February 01, 2012

「デキるつもり」が会社を潰す

「デキるつもり」が会社を潰す - 「絶対黒字感覚」のある人、ない人 (中公新書ラクレ)
「デキるつもり」が会社を潰す - 「絶対黒字感覚」のある人、ない人 (中公新書ラクレ)

キーワード:
 香川晋平、会計、黒字、PDCA、数値化
公認会計士と税理士である著者によって、デキる黒字社員になるための方法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 となりの「デキるつもり」たち―「自称・黒字社員」はこんな人
  2. 第2章 なぜ、「デキるつもり」が会社を潰すのか?―ムダにする4つの資産
  3. 第3章 【目標設定術】デキる社員は、因数分解がうまい
  4. 第4章 【仕事術】デキる社員は、つねに「お金」と「時間」を意識する
  5. 第5章 【分析術】デキる社員は、分析に「割り算」を使う
  6. 第6章 【改善術】デキる社員は、シミュレーションがうまい
  7. 終章 本当に「デキる」とは、どういうことか?
(目次から抜粋)
自分は仕事ができる!!と思い込んでいて、実際は『高いつもりで低いのは 会社の貢献、低いつもりで高いのは 自分の給与』ということがありがちだったりする。そのままではその人は会社にとって赤字社員の『人罪』になってお荷物になってしまう。そうならないためにも、会計的な側面、つまりコスト感覚を把握し、PDCAサイクルによって絶対黒字感覚を身につけようというのが本書である。

デキるつもりの例が登場人物の対話形式でたくさん示されている。例えば、会社の経費で異業種交流会に参加してたくさん名刺を配って、名刺交換の数を自慢していたり、家電量販店の社員の会話で、製品の仕入れ数を見込みよりも過剰にしてしまったり、ダラダラと仕事をし、成果も出ないのに残業をしすぎていたりなどなど。それらがどれだけ会社へのコストであるかを数値化、計算によって可視化され、そこからどうやって黒字にするべきかを分かりやすく示されている。

この数値による可視化のプロセスは、さすが著者は会計士であるなぁと思った。また、普段なんとなく働いていると、ここまでのコストにはなかなか気づかなかったりする。そういう部分を気づかされて、どうやって自分が会社に対して利益を出していかなくてはいけないかがよく分かる。

詳細を全て網羅できないので、実践編のPCDAサイクルによる絶対黒字感覚のほんの一部の具体例を示しておきたいと思う。

PDCAサイクルはビジネス書をそれなりに読んだことのある人ならば知っている単語で、Plan, Do, Check, Actのプロセスを経て物事を改善していくもので、デキる社員はこのサイクルに従って仕事をしているようだ。まずPlanの目標設定に関しては、デキる人は以下のSMARTの法則に従っているようだ。
  • Specific・・・具体的である、わかりやすい
  • Measurable・・・計測可能である、数字になっている
  • Agreed Upon・・・同意している、達成可能である
  • Realistic・・・現実的である
  • Timely・・・期限が明確である
この法則に沿って、売り上げ目標の具体例の話が示されている。変動費、固定費を考慮し、赤字と黒字のちょうど境目となる「損益分岐点売上高」の算出をし、どれだけ売上げれば黒字化できるかを把握するとよいようだ。さらにそのためには、行動を因数分解のように逆算し、今何をすべきかを把握し、そこから目標達成に必要なアプローチ件数、受注件数といった数字を記録していくとよいようだ。この数字の記録が「絶対黒字感覚」に必要となるようだ。

このSMARTの法則、自分の会社の目標設定でもこれに従えとガイドラインがあったりする。実際に受注件数とか製品販売数などの数値が分かりやすい仕事ではないけど、この観点はとても重要だなと思った。SEとして仕事をするときの目標として、自分はよく業務効率化ツールで通常の工数よりも2割削減する、といったものを設定したりする。とはいえ、目標設定はできても、実際にどれだけ工数削減できたかの数値化、記録が難しくてあんまりできてないけど・・・。

またDo、つまり実行のプロセスでは時間のコスト感覚を意識することが重要と示されている。例えば、月20万円くらいの給与をもらっている人は1秒1円のコストがかかっていると認識すべきとある。これは、1秒1円だと1分60円、1時間3600円、1日8時間の20営業日で57万6000円となり、著者によると黒字社員の条件が給与の3倍以上の利益貢献が必要のためらしい。そして、同様に給与が32万円の人は1分100円を意識すべきとあって、これはなるほどと思った。

この時間のコスト感覚だけは入社して3年目までに徹底的に叩き込まれたと思う。お客様に対する1人月あたりの単価が他の会社に比べて高めであることもあり、よく上司から『給料以上の仕事をしろ!!』とか『単価高いのだからそんなに雑用に時間かけるな!!』とかいろいろと言われていた。なので、仕事のスピードも速くなかったということもあり、徹底的にどうやってスピードを上げるか?を以下の本などを読んだりして意識してきた。もともと持病の影響で残業もそんなにできなかったしね。実際にどれほど速くできたかは分からないけど、ここだけは割と今でもしっかり意識している。仕事に限らずプライベートでもね。

他にもCheck, Actの部分も紹介しておきたいが、そこは実際に本書を買って読んでほしい。

最後に特になるほどと思った部分を以下に引用しておく。
 本当に「デキる黒字社員」とは、一体どういう人なのでしょうか?
 私は、自分が「デキない」ということを、素直に認められる人ではないか、と考えています。
 これまで、私が思う「デキる」人を数多く観察してきましたが、共通して言えるのは、先ほどの稲盛和夫氏のように、つねに今よりもさらに「デキる」状態をめざして、自分は「まだまだデキない」という意識で仕事に取り組んでいる、ということです。
(pp.234)
あんまり自己を過少評価してデキないと思い込むのもどうかと思うけど、それでも謙虚にまだまだだなと思っていれば、常に向上心を持って仕事に取り組めると思う。入社3年目くらいまでは、同期と比べたり実際の業務を通して、自分は本当に仕事ができないなぁと思い知らされた。それから6年目になり、最近は昔に比べてある程度は仕事ができるようになってきたなぁと思うけど、会社からの評価は客観的にそこまで仕事ができることを示しているわけでもないから、著者の示す通り、もっと精進していきたいと思う。



さてさて、本書の著者である香川さんをお呼びして83年会主催のセミナーを2月25日(土)に東京八重洲でやりますよ人生黒字化計画』と題して、28歳前後から人生を黒字化する考え方を学べます。自分のキャリアプランを考えてみたかったり、近い将来転職をしようと思っている人は以下からぜひ参加申し込みを自分の告知がちょっと遅れすぎて、定員30名のところ、もうあと5名ほどしか枠がないようです。なので香川さんに話を聞きたい人は急げ

自分ももちろん懇親会まで参加ですよ~



「デキるつもり」が会社を潰す - 「絶対黒字感覚」のある人、ない人 (中公新書ラクレ)
「デキるつもり」が会社を潰す - 「絶対黒字感覚」のある人、ない人 (中公新書ラクレ)
著者:香川 晋平
販売元:中央公論新社
(2011-10-07)
販売元:Amazon.co.jp
読むべき人:
  • 自分は仕事がデキると思っている人
  • いろいろと数値化が好きな人
  • 人生を黒字化したい人
Amazon.co.jpで『香川晋平』の他の本を見る

bana1 デキる黒字社員になろうクリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by タッキー@自己啓発&感動大好き   February 07, 2012 23:47

初めまして、タッキーと申します。

「時間をコスト感覚でとらえる」
参考になりました。

『人生黒字化計画』面白そうですね。

2. Posted by Master@ブログの中の人   February 08, 2012 07:38

>>タッキーさん

コメントありがとうございます☆

『人生黒字化計画』のセミナー、今から楽しみです

3. Posted by サンクチュアリ出版 岩田   February 09, 2012 15:10

お世話になっております。私はサンクチュアリ出版で広報を担当しております岩田と申します。
弊社では月に1冊のペースで、文芸書やビジネス書、実用書など幅広いジャンルの書籍を出版しておりまして、毎回新刊を影響力のあるブロガー様などに献本をさせていただいております。

今後、Master様にも献本させていただきたいのですが可能でしょうか。
もちろん、ブログでご紹介いただけるかどうかの判断はお任せいたします。
可能な場合は献本先を教えていただければと思いますので、何卒ご検討の程よろしくお願いいたします。

4. Posted by Master@ブログの中の人   February 09, 2012 21:56

>>岩田さん

申し訳ありませんが献本は受けつておりませんので、ご了承ください。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星