さすがです!!

>>勉子さん

日本の選挙では、たとえば衆院選の比例代表に立候補するときに供託金として600万円必要だったりします。一方、他の国では、数万円だったりするようです。このように、日本ではかなりお金がかかるので、政治家は合法的なパーティーで資金集めなどをする必要があるようです。

ともあれ、ぜひみんなで投票に行きましょう

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