December 17, 2009

なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?

なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?―逆転発想で効率的に成果を上げる勉強術
なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?―逆転発想で効率的に成果を上げる勉強術

キーワード:
 夏川賀央、勉強術、成果、好奇心、遊び
元編集者によって、「目的創造型の勉強法」が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 勉強の成果が仕事の結果につながらない?
  2. 第2章 自分を成長させるための「ワクワクする勉強欲」を取り戻す
  3. 第3章 ステップ1「発見」―“ワクワクした瞬間に気づく”インプット術
  4. 第4章 ステップ2「吸収」―発見を“自分の思考”に結びつける
  5. 第5章 ステップ3「成長」―確実に「勉強」を「成果」にしていくアウトプット術
  6. 第6章 勉強して成果が上がる人と上がらない人
(目次から抜粋)
この本を買うときに、チラッと読んでみたら良書のにおいがした。そして、しばらく積読していて、今年一年を「勉強」というテーマで振り返っておこうかなと思って読んでみたら、この本はやはり良書だと思った。なんとなく、自分が今年一年ぼんやり考えていたことが明確に示されているような気がした。

この本で示されていることは、効率的に勉強をする技術といったものではなく、「将来のための勉強」ではなく、「いまの自分に生きる勉強」をして、仕事で成果を出していくための方法が示されている。

この本を読み解く上で重要なキーワードが「結果」と「成果」となる。以下に簡単に説明。
  • 結果
    • 「それによって何が起こったか」という、状態的な変化
    • 「資格がとれた・取れなかった」ということ
  • 成果
    • 自分が体験を通して培った総体のこと
    • 例えば、国際経済を勉強したことで買い物をするときに「いまは円高だから輸入品がお買い特だ」と考えるようになったといったこと
本書では「成果」ベースで考えることがとても重要であると示されている。なぜなら、勉強によって自分の未来に何らかの変化を起こすには、必ず「成果」で考えることが必要になるから、らしい。

具体例として資格試験について示されており、それによると、身につく資格と意味のない資格があるようだ。例として、簿記の資格取得を通して、より大きな会社へ転職することになった人について、以下のように示されている。
 だからといって入社条件に資格の有無があったわけではなく、あくまで「勉強したことで、もっと飛躍しよう」と考えたから、このレベルアップはなされたのだと思います。資格があるか云々の問題ではなく、「資格のための勉強をして、その結果、自分が何を考えるようになったか」にずっと大きな意義があるわけです。
(中略)
 つまり、「資格を取る」という「結果」のみで勉強を考えてしまった人は、勉強したことは全部”その資格を持っています”という肩書きに集約されてしまっているのです。
 一方で「資格を取る」ための勉強プロセス、すべてから”成果”を出した人は、その過程の中から何か新しい自分の成長をうながしている。
 この違いはとても大きいと思います。
(pp.24-25)
11月末まで必死でTOEICで高得点を取ることを目標としてやってきたが、どうやら自分はしっかり「成果」として考えられていたようだ。どう考えたか?はまた別の機会にまとめたいと思う。

他にも細かいところをいろいろと列挙しておく。
  • 一番、仕事のための勉強ができる時間は、ほかならぬ「日常で仕事をしている時間」
  • 問題は、「何かを学ぼう」ということを、普段の仕事の中でどれくらい意識しているか
  • 「方向性が決まる」という意味で、最初の仕事を通して得た経験には、非常に重要な意味がある
  • 「知らないことを知る」「できないことを、できるようにする」という行為こそ、純粋な意味で「勉強」
  • 仕事も楽しくやる方向に、その楽しさを増すための勉強も、できるだけ楽しくやったほうがいいに決まっている
  • 「勉強する」目的は、あくまであなた自身が望むものを実現するためにある
  • 何かを知ったり、興味を引いたことがあったら、とことんそれについて考えてみることが大事
  • そもそも勉強の「成果」は見つけようとしなければ見つからない。「何が成果だったのだろうか」と、「考える時間」を経なければ得られないもの
  • 勉強するために重要なことは、自分が「面白い」と思うものを選んでいくこと
  • 考えて本を読むことで、勉強の可能性は広がっていく
  • 目の前のことだけにとらわれずに、幅広い勉強テーマを身につけていくことが必要
本当はもっとあるけど、特に重要なのは上記となる。

この本が他の勉強本と大きく違うのは、勉強に対する考え方である。普通の勉強本は勉強の目的設定について、スケジュール管理とかモチベーション管理とか、問題集は3回は繰り返せ、といったことが示されるが、この本では、勉強に対する意識そのものに焦点が当てられている。特に、『今の自分を成長させるには』ということに主眼が置かれている。
 人一倍たくさんの仕事量をこなし、人一倍たくさんの仕事を経験して、人一倍あくせくと活動し続ける人がいる。けれども、その状態が延々と続くだけで、まったく変化が起きないことがあります。いったい、なぜだと思いますか?
 それは「どうすれば自分に変化が起こせるのか」ということを、まるで考えていないから。目の前の仕事を黙々と実行するだけで、「何をすれば自分が変わるのか」ということを意識していないのです。
 勉強にも同じことが言えます。人の話を聞き、本を読み、人一倍知識を詰め込んだって、「それを生かして何ができるのか」と考えなければ、自分には何の変化も起こりようがありません。
 「吸収する」というのは、勉強したこと、得た知識を、「自分を成長させる効果」に変換していくことなのです。
(pp.108)
なので、ただセミナーや勉強会に参加したり、本を読むだけでダメで、しっかり考えることが重要と示されている。これは今年一年を通して、特に実感している。

今年はあえてセミナー参加回数や読む本の量を意図的に減らした。そのかわり、普段の3倍近くは考える時間に費やしたと思う。その結果、インプットの量はあまり重要ではなく、どれだけ考えたか?のほうが重要であるということを見出せたと思う。これは今年の大きな成果だと思う。それを本書を通して確認できたのはよかった。

あと本を読むことで、勉強の可能性が広がるということに関して、本の読み方が言及されている。以下にその部分を抜粋。
 けれども現在本書を読んでいる方は、そういう境遇にいるわけではない。少なくとも「本を読む勉強によって自分を高めたい」という意欲があるのですから、あまり必要性にこだわらずに、自分が「読みたいな」と思った本を読めばいい。それが結局のところ結論になります。
 読むものは、別に小説だろうが、ノンフィクションだろうが何でもいいのです。私はもともと読書が好きですから、ホラー小説だろうが、芸人さんのエッセイだろうが、科学の本だろうが、歴史の専門書だろうが、「面白そう」と思ったら片端から読みます。
 「役に立つ本を読む」というスタンスではなく、「本を自分に役立てる」というスタンスで考えながら読めば、不思議と役立つ部分は出てくるものです。
 「知るための読書」「役に立ちそうな読書」でなく、もっと面白そうな本を読み、その内容について考え、能動的に「役に立てる読書」をしていきましょう。
(pp.131-132)
自分の今の読書スタンスで間違いなかった、ということがわかってよかった。目的志向の読書も重要ではあるが、あまりにも目的重視である必要もなく、今の読み方でいいのだと思った。

他にも、自分の専門分野だけを学んでいてはダメなので、学ぶ幅を広げるべきというのもその通りだなと思った。さらに、勉強することは自分が面白いと思うものをやるとか、仕事を「遊び」と考えるとよいというのも、とても重要な考えで、なるほどと思った。この辺りももっと紹介したいが、それは本書を読んでのお楽しみということで。

今年一年なんとなく考えていたことと、本書を読んで考えたことから、以下のことを導き出した
  • 自分の専門分野やビジネス書だけを読んでいても、21世紀型のビジネスにおいて、イノベーターにはなれない
  • インプットの量はそこまで重要ではなく、インプットは考えるきっかけに過ぎず、考えた絶対量が大きな差になってくる
  • 努力しているだけの人には、楽しんでいる人が到達している領域にはたどり着けない壁がある
もちろん異論は認める(笑)まぁ、なんとなく感覚的に思っていることなので、客観的に証明しようがないけどね。

この本は、勉強するということはどういうことか?ということを考えさせてくれるとてもよい本だった。セミナーに参加したり、ビジネス書を多く読んでいるけど、なんかあまり変わったことがないなぁ〜とか思ったりした人はぜひ読んだほうがよい。



なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?―逆転発想で効率的に成果を上げる勉強術
なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?―逆転発想で効率的に成果を上げる勉強術
著者:夏川 賀央
販売元:アスペクト
発売日:2009-02
おすすめ度:5.0

読むべき人:
  • 勉強している割に、仕事で成果があまり出ていない人
  • ストイックに努力しがちな人
  • 面白いこと、楽しいことを増やして生きたい人
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