January 07, 2013

ピープルウエア 第2版

ピープルウエア 第2版 − ヤル気こそプロジェクト成功の鍵
ピープルウエア 第2版 − ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

キーワード:
 トム・デマルコ/ティモシー・リスター、人間系、プロジェクト、管理、やる気
プロジェクトの管理面に焦点を当てたエッセイ本。以下のような目次となっている。
  1. 第1部 人材を活用する
  2. 第2部 オフィス環境と生産性
  3. 第3章 人材を揃える
  4. 第4部 生産性の高いチームを育てる
  5. 第5部 きっとそこは楽しいところ
  6. 第6部 ピープルウエアの小さな続編
(目次から抜粋)
いわゆるデマルコ本で、システム開発のプロジェクト管理者が陥りやすい脇道などがユーモアと共に示されている。そして、本書のテーマは以下のように示されている。
 人が絡む問題を、政治学と呼ぼうと、社会学と呼ぼうと、次のプロジェクトでは、人に関する問題が、設計、製造、開発技法のような技術的な問題よりもトラブルの原因になることは間違いない。だからこそ、人に関する問題をこの本を貫くテーマとしたのである。
(pp.3)
そこで、プロジェクトに関わるメンバー、管理者など人間系に焦点があてられているので、ピープルウェアとタイトルがついているようだ。システム開発、ソフトウェア開発のプロジェクトにおける人に関する問題の本質は、以下のように集約される。
ソフトウェアは、多数のチームやプロジェクト、固く結束した作業グループで開発するので、ハイテクビジネスではなく人間関係ビジネスに携わっているといえる。プロジェクトの成功は関係者の緊密な対人関係によって生まれ、失敗は疎遠な対人関係の結果である。
(pp.5)
本書の第1版が発売されたのは今から20年ほど前のことであるが、これは時代や国が変わってもあまり変わらないことだなぁと。システム開発プロジェクトの成功確率は他の業界、例えば建築などに比べてあまりにも低い。その要因の大部分は、要求されるIT技術の複雑さなどによるものではなく、プロジェクトに関わる様々なメンバーのコミュニケーションが問題であるということが、本書を読めばよく分かる。

分かりやすいのが2部の『オフィス環境と生産性』では、オフィス環境の違いによってプログラミングの生産性に違いがあるかどうか調べるプログラミングコンテストが開催され、その結果、上位のグループは静かで、個人の空間、プライバシーが保護され、電話などの無駄な割り込みがないほうが、生産性が高い傾向があるとなった。

他にも「電話についての意識改革」という節では、プログラマーには静かで割り込みが発生しない環境が不可欠なので、電話を無視してもよいような現実的で効果的な方法を考えるべきだとあった。これは実体験からもう電話出るのいやだ!!と思っていたから、あるあるwwと思って読めた。

特にカットオーバー後の障害対応要員として、自分の担当タスクをこなしつつ、電話番という状況だと、電話に出てちょっと別の対応をして、さて自分の元のタスク再開だけど、どこまでやってたんだっけ?そうそうここだ、ここからだ、と思った矢先にまた電話対応をやっていると、仕事進まないじゃないか!!となったりしたなぁ。

システム開発などは、結局人が作って、使うのもまた人であるのだから、どんなにコード自動生成が発達しても、人間同士の問題が完全に解決されるわけでもなく、そしてそれがプロジェクト成功のボトルネックになるのだなとよく分かった。なので、一部の天才プログラマーが数人でWebサービスを開発するような例外的なものを除くと、多くの人が参画するようなプロジェクトは、やはり人に対する思いやりというか、理解が必要なんだと思う。各メンバーが技術スキルを保持していることも重要だけど、やはり最後は人間を理解することがとても大切だね。

特に管理者の立場であるプロジェクトマネジャーは必読書かもしれない。プロジェクトメンバーの作業進捗を監視するようなことがマネジャーの仕事だと思っている人は特に。最後に特になるほどと思った部分を引用。
つまり、管理者の役割は、人を働かせることにあるのではなくて、人を働く気にさせることである。
(pp.41)
これはどの階級の人も心にとどめておいた方がいいね。

各エッセイはユーモアを交えて示さされていて、割と面白く読める。ある程度の経験年数のある人が読めば、必ずこれは自分もあるあるwwと実体験から納得できる内容が多い。そして、1章ごとに読むとよいかも。あまり速く読むようべきような本でもないし。ゆっくりと1日1章ぐらいのペースで読むのがいいかもね。

プロジェクトに関わる全ての人にお勧めの一冊。



ピープルウエア 第2版 − ヤル気こそプロジェクト成功の鍵
ピープルウエア 第2版 − ヤル気こそプロジェクト成功の鍵
著者:トム・デマルコ
販売元:日経BP社
(2001-11-26)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • マネジャーになったばかりの人
  • 環境が悪くて生産性が微妙な人
  • プロジェクトの失敗要因について考えたい人
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コメント一覧

1. Posted by 高田よしのり   January 07, 2013 22:35

トムデマルコの本で一番好きな本です。「うん、うん」とうなずきながら読みました。また読み返してみようとおもいます!

2. Posted by Master@ブログの中の人   January 08, 2013 06:40

>>高田よしのりさん

コメントありがとうございます!!
共感できる部分が多い本ですよねぇ。

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