December 14, 2011

共和国の戦士2 ―星間大戦勃発―

共和国の戦士〈2〉星間大戦勃発 (ハヤカワ文庫SF)
共和国の戦士〈2〉星間大戦勃発 (ハヤカワ文庫SF)

キーワード:
 スティーヴン・L・ケント、SF、脱走兵、諜報、勃発
アメリカで人気を獲得したSF戦争小説第2弾。以下のようなあらすじとなっている。
共和国で唯一生き残った最強のクローン兵士、ウェイソン・ハリスは、自らの創造者であるクライバー海軍元帥の密命をおび、反共和国主義者アトキンズ一派の行方を追っていた。テロリストの有力な情報を得たハリスは、軍首脳部の会議が行なわれているゴラン乾ドックへと向かう。共和国に反旗をひるがえした4つの渦状腕が構成する「国家連合」への対応策が討議された会議の終了後、ハリスの目前で、信じられない事態が……!?
(カバーの裏から抜粋)
アメリカでは2006年に共和国の戦士シリーズが刊行され、そこで人気を得て、全6作が発表されているようだ。今作は2作目で、原題は『ROGUE CLONE』となり、訳者曰く、あえて訳すなら”野良クローン”となる。

1作目は以下で取り上げた。1作目はハリス2等兵が一気に少尉まで昇進する。クローンはせいぜい軍曹クラスまでしか出世できないのだが、戦績が認められて昇進し、ある惑星での戦いがそのまま映画化されたりする。しかし、最強でもはや主人公しか存在しないリベレーターというクローン、ハリスは別の惑星の作戦行動中に戦死したことになっている。そこから海兵隊を無断脱退し、海軍元帥の直属のフリーな存在になり、元帥の護衛にあたっているが・・・。

2巻はどちらかというと主人公の戦闘描写や戦争シーンが少なく、元帥とその他の共和国内での政治的な争いに焦点があてられている。共和国内にはスパイがいて、各宙域で独立を宣言した共和国と対立する国家連合軍、モガト教徒が同盟を組み、共和国との対立が激化するまでが描かれている。

あまりネタバレすると読む面白さがなくなってしまうので、内容的なことにはあまり触れないでおこう。その代り、本作の面白さを簡単に示しておきたいと思う。

まず主人公が最強の殺人兵器クローンというのが特別な感じでよいかな。戦闘状況や自身が危機的状況になると、エンドルフィンとアドレナリンが過剰に分泌され、常人や普通のクローンよりも心身ともに平常心を保ちやすくなっており、より戦闘向きに設計されている。そして、通常のクローンが神経プログラミングにより、自分自身がクローンであることを知ると致死反応が出て死ぬのに対して、リベレーターはそれがない。

しかし、共和国に忠誠を誓い、死ぬまで共和国のために戦うことをプログラミングされている。本作ではハリスは共和国の海兵隊からフリーな立場になったり、共和国の危機的状況から、プログラミングされている自分の任務や特性が徐々に揺らいでいき葛藤が増えていく。そして、本作を通して『クローンには魂はあるか?』がハリスのテーマとなっている。そういう内面描写が描かれているのが1作目と違ってよかったと思う。

あとは主人公が信頼を置いているフリーの黒人傭兵がより描写されている。基本的に寡黙で感情もあまり表に出さず、ユーモアもあまり理解しないが、身長は2メートル超、体躯もよく凄腕の殺し屋である。本作では入植惑星に家族がいるため、その家族を助けるためにハリスの力を借りたりする。そういう重要人物の出自が分かってよかった。

あとは、日本人の末裔が出てくることか。ヤマシロという名の知事で、エゼル・クリという日本人の末裔だけが住んでいる惑星の代表者で、ヤマシロの持つ軍は高度な技術力を持つ技術軍団として描かれている。しかし、同盟のモガト教徒一派には技術支援をするだけで、基本的に戦闘はしないとうポリシーで戦線に参画している。こういう設定も面白かった。

訳者曰く、本作はアメリカ南北戦争史を下敷きに描かれているようだ。それらが敵対勢力などの力関係に表れているようだ。とはいえ、本作は戦争ものとしてはそこまで深くはないが、エンターテイメント性が高く、約530ページを2週間以内で読めるほどぐいぐいと引き込まれていく。ハードなSF小説に比べてだいぶ読みやすい。戦闘描写やSFっぽい用語も何となく想像できるものが多く、あまり難しくない。

現在は3作目の『クローン同盟』まで出版されているようだ。7ヶ月に1作出版されているようなので、3作目が9月出版であるから、4作目は大体2012年4月ごろか。3作目もきっと一気にページが進んでしまうので、4作目発売前後に読むことにしようかな。

読み始めたら一気読みできること間違いなし!!最強のクローン兵、ハリス大佐の活躍はいかに!!



共和国の戦士〈2〉星間大戦勃発 (ハヤカワ文庫SF)
共和国の戦士〈2〉星間大戦勃発 (ハヤカワ文庫SF)
著者:スティーヴン・L・ケント
販売元:早川書房
(2011-02-05)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 特殊部隊に憧れている人
  • 出世したいと思っている人
  • 農業をやるよりも前線で戦いたいと思う人
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