October 02, 2011

達人のサイエンス

達人のサイエンス―真の自己成長のために
達人のサイエンス―真の自己成長のために

キーワード:
 ジョージ・レナード、達人、マスタリー、修行、旅
達人になるための指南書。以下のような目次となっている。
  1. 第1部 達人の旅 The Master's Journey
    1. 第1章 「マスタリー」とは何か?
    2. 第2章 ダブラー、オブセッシブ、ハッカー―マスタリーに到達できない三つの典型的なタイプ
    3. 第3章 マスタリーの道とアメリカとの戦い
    4. 第4章 プラトーを好きになるには
  2. 第2部 達人への五つのキーポイント The Five Master Keys
    1. 第5章 キー1・指導
    2. 第6章 キー2・練習と実践
    3. 第7章 キー3・自己を明け渡すこと
    4. 第8章 キー4・思いの力
    5. 第9章 キー5・限界でのプレイ
  3. 第3部 マスタリーへの旅じたく Tools for Masstery
    1. 第10章 決意がくじける理由―
    2. 第11章 マスタリーのエネルギーを得るために
    3. 第12章 マスタリーの道での落とし穴
    4. 第13章 平凡なことをマスターする
    5. 第14章 旅の準備
(目次から抜粋)
達人というキーワードから、ジャンプとともに育った自分としては、ドラゴンボールの初期に出てくる亀仙人クラスの武術の達人であったり、ハンター×ハンターに出てくるネテロ会長をイメージしたりする。そのようなイメージの達人クラスに至るまでに必要なことが、合気道の指導者である著者によって示されている。

本書はこのブログでのハンドルネームが「Master」である自分に絶対必要な本だと思った。

内容の網羅性に関しては、83年会の同志、hiro氏の以下の記事をご参考に。自分なりにこの本がどうして必要であったのかを実体験とともに示しておこう。

本書の重要なキーワードとして「マスタリー(MASTERY)」というものがある。これは以下のように示されている。
マスタリーとは、「初めに困難であったことが、練習や実践を重ねるにしたがい、しだいに簡単で楽しいものに変わっていく不思議なプロセス」である。
(pp.2)
著者は合気道の指導者でもあり、「エクスファイア」誌でこのテーマについて記事を書いたところ、多くの反響があったようだ。そして、著者によるさまざまなインタビューから、このマスタリーという特性は合気道だけではなく、会社の管理職、芸術家、パイロット、学校の生徒、大学生、大工、スポーツ選手、子供を持つ親、宗教的献身者、さらには発展途上の文化全体に至るまでの広範囲でみられるようだ。

そして、本書全体で示されていることは、てっとり早く安直な成果を求めてしまう世間の打算的な考え方に対して注意を喚起するとともに、達人といわれるようなレベルに達するまでに必要なことが奥義書のように示されている。

達人に至る道は険しい。2,3ヶ月修行したからといってマスターしたとはなかなか言えないものでもある。そして、それは著者によれば、マスタリーへの道は終わりのない旅をするようなもので、最終的な目的地に到達することはありえないとある。その理由は、最終的に完全にマスターできるような技能は、たいした技能ではないからとあるようだ。

マスタリーに至るまで独特の成長曲線があると示されている。そのときのキーワードになるのが「プラトー(plateau)」となる。これは、学習高原の意味で、学習が伸び悩んでいる時期で、学習曲線が水平になっている状態となる。これがマスタリー型の典型的な学習曲線で、以下のように示されている。
 実際は、これ以外の道などありえない。初めての技能を学習する場合はいつでも、短期間の上達のスパートがあり、その直後はだいたい直前のプラトーより少し高めのプラトーに向かってゆっくりと下降する。上の曲線は、分かりやすくするために理想的に表現したものだ。実際の学習経験では、進捗はもっと不規則で、上達のスパートの仕方もいろいろあるし、それぞれのプラトーにも固有の上り下りがある。しかし、全体的な進み方はこのようになる。
 マスタリーの旅をするには、自己の技能を磨き上げ、次の段階の能力を得ようと勤勉に練習しなければならない。そしてかなりの時間をプラトーで過ごし、その間はたとえ先が見えなくても、練習を続けなくてはならない。これはマスタリーの旅の厳粛な事実なのだ。
(pp.21)
この説明とモデル学習曲線が示されているが、その図を示せない代わりに、自分の体感したTOEICでの事例を示しておく。

以下は2009年5月のTOEIC初回受験、565点から今年、2011年1月の955点にいたるまでの得点推移となる。

graph_955

800点を越えたあたりで、みごとに著者の示すようなプラトーに陥ったのがわかる。800点に到達したのが2010年の1月で、ほぼ2010年は800点前半の壁を越えられずにいた。その間は本当にしんどくて、毎月コンスタントに100時間以上のペースで学習していても、全然点数上昇につながらず、得点結果が出るたびにもう無理じゃないかと何度も諦めそうになった。

それでもずっと諦めずにコンスタントに学習(1日平均4時間半の学習なので、本当にほぼ修行みたいな境地(笑))していったら、本書で言うところのスパート期間として今年の1月に一気に130点ほどアップして955点まで到達できた。それまでに費やしたトータル学習時間は1年半で約1,300時間となる。

これがマスタリーに至るプロセスなのだ!!と今改めて本書を読むと分かった。TOEIC900点以上の点数そのものは、英語力としてはあまり価値がないが、それでも上位1%の領域にたどり着くまでのこのしんどいプラトーを含めた学習プロセスを体感できたのは本当によかった。もうこれは一生の財産になるといっても過言ではないくらい。

なぜなら、上達に至るまでのプラトーを含めた成功体験があるかどうかで、新しく何かを習得しようと思った時に、自分にはできないかもしれない、途中で挫折するかもしれないという不安が大分軽減されるから。一度この成功体験があると、次もきっと同じように回せるだろという自信につながるんだよね。

マスタリー、達人になれずに挫折する人の多くはこのプラトーでやられる。だだっ広い草原で自分がどこにいるかも、そしてどれくらいスタート地点から進んでいるかも分からず、先が全く見えないところにいるような感じ。これが本当につらい。これを超えられるかどうかが達人になれるかどうかの分かれ道となる。

第2部の「達人への五つのキーポイント」で特に重要なのは、キー2・練習と実践となる。それが端的に示されている部分を以下に引用。
 昔の武道には次のような言い伝えがある。「達人とは誰よりも、毎日五分でも長く畳の上にいる者だ。」
(中略)
 どんな競技の場合でも、達人はたいてい練習の達人である。
(pp.83-84)
結局最後はこれだ。武道でもスポーツでも芸術、仕事でも最後にものを言うのは、絶対量をこなしているかどうかだ。誰よりも練習したり訓練したり、修練を積んでいるものが最後には達人になり、その道の超一流の存在になるのだと分かった。

最後に第11章から、マスタリーのエネルギーを得る七つの法則を示しておく。
  1. 肉体の健康(フィットネス)を維持する
  2. マイナス要素を知った上での積極思考
  3. 努めてありのままを話す
  4. 素直であれ、ただし自己の暗い部分に振り回されるな
  5. するべきことの優先順位を決める
  6. 公言し、そして実行
  7. マスタリーの道を歩み続ける
細かいことは本書で確認してほしいが、この中で一番重要なのは「すべきことの優先順を決める」であると思う。これは以下のように示されている。
 自己の潜在エネルギーが使えるようになる前に、それを使っていったい何をするのかをはっきりさせておく必要がある。そしてどういう選択をするにせよ、あなたはある途方もない事実に直面するだろう。―一定の方向を目指すには、それ以外のすべてを諦めねばならないという事実に。
 一つの目標を選ぶとは、多くの選択可能な他の目標を諦めることである。私の友達の一人は二九歳の今も人生の理由や目的を探求しているのだが、その彼がこう私に言った。「われわれの世代は、自分の選択の幅は広げたままにしておくべきだという考えで育ってきました。だけど自分の選択の幅を本当に広げたままにしていたら、結局何もできないですね。」
 すなわちこれは、どれか一つの目標を選択することが、どうすればそれ以外のすべての選択や目標に含まれた可能性を補って余りあるものになるか、という問題なのである。
(pp.140-141)
TOEIC900点突破までのトレーニングで実感したことは、選択と集中が何よりも大事だということだ。英語以外の分野の読書をしたり、ブログを更新したり、映画も見たり、飲み会も行ったり、遊びに行ったりということを並行していては、月平均120時間の勉強は決してできなかった。そして、これくらいのペースでトレーニング積んでいかないとまったくものにならないということも体感した。一部の超天才以外は、絞っていかないと結局何者にもなれない。30歳が迫っている自分は何を目指すべきか?を割と真剣に考えてきた。このブログで何度も書いているが、そろそろ絞り始めなければいけない時期だと実感している。

著者自身が合気道の指導者でもあるので、本書を読んでいるとなんだか武道の師匠から指導を受けているような気になってくる。よくわからないけど、正座して読んだほうがいいような気もしてくる(笑)。そして、武道の思想とともに名言のようなものも多く示されているので、もっともっと修行しなくてはと思わせてくれるし、やる気がわいてくる。

また、達人、マスタリーは終わりのない旅のようにも例えられている。
 旅を始める方法?それは最初の一歩を踏み出せばよいのだ。いつから旅を始めるか?その時はいつだって「今」なのだ。
(pp.189)
いろいろと考えて、僕は達人プログラマーになろうと思う。そのためには、TOEIC900点突破トレーニングの何倍も修行しなければいけないけど、本書をバイブルとして修練を続ければきっとなれると楽観的に考えている。なってみせるさ!!

そして、名前負けしない、真の意味での Master になるためにもね。



達人のサイエンス―真の自己成長のために
達人のサイエンス―真の自己成長のために
著者:ジョージ レナード
販売元:日本教文社
(1994-03)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 達人になりたい人
  • 武道、スポーツをやっている人
  • 終わりなきマスタリーの道を楽しみたい人
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コメント一覧

1. Posted by hiro   October 02, 2011 22:02

この本は「モチベーション3.0」とかと類書なのかもしれないですが
終わりのない旅路を歩み、道に迷ってしまった時なんかに読んで軌道修正してくれる貴重な1冊ですね。
真のMaster目指しちゃってくださいな!

あとリンクありがとうございます〜(^_^)v

2. Posted by Master@ブログの中の人   October 02, 2011 22:05

>>hiroさん

コメントありがとうございます

頑張って真のMasterになります

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