August 27, 2009

若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?

若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書)
若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書)

キーワード:
 森川友義、選挙、政治リテラシー、仕組み、投票
政治学者によって、日本の政治の仕組みが分かりやすく解説されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 若者は政治によって損をしている!?
  2. 第2章 主役は、「有権者」のはずだけど……
  3. 第3章 実は「国会議員」の力は弱い!?
  4. 第4章 「特別利益団体」を知らずして政治は見えない
  5. 第5章 「官僚組織」の「官僚組織」による「官僚組織」のための政治?
  6. 第6章 政治を変えるのは、あなた!
(目次から抜粋)
著者は、政治学者の立場から、日本の政治の仕組みを分かりやすく解説し、選挙権を持つ20歳から35歳くらいまでの人にむけて、政治リテラシーを高めるためにこの本を書いたようだ。そして、20歳から35歳の読者に得をしてもらうため、という思いがこめられている。

投票日が後数日に迫っている状況で、何も政治の理解がないまま適当に投票するのはどうかと思い、テスト前の一夜漬けのような境地で読んでみた。内容は、とても分かりやすく、やはり投票に行かなければダメだと思った。

タイトルにある4000万円の損失を簡単に説明すると、世代間受益格差が、現在24歳から35歳までの人と70歳以上の人と比較すると、4000万円も差があるということらしい。年寄りが1500万円のプラス、若者が2500万円のマイナスという状況のようだ。

この状況は、若い人が投票に行かないので、政治家は自分、故郷の利益のために自分に投票して当選させてくれる人が多く存在する老人たちに優遇する政策を掲げるから、ということになるようだ。だから著者は、若者がもっと政治に関する知識(政治リテラシー)を獲得し、いかに若者が損をしているかに気づき、そして日本を変えるために鉛筆を転がして候補者を選択してでも投票に行け!!と示している。

今まで知らなかったことが多く示されていた。以下、本書で太字で強調されていた部分をいくつか恣意的に抜粋。
  • われわれ有権者は、選挙にあたっては棄権もするし、政治リテラシーもあまりない、でも他力本願的に、誰か世の中をよくしてくれないかなと願う動物である (pp.35)
  • 頭のよい人ほど、政治には関心がない、政治リテラシーはゼロに近づく (pp.47)
  • わたしたち有権者は、棄権せず投票に行った場合も、間違った政党や政治家を選んでいる確率がかなり高い (pp.48)
  • 選挙時に誰を選ぶかは二の次、政治の知識を持っていようといまいと関係なし。とにかく投票所に行く。 (pp.53)
  • 国会議員は、各々の選挙区において、自分を当選させてくれる有権者のために働いている (pp.79)
  • 自民党のマニュフェストについては、新しいマニュフェストではなく、前回の選挙時のマニュフェストなら読む価値はあります。 (pp.91)
  • 自分は、政権交代を望むのか、望まないのか? 望まないのだったら与党に投票し、望むのだったら野党に投票すればよい (pp.94)
  • 投票所に行こう。政治リテラシーを上げて、自分が最良と思う候補者を選出しよう (pp.186)
本当はもっとたくさんあるのだけど、さすがに列挙しすぎても冗長なので、この辺で割愛。

頭のよい人ほど、政治には関心がない、政治リテラシーはゼロに近づくというものに関して、『合理的無知仮説』というものが示されていた。以下にその要旨を抜粋。
 「有権者が情報を得ようとする場合、金銭や時間、労力などのコストがかかる。もし有権者が合理的であるならば、情報の獲得によって得られる効用がそれらのコストよりも大きい場合のみ情報を得ようとする。
 しかし、有権者が民主主義国家において政治と関わるのは、一般的に選挙における投票時のみであることを考えると、数年に1回程度しか行われないということに対してわざわざ知識を得るのはばかげている、持たないほうが合理的であるため、政治リテラシーは低くなる」
(pp.48)
なんとなく自分が政治リテラシーがそこまで高くない理由が分かった気がする。なぜ自分が政治に無関心であったのかというと、自分の抱えている課題や、やりたいことに対する情報収集や勉強に優先度を高く設定せざるを得ず、政治のニュースを見たり読んだりするほど余裕がなかったから、ということになる。

はっきり言って、学びたいこと、考えなくてはいけないことが多すぎて常に時間の欠乏を感じているのに、自分のこととして捉えられない世の中の事象に関心など持てなかった。世の中の問題よりも、まずは自分の問題、と思っていた。

しかし、自分自身を含めて身の回りのミクロ的な問題だけを見ていてもダメで、マクロ的に見なくては、結果的に自分自身に大きな不利益、問題が降りかかってくる、ということがこの本を読んで分かった。

また、ドラゴン桜的に言えば、ルールを作ったやつが利益を多く享受できる仕組みとなっているということだろう。だから、世の中の仕組みを知らないと、自分の気づかないところで常に搾取される側に陥ってしまう。そうならないためにも、政治リテラシーが必要なようだ。

政治リテラシーがなくとも、とりあえず鉛筆を転がしてでも候補者を選んで投票に行くのには、それなりに意義があると示されていた。それは、若者の投票率が上がることになれば、政治家は自分を当選させてくれるかもしれない若者の存在を無視できなくなるから、ということになり、なるほどと思った。

そして、政治リテラシーを持つ人は、日本の将来を託すことの出来る政党はどこなのかを考えて投票すべきとあった。今回、自分は一夜漬け的に政治リテラシーを獲得した気になって投票に行く。そして、それは間違った選択になる確率が高い。しかし、自分が若者世代の投票率をほんの少し上げた、ということに意義があると思う。

最後に一番重要な部分を抜粋。
選挙における投票は、有権者1億人の一票と考えれば、ちっぽけな力ですが、その一票が日本を動かすことができるパワーなのです。
(pp.189)
ということで、土曜日にでも期日前投票に行って、日本を動かしてこよう。

この本は、200ページくらいなので、がんばれば2時間程度で読める。分かりやすい内容だし、自分の政治リテラシーがどれほどなのかをチェックするのにもよい。選挙までまだ間に合うので、買って読んだほうがよい。

以下は私見だが、自民党が政権を維持するデメリットよりも、民主党に政権交代するデメリットの方が大きいと思う。10年、20年という長期的な視点で日本のことを考えるとね。そして、「Yahoo!みんなの政治」でマニュフェストチェックをやったら、みんなの党が浮上してきた。さて、どこに投票しようかね?鉛筆を転がして決めようかしら(笑)まぁ、今回は投票することに意義があると思っておこう。そして、次の選挙までには、政治リテラシーをもっと身に着けて投票に行きたい。



若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書)
若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書)

読むべき人:
  • 24歳〜35歳までの若者の人
  • 政治などの世の中の仕組みを知りたい人
  • 世の中のルールを作る側に回りたい人
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