March 20, 2011

【追悼記事】苦難を考えるための3冊

先日発生した東日本大震災により、多くの方が亡くなられました。このたびは、深く追悼の意を表明するとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

始めにご報告しておきますと、僕は都内に住んでおりますので、まったくの無事です。地震当時は仕事中で、若干の恐怖を感じましたが、そこまで大きな被害はないだろうと思っておりました。しかし、その後避難しつつワンセグを通して東北地方に大きな津波が押し寄せて、街を破壊しているのを見るにつれて、これはただごとではないことを実感し始めました。

そして、3月11日の金曜日は徒歩で4時間半ほどかけてなんとか帰宅できました。その後連日テレビを通して被災地の映像を見続けていると、多くの方々が亡くなられている現実を目の当たりにしました。

未曾有の大災害、日本の危機、国難などと連日報道されており、ただでさえわりと人よりも感受性が強いほうで、さらには歩きすぎたことによる慢性的な足の痛み、日常飲んでいるステロイドの精神的な副作用、余震による不安もあり、何度も何度も被災地の壊滅的な映像を見続けていると、内側から生きていく活力が損なわれていくような気がしました。地震発生からの1週間はわりと気が気ではなく、精神的に不安定でありました。

3月13日に予定していたTOEICも全国で中止となり、最終決戦としてトレーニングしていただけに、不完全燃焼に終わった気がしました。そういうこともあって、なんだか震災直後からぽっかり穴が開いたように無気力さに襲われておりました。

普通に仕事をしたり、人に会ったりしてだんだん精神的なバランスを戻しつつ、健全に思考ができるようになってきたとき、この未曾有の大災害時に自分に何かできることはないかと思案してみるものの、ただただ被災地や福島原発のテレビの映像を見つつ祈ることしかできないのかと、途方に暮れておりました。

被災していない素人の自分が救援に行ったりすることは足手まといだし、原発に関してもデマに流されずに正しい情報を得ることに努めるしかできず、自分のできないことに目を向けると自分の無力さを実感するだけになりました。

地震発生時からいつになく注視していたTwitter経由で流れてくる情報は不確かなものも多かったのですが、被災していない自分たちができることが多くの人によって示されており、勇気付けられました。そして、できない多くのことに目を向けすぎて途方に暮れるよりも、自分のできる些細なことをしっかりやろうという心の持ちようを抱くことができました。

まずは被災していない自分ができることをしようということで、節電をし、コンビニ、スーパーなどで不必要に買占めに走らない、なるべく外食で近所の飲食店を助けるなどといったことを意識的にやり、さらには雀の涙ほどの寄付をしました。

それで自分のできることはすべてやった、あとはプロに任せて自分は日常を取り戻しつつ、できることを維持するだけだと思いました。しかし、本当にそれだけが自分ができることか?と考えたところ、まだ微力ながら間接的にできることがあるような気がしました。それはやはりこのブログのように、必要としている人に必要な本を共有することなのではないか?と思いました。

ということで、どん底に叩き落されて目の前が真っ暗になるというような状況を過去に経験し、その当時僕がすがるように読んだ本3冊を示しておきたいと思います。

ブッダ全12巻漫画文庫
ブッダ全12巻漫画文庫

書評記事は以下です。

手塚治虫の脚色が半分以上含まれている作品ですが、不条理な目にあいながらも生きていくことの本質が描かれている気がします。仏教的な宗教くささは控えめなので、どんな信仰を持つ人でもわりとすんなり受け入れられるものだと思います。僕はこの作品を、医者に完全に健康体に戻ることは難しいと宣告された後、入院中のベッドの上で粛々と読みました。

なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (岩波現代文庫)
なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (岩波現代文庫)
ある程度時間が経過し、被災された方が精神的に余裕を感じられるようになったときにぜひ読んでいただけたらと思う1冊です。今回のような自然災害は特定の誰かが悪いわけでもなく、「どうして自分たちがこんな目に・・・」とやり場のない怒りや悲しみを抱かれていることと思われます。この本がそれらの問い対する一つの考え方が示されているような気がします。もちろん万人が納得のいく解が示されているわけではありません。それでも、降りかかってきた不条理な苦難について、考え続けるためのヒントになる良書と自信をもってお薦めできる1冊でもあります。

人間の絆 上巻 (新潮文庫 モ 5-11)
人間の絆 上巻 (新潮文庫 モ 5-11)
先日TOEICで目標点に到達し、達成感と喜びにあふれておりましたが、どんなに日々がんばって努力したとしても、今回のような災害に巻き込まれて死んでしまえば何の意味もない、そしてがんばって生きていくことの無意味さを眼前に突きつけられたような気がして、失望感いっぱいになっておりました。それでも歩みを止めず、限りある自分の人生の意義、すなわち『人生の意味とは何か?』について一度深く考えてみたい場合に、この作品はよいと思われます。この物語は被災された方だけでなく、あまり影響を受けなかった方もぜひ読んでいただけたらと思います。

もちろん、今被災された方がこれらを読む余裕がないことは想像に難しくありません。家族を失ったり、住む場所も流されたりしているような危機的状況で、悲しみに打ちひしがれたり絶望感いっぱいで、生きていくことの不条理さに嘆かれているところを想像すると、とても胸が痛みます。それでも、ある程度時間が経過し、現実を受け止められる余裕が少しでも出てきたころに読まれると、何とか前を向いて健全に生きていくヒントが得られるのではないかと思い、参考にしていただけたらと思います。
苦しみが残していったものを味わえ!苦難も過ぎ去ってしまえば甘い。
ゲーテ (ゲーテ格言集)
苦難を乗り越えることは容易ではありません。僕も個人的な苦難を完全に乗り越えられたわけでもなく、現在進行形で対応中の部分もあります。それでもいつかは「甘い」と言える日がやってくるといいですね。

結局のところ、僕には書き続けることしかできず、そのためにもこのブログを更新していく次第であります。また、他にも自分のできることを鋭意実行し、被災地や原発で活動されている方々の無事と危機回避、そして日本復興を日々祈るばかりです。



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コメント一覧

1. Posted by 謎の三文字☆村石太   March 28, 2011 21:19

手塚治虫先生のブッタ 読みたいです。神仏とは 何だろうと思う事があります。漫画同好会(名前検討中 
人生の意味で 検索しています。
その道で 己は どこまで できるのだろうか
大変で 苦しいけれど そこに 受け継いできたこの現代と未来があるのかなぁ。
いろんなこと やりたい 僕だけれど。

2. Posted by Master@ブログの中の人   March 28, 2011 21:43

>>謎の三文字☆村石太さん

いろいろと考えさせられる内容ですので、ブッダ、ぜひ読んでみてください。

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