December 18, 2011

Being Geek

Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略
Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略

キーワード:
 Michael Lopp、ギーク、キャリア論、マネジメント、ナード
シリコンバレーで働くエンジニア兼マネージャによるギークのキャリア論。目次はちょっとすべて紹介しきれないので、本家オライリーのページを参考に。ついでに本書の概要も上記リンク先で見れるので、気になる人は目を通しておいたらよいと思う。こういうところがしっかりしているのがオライリーのHPのよいところで。

全体的に網羅して示せないので、例によって自分の気になった部分、考えさせられた部分を恣意的に取り上げておく。

本書を読み進めながら、常に以下のことを問い続けるとよいと示されている。
  • 自分は今、何をしているか?
  • 自分はこれから何をしていくべきか?
  • 自分にとって何が重要か? 最も考えるべきことは何か?
(pp.7)

これがギークのみならずマネージャになるような人にも考えておくべきこととなる。

ということで、いきなり35章の『就職先の選択』の『決断』から以下抜粋。
 将来について、確実に1つ言えるのは、「どういうことがいつ起きるかは、まったく予測ができない」ということである。チャンスというのは、得てして最悪のタイミングで訪れるものだ。そして、チャンスが訪れた時には、自分にその準備がある否かに関係なく、ともかく即座に何かしらの決断を下さなくてはならない。「この誘いを受けて転職するべきか」といったことを決断しなくてはならないのだ。
 自分が一体、何を望んでいるか、それをよく知っていれば、良い決断ができるに違いない。
 自分の将来について戦略を立てる際には、次に示す3つのことを自分に問いかけるべきだろう。どれも、就職、転職に関わる問いである。この問いの答えを考えることで、自分はどこへ行きたいのか、何が作りたいのか、また、それをどうやって作りたいのかが明確になるだろう。
(pp.290)
著者なりの考えが示されているのだけど、3つの問いを自分なりに考えてみたので、示しておく。

問1:ベンチャー企業か大企業か
このテーマについて論述された記事ははてブのホットエントリに入りがちで、いろいろと読んだことや考えたことがある人は多いと思う。ベンチャーだと成長しやすいとか、いろんな経験ができるとか一般的に言われているが、実際はそうじゃないという記事も見かけた。

現状では自分は大企業に属するほうで、かつ新卒でそこに入ってから一度も転職していないし、まわりにベンチャーで働いている人が身近にいるわけではないので、ベンチャーの可能性についてはあまり示しようがない。でもどっちがよいのかはケースバイケースなのだと結論付けておく。

それぞれのメリット、デメリットがある中、結局エンジニアとして一番よいのが、待遇とか将来性はあまり考慮せずに楽しく自分のやりたいことができるかどうか?に尽きるのではないかと思う。大企業もベンチャーも現在の経済状況では先が読めなくなってきていると思うので将来性は未知数だね。経験できることと言っても、一概にベンチャー、大企業というくくりでは何とも言えないし、組織のカルチャーによるとしか言いようがない。思った通りのキャリアを描けるわけではないし、半分は運みたいなものにも左右されるなというのが現在6年目の感覚的な理解。

将来は今の組織でキャリアを積み上げていくというのもありだと思うし、ベンチャーに行くというのもいいなと思う。それぞれに条件を付けるならば、今の組織で行くのなら、自分のやりたいことは必ずしもできなくても、エンジニアとしてだけではなく、ビジネスマンとしての可能性の成長も得られるかどうかかな。逆に、ベンチャーで行くなら、誰かが起こしたものの下っ端として行くよりも、自分が共同経営者、もしくは創業者としてやったほうが確実に面白いだろうし、得られるものも多いだろうね。それが条件というか、求めることかなと。

過去自分が今の組織の面接時に志望動機として語ったことと、現状の指向性としても、グローバルな環境であるというのが今の組織に残り続ける理由となる。まぁ、どっちにしても結局自分が何を求めているかをもっとはっきりさせないと、この問いには自信を持って答えらないね。

問2:どの分野で働くか 会社のブランドは重要か
これは結構ベンチャーか大企業かよりも重要な問いのような気もする。現状では会社のブランドはある程度確立されているから不満はない。著者は会社のブランドが転職の可否に影響することは大いにあり得ると示している。また、インスパイア創業者である成毛眞氏も今後は学歴よりも最初に就職した会社が一つの判断基準になるというようなことを示していた。自分もそういうものを期待して今の組織に入ったというのがある。転職して次のステップアップを順調に進めるためにね。

今の組織に帰属意識があまりなく、次を見越しているのであればブランドは大事かなと思う。あと下世話な話としては合コンのときにちょっとはいいことあるかもしれないしねww(今年も何も成果ないけどね・・・('A`))

問題はブランドそのものよりも、どの分野で働くか?のほうだと思う。ここで言う分野は、著者はDB、ブラウザ、Webアプリケーション、eコマース、OSという技術領域で示している。著者はそれらを時代の最前線ととらえて、それらに関する仕事や組織を転々と渡り歩いてきたようだ。今までの自分に何ができるか?を鑑みてみると、ここが弱い。つまり、どの分野で働くか?は自分が何を作りたいか?に言い換えることができ、ここが弱いというのはまだ何が作りたいかを確定できていないということになる。

ここだけは早く決定する必要がある。今年いろいろと考えて、やはり自分のITの技術領域で仕事を続けてプロフェッショナルになろう!!と決定した。しかし、どのドメインで勝負するか?も同時に決める必要がある。ここは来年、いろいろと技術勉強をやってみて見出していきたいところ。自分の作りたいものが先にないとね、というお話。

問3:マネージャになるつもりがあるか
これは他2つよりもそこまで重要ではない問いかな。ここで言うマネージャは、プログラミングから離れてプロジェクトや人を管理、調整するような責任ある立場になるということになる。現状の組織でステップアップすれば、結果的にこの役職に就くことになる。同等のクラスとして技術特化型のポジションもあるのだが、自分はどっちを選ぶのか?ということかな。

まぁ、自分はマネジメントにはあまり向いておらず、そういうのに対する指向性は低い。どちらかというと技術領域を深めて役に立ちたいほうだなと。かといってマネジメント的なことに対して全く興味がないわけでもなく。マネージャと言えば、軍隊で言えば隊を率いるような隊長とか将校クラスだと思うので、そういう部隊を統率してプロジェクトを回してみるというのも一つの面白みではないかと思う。

これらの問いはもうちょっと深堀しておく必要がありそうだ。

あと、36章の『エンジニアとマネージャ』の『作ったもので評価されるエンジニア』という節からキャリア初期に重要なこととして、以下のものが示されている。
  • 良いものを作る。ともかく良い製品を作ること。
  • 速く作る。限られた時間の中で、できるだけ多くのものを作るようにする。
  • 誠実に話す。上の人間に、ごまかしやウソは決して言わず、真実を話す。話を信用してもらえるようになれば、結果的に、自分の作った製品を守ることにつながる。
  • 期日を守る。「できる」と言った日に確実に製品を作り上げるようにする。
  • ただし、間に合わせるために質の悪いものを作ってはならない。必ず良いものだけを作る。
    (pp.301)
これは今でも意識するし、決してキャリアの初期だけで重要なわけでもなく、何かを作るエンジニアとしてずっと成長していきたいのなら、これは常に意識しておかなければいけないことだろうね。

特に4つ目は上司にも結構言われたな。あと社長も、何でもかんでも「できる」と言ってできていないのが一番最悪で、かといって何もできませんではダメで、Can Doの精神で現状ではできないかもしれないけど、なんとかできるようにするにはどうすべきか?を考えることが重要と言っていたなぁと。これらは常に忘れないようにしておこう。

本書は344ページでかつ1ページ当たりの文章量が多めなので、そんなに速く読めず、読み始めてから3ヵ月ほどかかったかな。毎日読んでいたわけではないけど。いろんな具体的なシチュエーションが示されているので、それらについて自分なりに考えながら読むことが重要で、速く読むことが重要なわけではないタイプの本だな。

ギークと言っても突然ソースコードが出てきたりはせず、どちらかというと組織やマネジメント的な部分にも多く言及されている感じで、ITエンジニアとして働くなら一度は考えたことがあるようなことが結構示されている。かといって、すべてじっくり考える必要のあるものではないので、気になるところを読んでいけばよいと思う。

あと、翻訳が素晴らしいので、割と読みやすい。ダメな翻訳本は、原文の英文の構造がそのまま想像できるような訳だったりするが、本書はそんなことはなかった。さらには、表紙のビジネスシューズとスニーカーのコントラストが印象的で、スーツとギークの対比を暗喩しているね。現状の自分はどちらかというと、『エイリアンVSプレデター』に出てくるハイブリッドタイプのプレデリアンのごとく、スーツとギークの中間的な存在かなとww

エンジニアが自分のキャリアについて考えてみるにはよい本だね。特に今のような年末年始シーズンなどにはね。



Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略
Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略
著者:Michael Lopp
販売元:オライリージャパン
(2011-06-25)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • ギークになりたい人
  • 転職しようかと思っている人
  • ITエンジニアとして成長していきたい人
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