January 09, 2010

日本人の英語

日本人の英語 (岩波新書)
日本人の英語 (岩波新書)

キーワード:
 マーク・ピーターセン、英語、ライティング、論文、頭脳環境
アメリカ人大学教授によって、日本人が陥りやすい英語の間違いについて示されている本。以下のような目次となっている。
  1. メイド・イン・ジャパン はじめに
  2. 鶏を一羽食べてしまった 不定冠詞
  3. あの人ってだれ? 定冠詞
  4. 間違いの喜劇 単数と複数
  5. 思いやりがなさすぎる 純粋不可算名詞
  6. 文脈がすべて 冠詞と複数
  7. 慣用の思し召し さまざまな前置詞
  8. 意識の上での距離 on と in
  9. 「かつら」と「かもじ」 off と out
  10. 明治な大学 名詞 + of + 名詞
  11. もっと英語らしく 動詞 + 副詞
  12. 点と線 完了形と進行形
  13. 泣きつづける彼女 未来形
  14. 去年受賞したノーベル賞 関係詞の二つの用法
  15. アダルトな表現をめざして 先行詞と関係詞
  16. 慎重とひねくれ 受動態と能動態
  17. 知識から応用へ 副詞
  18. したがってそれに応じる 副詞と論理構造
  19. 「だから」と「だからさ」の間 接続詞
  20. 自然な流れを大切に おわりに
(目次から抜粋)
この本は、アメリカ人の大学教授で、日本で教鞭をとっておられた著者によって、日本人が間違えやすい英語の例を取り上げ、それがなぜ間違っているか、そしてどのように表現すればよいかが明確に示されている。

そもそもこの本はどこで知ったかというと、去年一番はてブがつけられた以下の増田記事からだった。ここでおススメされており、さらに以下の本でもおススメされていたので、買って読んでみた。今年の目標は去年に引き続き、英語習得なので、英語の勉強をしているが、英語の文法の微妙な違いがここまで明確に説明されるものはそうはないと思った。今までの学校教育や独学で英語を学習してきたが、この本に示されているような内容は一度も教わったことがないというくらい目からうろこな内容だった。

この本は、著者が1986年から1987年の間に、雑誌「科学」で連載していたものが新書となったものらしい。本書の目的を以下に抜粋。
 本書では,英文に内在する論理がいかに構造的に支えられているか,英語のいろいろな構成がどのような意味をどのように表しているかを考え,英語と日本語の構成と論理の違いからくる日本人の冒しやすい間違いを例として吟味する.そしてどうすればthe mental world of Japanese logic から,英語の「頭脳環境」に入っていけるかを考えたいと思う.
(pp.7)
本書の内容のすべてを網羅的に説明するのは難しい。それはもうこの本を買って読めばいい。よって、概念的な部分を多めに示すことにする。
  • a は名詞につくアクセサリーではなく、「共通単位性をもつもののグループから,一つの」という意味
  • I ate a chicken. は、『鶏を丸ごと一羽食べた』という意味になり、『鶏肉を食べた』という文脈では間違い
  • 名詞につく the もアクセサリーではなく、名詞をより具体化させるためのもの
  • 一般的な現象であるのに、余分な the のために具体的に特定された現象であるかのように表現されてしまう間違いが多い
  • 電子レンジを1台しか持っていない場合は、 she put it in her microwave.
  • 電子レンジを2台以上持っている場合は、 she put it in one of the microwaves. というような数意識がある
  • 冠詞の使用不使用は文脈がすべて
  • 慣用表現のほとんどの場合は論理的根拠も明確にできている
  • Get in the car! Get on the train!の違いは、on はバスの上に乗って「運ばれている」という意識で、in は「運ばれている」というよりも運転により近くなるので、in となる
  • out というのは三次元関係を表し、動詞に「立体感のあるものの中から外へ」という意味を与える
  • off というのは二次元関係を表し、動詞に「あるものの表面から離れて」という意味を与える
  • おなじ日本語の「〜している」でも、英語で表現すると、慣習的行動であったら「現在形」に、継続的状態であったら「現在進行形」にすればよい
  • 英文は、受動態が少ないほどよい文である
それぞれについて、例文とともになぜダメなのか、どう直せばよいのかが示されている。どれもなるほど!!そう考えればよかったんだ!!と思うことばかり。

ちなみに、どの程度のレベルの英文が例として挙げられているかというと、大体以下のようなものである。
That publisher already pays far less than the industry standard per manuscript page, and I therefore find any discussion of further cuts in payment to be totally unacceptable.
(pp.169)
上記の文は、therefore の正しい使い方となる。「Therefore, 」は大げさすぎる表現なので、文中に使うとよいらしい。

もともと論文添削が主な目的なので、取り上げられている英文は若干難しめだと思われる。また、文法の基礎的な知識がないと、なるほど!!と感じることは難しいかもしれない。TOEIC600点未満で読むと、ようわからん、ってなる可能性があるので、それ以上の人が英語の感覚を養うときに良いと思う。

自分も1回読んだだけでは完全に理解していないし、これは暗記するほど読むべき本だと思う。それだけ納得感のある説明がされている。

特に英文ライティングが必要な人は絶対買って読むべき本だと思う。これを手元においておけば、The と a どっちを使うべきか?とか、結論を導くとき accordingly と consequently のどちらを使うべきか?ということに迷ったりしないと思う。

自分の説明ではうまくこの本のよさを伝えられないので、Amazonのレビューを参照して欲しい。9割型が五つ星をつけている良書なので、英語の感覚的な文法理解を明確にしたい人はぜひ読んだほうがよい。

今年1冊目は、英語本となった。本当は別の本を1冊目にしようかと思っていたけど、読了できなかった。まぁ、今年は言語習得がメインテーマなので、別に問題ないけど。



日本人の英語 (岩波新書)
日本人の英語 (岩波新書)
著者:マーク ピーターセン
販売元:岩波書店
発売日:1988-04
おすすめ度:5.0

読むべき人:
  • 英語の文法の微妙な差が分からない人
  • 英語で文章を書く必要がある人
  • ネイティブの英語の感覚を身につけたい人
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1. 日本人の英語  [ 雑記帳 ]   January 09, 2010 19:17

これを手元においておけば、The と a どっちを使うべきか?とか、結論を導くとき accordingly と consequently のどちらを使うべきか?ということに迷ったりしないと思う。 自分の説明ではうまくこの本のよさを伝えられないので、Amazonのレビューを参照して欲しい。9割がた...

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