November 24, 2012

マルドゥック・スクランブル【漫画版】

マルドゥック・スクランブル(1) (少年マガジンKC)
マルドゥック・スクランブル(1) (少年マガジンKC)

キーワード:
 冲方丁×大今良時、バロット、ウフコック、ボイルド、焦げ付き
冲方丁氏のSF小説の漫画化作品。作画は大今良時という人。どうやらこれが初連載作品らしい。原作は以下の記事を参照。この作品を読んだ後に、漫画版が刊行されていたことを知った。原作はとても面白くて、ページが止まらなくなるほどだった。サイバーパンク的でバトル要素もあるこの作品が漫画化されたとなると、チェックしないわけにはいかない!!全7巻で、7巻目は今年2012年6月に刊行されたようだ。

先に小説を読んでいると、どうしても主人公である15歳の少女、ルーン・バロットのイメージが脳内にすでにあり、それと具体化された漫画の作画のギャップがあるものだと思っていた。特にコミックのカバーイラストは小説のカバーイラストと違うので、微妙かと思っていたのだけど、実際に読んでみるとあまり違和感がなかった。むしろ、大人でも子供でもない微妙な15歳という年齢、そして透明感をまとったルーン・バロットが白兵戦兵器のネズミ、ウフコックと共に脳内イメージ通り、いやそれ以上に躍動していた。

これが初連載とは思えないほど画力が安定しているなぁと思った。キャラの描き分けもバトルシーンも問題なかった。これでも漫画喫茶で割と漫画を読みまくっているほうなので(昨日も逝って12時間以上いたけど何か!?ww)、画力に対するチェックは厳しくなるのだけど、これは結構よかった。小説で読みながらイメージ化していたものが見事に具現化されているし、バトルシーンでどうしてもイメージしずらいところもちゃんと描かれていた。

何よりもよいのは、主人公ルーン・バロットの表情の描写だなと思った。精神的に未熟な部分もあったり、虐げられていた過去もあったりして物憂げな表情であったり、ウフコックという兵器を濫用して狂いつつある恍惚な表情、泣き顔、追い詰められて絶望する顔、自分の意志で決断した顔、笑顔などちゃんと描かれていて、これだよこれ!!と感じさせてくれた。

個人的には、ストーリーとか設定、単純な画力のよさではない、これはいいね!というか何か惹きつけるものがある漫画は、キャラの表情をちゃんと描き分けられること、もっと言えば意志のある瞳を描けるかどうか?にかかっていると思っている。セリフが全くない状況でも表情や瞳で描写できるかがとても重要な要素だなと。好みの問題もあるかもだけど。

後は先に小説を読んだのなら、自分でイメージしたキャラたちと漫画の描写のギャップを楽しめるかな。まったくギャップがないわけでもないので、そういう部分になんか原作のイメージと違うと自分の好みで低評価を下しがちだけど、そういうギャップを楽しめたほうがよいと思う。僕の場合は、敵のボイルドが一番ギャップがあった。もっとおっさんでゴツいものを想像していたけど、漫画では20代後半で細身で長身の男として描かれていた。しかし、ボイルドが迫ってくるシーンなどは小説で読んだ緊迫感がそのまま再現されているようで、読んでいる方もプレッシャーを感じる。

あとはカジノでバロットとルーレットで勝負する、女スピナーのベル・ウィング。自分は勝手に太った女性像をイメージしていたけど、ポニーテールのスマートな感じだった。むしろ漫画のイメージのほうがいいじゃないかと思いつつ読んだ。逆にドクターの描写はあぁ、イメージ通り!!と思った。

さらにネズミのウフコックはなんだかとても可愛らしく描かれていて、とても兵器には見えない。でもそれが全体の柔和な画力をより引き立たせているようでもあった。

漫画のストーリー展開はかなり原作に忠実な感じだと思われる。要所にこれは原作のセリフをそのまま決めゼリフに使っているなというのがよく分かる。しかも違和感もなく。もちろん漫画版のアレンジが全くないわけでもない。例えばバロットが街のお祭りで射的をやってタコの人形をゲットして小さい子供にあげたりとか。そういうアレンジも楽しめる。

最近劇場アニメ版の3作目、【排気】が公開されたようなので、初期作品からチェックしようと思う。こちらはショートカットなバロットのようだ。

先に漫画から読むのもよし、原作を先に読むのもよし!!どちらからでも一気読みできることは間違いない!!



マルドゥック・スクランブル(7)<完> (講談社コミックス)
マルドゥック・スクランブル(7) (少年マガジンKC)
著者:大今 良時
販売元:講談社
(2012-06-08)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • マルドゥック・スクランブルが好きな人
  • SFバトル漫画が好きな人
  • 「なぜ私の?」と問うたことがある人
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