May 27, 2012

入社1年目の教科書

入社1年目の教科書
入社1年目の教科書

キーワード:
 岩瀬大輔、ビジネス、仕事論、教養、人間力
ライフネット生命副社長による新入社員のための仕事論。目次は50個の項目が示されているが、長いので割愛。その代り、著者が考える仕事における3つの原則を以下に示しておく。
  1. 頼まれたことは、必ずやりきる
  2. 50点で構わないから早く出せ
  3. つまらない仕事はない
新入社員の仕事の原則であるが、これは経験年数が多い人でも全く異論なく当てはまるものとなる。3年目まではこれが感覚的に分からないかもしれないけど、上司の立場になれば、これがいかに重要かを実感する。僕も今でもこれが完璧にできているかは微妙だけどねぇ。特に2の早く出すということとか。

本書は西新宿のブックファーストで、『ビジネス書出版社社員が選ぶ、新入社員のときに読んでおきたかった本』というフェアで手に入れた。そのフェアでは、本書を挙げている方が2,3名いたし、1年前に発売した当初から気になっていて買ってみた。

本書をこのタイミングで読んだのは主に3つの理由から。一つは単純にスーパーエリートともいえる経歴である著者自身がどういう考えを持っているかに関心があったから。2つ目は7年目、そして5つ目のプロジェクトに突入し、改めて自分の仕事ぶりを確認するために。最後は、上司として部下育成のヒントが得られないかと思ったから。

東大在学中に司法試験に合格し、BCGやハーバード卒、そしてライフネット生命の副社長という経歴から、すごく仕事ができるのだろうなと思って読んでいた。しかし、何か特別なすごいテクニックのようなことが書いてあるのかと思ったが、案外そうでもなかった。

以下特になるほどと思った部分を恣意的に引用しておく。

最初は『20 本を速読するな』から。
 現代は多くの人が速読を推奨していますが、僕はその立場に与することはできません。本を読むこと自体が目的ではないので、5冊速読するくらいなら1冊の本をじっくり読むべきだと思っています。
 じっくり読む価値のない本は、読まなければいいのです。
(pp.95)
僕も昔は必死で速読トレーニングをしていたり、1日1冊ペースで読んでいたので、速読が善だと思っていた時がありましたよと(笑)。でもやはり最近思うのは、『速読する必要は実はあんまりないんじゃない!?』ということ。もちろん仕事で切羽詰まっていて、必要な分野の知識レベルを底上げするという場合は、同じようなジャンルの本を何冊も速攻で読み解いていく必要はあるけど、普通に読書する分にはそんなにたくさん読む必要もないし、何よりも時間をかけた思考プロセスを経ないと、何の意味もないということが経験的に分かってきたというのもある。

また、同じような主張で『26 脳に負荷をかけよ』では以下のように示されている。
 脳に対する負荷も、強ければ強いほど効果的です。
 たとえば、難解な論理書と格闘してみるのも一つの方法でしょう。社会人になると、よほど意識をしない限り、頭が擦りきれるほど物事を考えるという場面がなくなっていくものです。
 さらに言えば、読むだけでは脳に負荷はかかりません。読んで理解して、それを自分のビジネスにどのように生かせるかを徹底的に考えてください。
 やっかいなのは、ビジネス書を読んだだけで勉強したと勘違いすることです。まったく脳には負荷はかかっていないと思って間違いないでしょう。
 仮に1日1冊のハイペースで読みきったとしても、もはやテレビを見ることと同義の「遊び」だと思ってください。
(pp.121)
僕は入社3年目くらいまで、これが全く分かってなかった。1年目はヤル気に満ち溢れているから、本書を含めて本屋の新刊コーナーで売っている自己啓発書をたくさん読むと思われるが、それが実は陥りがちな罠だったりする。それらに関連することは以下の本でいろいろと示しておいた。そもそも速読できる程度の本は、得るものがほとんどないと思って間違いない。しかし、本書のように速読できる部類の本でも、徹底的に時間をかけて考えるというプロセスを経れば、得られるものはちゃんとある。重要なのは、ちゃんと考えたものだけしか自分の中で積みあがっていかないということだね。

最後にコラム3の『キャリアアップは人磨き』から。
歳を重ねるにつれ、成長するうえで大事なものの優先順位が変わってきています。こんなことを言うと皆さんの上司に怒られるかもしれませんが、趣味を伸ばすこと、本を読むこと、体のコンディショニングなどは、仕事が終わってからの空き時間で済ますような重要度の低いものではありません。
(中略)
 最新のビジネススキルを勉強することも、もちろん良いことです。でも、その前に人間としての印象を良くすることや、魅力的な人間であることも大切ではないでしょうか。
(pp.191)
入社1年目に限って言えば、1年目がビジネスライフのその後を決定付ける超重要期間であるから、趣味とか余暇を考えずに心身が病まない程度に仕事に全力で取り組むべきだよ。それに関しては以下にしめしておいた。でも、ビジネスライフを長い目で見ると、仕事だけしていてもダメだし、趣味とか余暇もとても重要になってくるなぁと実感するよ。まぁ、僕はまだ20代だから仕事に没頭しなくてはいけない時期なのだけどね。単純な頭の良さとか技術力があるということも大事なのだけど、それだけではダメで、最後にものを言うのは、著者も示すように教養とか人格とか人間力なのだなと思う。そこが本書を読む前に自分が抱いていたエリートである著者への先入観とのギャップで、なるほどなぁと思った。

本書は本気で速読しようと思えば1時間もかからずに読めると思う。けれど、やはり速読するのはもったいない本だなと思う。1年目の人がこれを1年目の時に読めるのはとても運がいいなぁと思う。1年目の人はこれ一つに絞って、1年目が終わるころまで定期的に繰り返して読んで、書かれていることがちゃんとある程度実践できているかどうかを確認していくのがいいね。

中堅以上の人も速読せずに、今までの自分の経験を照らし合わせてみて、そういえばあのときはこうやればよかったのだなとか、著者の示す例から自分の仕事ではどう当てはまるか?といったことを考えてみるとよいと思う。そうすると案外読むのに時間がかかる。とにかく考えて読もうということに尽きる。



入社1年目の教科書
入社1年目の教科書
著者:岩瀬 大輔
販売元:ダイヤモンド社
(2011-05-20)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 新入社員の人
  • 速読しすぎている人
  • 仕事で長く成長していきたい人
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