May 28, 2011

美の構成学

美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)
美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)

キーワード:
 三井秀樹、構成学、センス、フラクタル、基準
大学教授によって構成学について解説されている本。以下のような目次となっている。
  1. 序章 構成学の背景
  2. 第1章 構成学とデザイン
  3. 第2章 構成学と造形
  4. 第3章 造形の秩序
  5. 第4章 くらしの中の構成学
  6. 第5章 新しい構成学
(目次から抜粋)
Amazonの評価は高いので、良書のはずなのだけど、眠気を伴った通勤時間で毎日10分くらいしか読み続けられなかったので、本書全体の理解が飛び飛びになってしまった。よって、漠然とした理解となってしまったので、特に気になった部分を作為的に示しておくことにする。

まずは構成学って何?という部分を示しておく。
 構成学は氾濫する情報メディアから、自己のライフスタイルにあったよい形と色を選び出す的確な基準をつくりだし、モノを見る目を養い感性豊かな知的生活をエンジョイするための実用術なのである。
(pp.5)
基準であるというのが本書のポイントだったりする。例えば、ネクタイや洋服を選ぶときのファッションセンス、家具、カーテンをそろえて食器を選ぶときのインテリアコーディネイトなどの生活の中の美の基準を説く研究領域でもあることを広く知ってもらいたくて、著者は本書を書かれたようだ。

いろいろと構成学の時代的背景、材料、色彩といったデザインの構成などが分かりやすく解説されていると思う。ただ、10分間のぶつ切りの読書だとどうしても頭に入ってこなかったので、一気に読み込んでいくのがよいかなと思う。

自分が本書を読む前に期待していたのは、美の基準、センスはどうやって磨くことができるか?だった。その部分についてはそこまで突っ込んだ内容が示されているわけではなかった。とはいえ、一応日常生活で構成的センスを身につけるための方法が以下のように示されている。
  • よいものをみる
  • ブランドものを身につける
  • センスのよさを分析する
よいものをみる」や「センスのよさを分析する」は何となく分かるけど、「ブランドものを身につける」というのは結構以外だった。ちょっとその部分を引用しておく。
 とかく避難されがちな日本人のブランド好きであるが、私は大いに結構なことであると思っている。ブランドへの憧れはよいデザインへの欲求であり、欧米の有名ブランドはそれなりの歴史と品質の高さを誇っており、そしてまずデザイン性がきわめて優れている。形・色ともにパターンや素材のテクスチャ、機能性、耐久性すべてが優れているからブランド品として認知されるのである。
 ただブランドものさえ手に入れてしまえば安心といわんばかりに、全体のコーディネーションがまったくちぐはぐの人があまりに多いのもまた事実である。
 ブランドものをもつ自負とデザインへの気配りをもって生活する心意気をもてば、必ずやセンスは磨かれ、感性豊かな知的生活が送れると信じることである。
(pp.166)
なるほど、これで伊勢丹とかで高いブランド品を買うときに、自分へのご褒美、以外に口実ができるわけだ(笑)。確かにブランド品はただデザイン料が上乗せされていて高いだけではないのは実感する。本当に品質がよいものは見栄えとか耐久性が全然違うんだよね。

社会人1年目のときに大枚はたいてAquascutumのベーシックなトレンチコートを買ったけど、安いのと比べて着た時のシルエットが全然違うし、耐久性はもちろん抜群で最低でも10年は軽く使えるものだしね。そういうのを実感すると、なるほどねぇと思う。感性が磨かれているかは正直よくわからないけど・・・。

でもまぁ、男の場合はセンスがあるかどうかはスーツスタイルを見れば分かると思うね。首周りから靴まで配色バランスとサイジングの調和が取れているかどうかとかね。通勤時間中にすれ違う人を観察していると、その差が顕著に分かる。きっちり着こなしている人はセンス抜群で、そういう人とすれ違っときにはバトル漫画にありがちな『こいつできる!!』っていうのを実感するwww

まぁ、構成学的なセンス、美的センスを身につけるのはプログラマとかSE、はてはコンサルまで結構重要なことじゃないかと思っている。美的センス的なものがあるかどうかで、アウトプット品質が全然違ってくるのではないかと仮説を立てている。芸術的素養がなぜ必要かは、ダニエル・ピンクの以下の本に示されている。なので、構成的センスを磨くために意識して美術館で本物、一流のものを見るようにしている。そういう地道な積み重ねが、コーディングにおける構造的な美しさ、または設計書、パワポの提案資料の見栄えに反映されるのではないかと思っている。(もちろん、見栄えだけじゃなくて中身も重要なのは言うまでもなく。)

特に芸術系の仕事をしている人は本書を読んでみたらよいかもしれない。自分はまた後で一気に読み返して理解を深めておきたい。



美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)
美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)
著者:三井 秀樹
中央公論社(1996-04)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 芸術系のデザイナーの人
  • プログラマーなどのIT技術者の人
  • センスを磨きたい人
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1. 美の構成学  [ 風竜胆の書評 ]   May 15, 2014 21:30

 構成学というのは、聞きなれない言葉だが、造形に関する要素(形、色彩、材料など)を洗いだし、それらを造形の文法に従って組み立てていくということ、すなわち美の原理 ...

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