October 16, 2011

究極の鍛錬

究極の鍛錬
究極の鍛錬

キーワード:
ジョフ・コルヴァン、鍛錬、達人、天才、継続
あらゆる分野で天才的なパフォーマンスを発揮する人たちの成功の鍵が、究極の鍛錬によるものであるということが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 世界的な業績を上げる人たちの謎
  2. 第2章 才能は過大評価されている
  3. 第3章 頭はよくなければならないのか
  4. 第4章 世界的な偉業を生み出す要因とは?
  5. 第5章 何が究極の鍛錬で何がそうではないのか
  6. 第6章 究極の鍛錬はどのように作用するのか
  7. 第7章 究極の鍛錬を日常に応用する
  8. 第8章 究極の鍛錬をビジネスに応用する
  9. 第9章 革命的なアイデアを生み出す
  10. 第10章 年齢と究極の鍛錬
  11. 第11章 情熱はどこからやってくるのか
(目次から抜粋)
この本は本当にいろんな意味でヤヴァイ、スゴ本というか、もしかしたら自分の人生を変えるかもしれない。今年読んだ中で間違いなく一番!!

僕は達人プログラマーになろう!!と決めた。そのために、内発的動機付け、モチベーション3.0について理解し(※1)、1万時間のトレーニングを積めばよいことを知り(※2)、さらにはマスタリーに至る学習プロセス(※3)を学んだ。そして、さらに達人になるためにどうやるか?のHowの部分がまだ欠けていたので、本書を読んでみた。

ゴルフのタイガー・ウッズ、音楽のモーツァルト、チェスのチャンピョン、ビジネス界のジャック・ウェルチ、あらゆる分野での傑出した業績を残す人物の鍵が究極の鍛錬によるものであるということがさまざまな論文をもとに示されている。原題は『Talent Is Overrated』で訳としては「生まれつきの才能は過大視されている」となる。

一般的に前述した天才的な人物のその要因として、生まれつき才能にあふれていると考えられがちである。また、科学者やチェスのチャンピョンやビジネスで圧倒的に成功した人は傑出して頭がよかったりと思われたりもする。さらに、年齢を重ねることでそのような能力は衰えていくものであったりするとも考えられがちになる。しかし、それらがすべてNoであると本書で示されている。

第3章まではそのようなことがいろいろな研究論文を基に示されている。そして、天才が天才、もしくは達人たる一番の要因は、圧倒的な練習量、努力量によるものだと示されている。さらにその練習は、慣れたただの繰り返し処理のようなトレーニングではなく、究極の鍛錬を10年以上にわたって従事してきていると示されている。

誰もが行うただの鍛錬としてゴルフの例が示されている。打ちっぱなしでカゴ2杯ほどのボールを購入し、8,9番アイアンで打ち始める。そしてとても悪いショットを打ち、次こそまともであってほしいと願いながらなるべく早く次のボールを打ち、そのときに打った悪いショットを忘れてしまう。ときどきなぜショットが悪いのかを手を止めて考えるべきだと思い、ボールを打つ際5千か所ほど悪いところがあるように思えてくる。その一つを直そうとし、次の失敗打までには上達したように感じられるように自分自身を納得させようとする。

しばらくするともう一度悪いボールを打ち、そのときまた5千か所のうちの別のもう1か所を直さなくてはならないだろうと感じるようになるが、買ったボールがなくなるとクラブハウスに戻り、十分練習したことに自己満足し、次のゴルフ場の実践を楽しみにする。僕も最近ゴルフを始めて、打ちっぱなしに行ったりするからこんな感じだけど、著者によれば、この鍛錬もどきを通じてゴルフの上達に関しては何一つ成し遂げていることにならないとある。

ではその道の頂点を極めている達人がやるような究極の鍛錬とはどのようなものか? 究極の鍛錬には普通の鍛錬と違い、特徴的な以下の5つの要素があると示されている。
  1. しばしば教師の手を借り、実績向上のため特別に考案されている
  2. 何度も繰り返すことができる
  3. 結果に関して継続的にフィードバックを受けることができる
  4. チェスやビジネスのように純粋に知的な活動であるか、スポーツのように主に肉体的な活動であるかにかかわらず、精神的にはとてもつらい
  5. しかも、あまりおもしろくもない
まず1に関しては、自分一人では自分自身のどこが悪いかが分からないというのがある。そのためその人に合った最適なトレーニングメニューを教師やコーチ、師匠から教わる必要があるようだ。そのときの原則として、居心地のよい慣れたコンフォートゾーン(comfort zone)ではなく、身に着けようとしている技術や能力がもう少しで手の届くラーニングゾーン(learning zone) を強化することで成長するので、常にここの自分の能力の限界に挑戦するようなものではないとダメらしい。これはなるほどと思った。

2に関しては、ただ慣れたことを1万時間やれば達人になれるわけではなく、1をベースとした適度にきついラーニングゾーンの活動を徹底的に繰り返すことが重要らしい。例として、30年たった現在でも大学バスケットボールの現役選手として記録が破られていないピート・マラヴィッチという選手は、学生のころ朝体育館の開館と同時に行き、夜閉館になるまでシュートの練習を続けたとか。ポイントはきつい練習を続けることらしい。

3に関しては、訓練の成果が分からなければ、決して上達せず、さらには注意深く練習をしなくなってしまうようだ。だから、フィードバックを得るために、先生やコーチ、メンターの存在が欠かせないようだ。独学の限界がここにあるようだね。

4は、対象を特に絞り込み、集中して努力することが求められているようだ。徹底的に自分に厳しい鍛錬を積む必要があり、どの分野でも共通してみられる要素として、究極の鍛錬の練習時間は1日に4,5時間が上限らしい。最高水準の音楽家、チェスチャンピョンもこのような練習時間だと報告があるようだ。

最後の5は、不得意なことにしつこく取り組むことが求められるようだ。そうして、つらく難しいことをやることで技が向上することがわかり、鍛錬を繰り返し実行する必要があるようだ。これら5つのプロセスを最低でも10年以上継続していくことで達人、天才と言われるような人たちの領域に到達できるようだ。

この鍛錬方法を読んでいて、なんだか本当にドラゴンボールとかハンター×ハンターなどのバトル漫画のキャラが修行するようなものをイメージした。一番近いのは、ハンター×ハンターのネテロの『感謝の正拳突き1日1万回』のような感じ。もうあれが究極の鍛錬の5つのプロセスに大体当てはまるでしょうww

さらに6章では、究極の鍛錬によって、他人が気づかない細かな差異がわかり、もう一つの物事をより多く認識でき、さらには専門分野の情報について驚異的な記憶力を持つようになるようだ。その例がチェスのチャンピョンで示されている。また、専門分野の知識の絶対量が最後にものを言うようだ。以下その部分を抜粋。
 達人の驚異的な記憶力が自然に手に入るものではないのは明らかだ。それは専門分野に関する深い理解のうえに構築されているので、何年もの集中的な学習によってしかもたらされないのだ。新しい情報を高度な概念に絶え間なく関連づけることも求められており、大変厳しい課題だ。このように考えれば、達人の卓越した記憶力が専門分野以外には及ばないことも簡単に理解できるだろう。専門分野の知識は達人の能力の中心的な要素であり、専門分野と切り離すことはできないのだ。一般的な能力とはまったく異なり、何年もの究極の鍛錬を通じてのみ最終的に手に入れることのできる能力なのである。
(pp.148)
ということで、自分も専門分野のITの勉強を徹底的にやって、知識の絶対量を増やす必要がある。まだまだ読まなければいけない技術書が山のようにあるからね。

7章以降は日常生活でフィードバックを受けることが重要とか、ビジネスでも応用できるとか、創造性にも突飛な能力が必要なわけではなく、知識の絶対量を増やし、究極の鍛錬をベースに試行錯誤する必要があるなどと示されている。さらに、究極の鍛錬を続けることで、年齢による衰えをある程度超越することができると示されている。

そして、このつらく厳しい何年にもわたる修行のような鍛錬を成し遂げるには、内発的動機が重要であると示されている。特に重要だと思った部分を最後の章から抜粋。
なぜ特定の人が何年もあるいは何十年にもわたり、自らを傷めつづけるような厳しい訓練に毎日身をさらし、ついには世界のトップクラスに達することができるのか、一般論としては、そのことを十分説明することができない。もはや科学者から助言を求めることはできないところまで、この問題を検討してきた。ここからは、検討してこなかった唯一の場所、自分の心の内側を見つめはじめる必要がある。高業績を上げるCEOやウォール街のトレーダー、ジャズピアニスト、訴訟弁護士などになるために必要となる膨大な努力をさせるものはいったい何だろうか。何がそうさせるのだろうか。答えは、あなたが次の二つの基本的な問いに、どう答えるかにかかっている。あなたが本当に欲しいと思っているものは何か。あなたが本当に信じているものは何か。
 本当に、深く求めているものを知ることは、欠くことのできない要素だ。「偉大な業績」を上げる人間になるには、これまでにしたことのないような投資をしなければならないからだ。この先何年もの間、目標に向けて自分の人生を完全につぎ込まなくてはならない。とてつもない力でその目標をつかみ取ろうとする者だけが成功するのだ。
(pp.283)
本書がいろんな意味でヤヴァイのは、本書を読んでしまうと、何かの分野で達人を目指して途中で挫折しそうなとき、才能がないとか、頭がよくないとか、すでに年だから遅すぎるという言い訳ができなくなるということだ。確かにタイガー・ウッズのように2歳から父親からゴルフを教え込まれているような環境的な要因や始めるのが早いほうが有利であるということはある。けれど、最後は何年にもわたって究極の鍛錬を続けたかどうかになる。そしてそれは、強い内発的動機を持っているか、言い換えれば本気であるかどうか?に帰結する。

達人プログラマーになる!!と決めた以上、もうやるしかない。昨日今日、ここ数カ月でそのように決めたわけではない。社会人になってからいろいろと経験し、そして熟考してきて、ようやく最近になってやはり自分の専門分野を極めるべきだという結論に達し、モチベーション3.0の極意に目覚めた自分なら大丈夫なはず!?そして10年後くらいに真の意味でMasterになるんだ!!

今までどれだけ鍛錬不足であったのかを突き付けられた気がした。究極の鍛錬をやるには、今の自分には師匠が必要だ。自分の専門分野の師匠。今まで我流でやってきたけど、そろそろ限界を感じている。いろいろなバトル漫画の物語のように、そろそろ自分も師匠探しをする必要があるようだ。

冒頭で示した※印に対応する、本書と合わせて読みたい書籍は以下となる。本書は『モチベーション3.0』の必読書15冊の1冊に含まれていて、気になったので読んでみた。そして、これらは達人になるための基礎理論を強化するために全部必読!!相互に関連付けられた内容なので。あと一つ達人基礎理論!?を強化するために必要な本があって、キーワードだけを示せば、それは『フロー体験』となる。なるべく今年中に読んでおきたいところ。

本書は案外他の有名ブログで取り上げられたりしていないし、大きめの書店にも置いてなかったからなんだかもったいない気もする。発売は去年の4月なのだけどね。しかし、Amazonでの評価はかなり高い。

あらゆる分野で達人を目指すすべての人に必読書。僕はこの究極の鍛錬をがんばってやろうと思う。今年はまだ準備期間なので、来年から達人目指して本気出す!!www



究極の鍛錬
究極の鍛錬
著者:ジョフ・コルヴァン
販売元:サンマーク出版
(2010-04-30)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 自分の専門分野で成功したい人
  • アグレッシブに修行したい人
  • 達人になりたい人
Amazon.co.jpで『達人』に関する他の本を見る

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1. 凡人が「天才」たちと肩を並べる方法 - 書評 - 究極の鍛錬  [ 知磨き倶楽部〜読書で「知」のトレーニングを!〜 ]   October 16, 2011 20:56

グローバル経済が進展し、今後ますます多くの人たちと、国籍を問わずに競争していかなければならない時代になりました。 激しい競争の中で、傑出した成果を上げ続けなければ、いつ蹴落とされてしまうか分か...

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