May 11, 2013

ガダラの豚

ガダラの豚 1 (集英社文庫)ガダラの豚 2 (集英社文庫)ガダラの豚 3 (集英社文庫)
ガダラの豚 1 (集英社文庫) [文庫]
ガダラの豚 2 (集英社文庫) [文庫]
ガダラの豚 3 (集英社文庫) [文庫]

キーワード:
 中島らも、超能力、呪術、アフリカ、家族
中島らもの冒険!?オカルト小説。3部構成で、1部だけあらすじを以下に抜粋。
アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。
(第1部のカバーの裏から抜粋)
なぜ1部だけ抜粋したかというと、2部、3部は若干ネタバレしているから。それを見ないほうがより楽しめるのは間違いない。

この作品は西新宿のブックファーストで、読者が選ぶ名著フェアというようなところに置いてあったので買った。以前からこれは徹夜小説と称されているのを聞いていたというのもあったので。読んでみたら、なんじゃこりゃー!!と衝撃を受けつつすごく面白く感じた。1部読むだけでなんか疲弊して徹夜はできなかったけど、1巻ごとに1日で一気読みできた。それほど物語の怪しい世界観に飲みこまれていった。

内容を詳細に語ってもしょうがないので、簡単に各3部構成をハイライト的に示しておこう。

第1部は、超能力vsトリック対決!!そして新興宗教の胡散臭いトリックを暴け!!という内容。これだけだとふーんって感じなのだけど、なんだか著者が新興宗教の洗脳状況を見てきたかのような描写がとても面白く、かつ勉強になる(もちろん怪しい宗教に引っかからないようにするという正しい意味で)。

第2部は、アフリカの呪術師の村へ取材に行く冒険の旅!!そこには邪悪な呪術師が潜んでいた!!という内容。ここはアフリカに対する世界観とか先入観を覆される。参考文献が3部の最後に示されているのだけど、かなりアフリカの呪術とか民族学、寄生虫、食べ物などが調べられて書かれている。自分も乾いたケニアの大地にいるような感覚になってくる。

第3部がなんかぶっ飛んでいて、最初は東京を舞台としたサスペンス調なのだけど、最後はテレビ局内での危険が潜む冒険活劇、そしてラストバトルへ!!と言った感じ。3部だけはちょっと1部、2部と毛色が違う。でもここまできたらこまけぇこたぁいいんだよ!! (AA略)と最後のクライマックスまで手に汗握りつつ一気読みするのがよろしい。

1部は割と現実的な話でなるほどねぇと読めるのだけど、2部の後半から物語の異様さがじわじわと読者の心理に侵食していくように広がっていく。どこまでが説明がつくことで、どこまでが超常現象的なものなのか?と。その過程も含めて先が全く読めなくて、この先どうなるんだろうと物語に引き込まれっぱなしの状態になる。

個人的にはこれは漫画化したらいいんじゃないかと思っていたら、すでに微妙に漫画化されていたらしい。しかし、これは未完であまり質がよろしくないようだ。最近ジョジョの奇妙な冒険の第1部と第2部のカラー版をKindleで読んでいたということもあり、荒木飛呂彦氏のあの濃い画力で物語を描写されると迫力あるだろうなぁと思った。随所にゴゴゴゴという効果音とともに、異様な光景が繰り広げられるのがぴったりだなぁと。

文章は短く読みやすい。余計な比喩や情景描写も極力少な目で、会話がテンポよく進む。あとはいろんなキャラが出てきてそのキャラがとてもいい味を出しているんだよね。大生部はアル中だし。余談だけど、アル中の状況を知りたい人は同じく中島らも氏の以下の作品もあわせてどうぞ。 いろんな意味で畏怖の念を抱かざるを得ない作品だった。読んでおいて損はないよ。久しぶりに手に汗握ってページが止まらなくなる作品だったから。ということで、買う場合はかならず3巻セットでどうぞ。



中島らも『ガダラの豚』全3巻セット (集英社文庫)
中島らも『ガダラの豚』全3巻セット (集英社文庫) [文庫]
著者:中島 らも
出版:集英社
(2012-02-01)

読むべき人:
  • 呪術的なものが好きな人
  • アフリカに惹かれるものがある人
  • 問答無用で面白い作品を読みたい人
Amazon.co.jpで『中島らも』の他の作品を見る

bana1 アフリカ呪術クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by 蔵前@蔵前トラック   May 13, 2013 08:50

「ガダラの豚」ですか。
懐かしいですね。中学校の時に「アクション」というマンガ雑誌で読んだことを思い出しました。

(マンガもamazonで売られています)
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%83%80%E3%83%A9%E3%81%AE%E8%B1%9A-Action-comics-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B9-%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88/dp/B002DE6QKY/ref=sr_1_6?s=books&ie=UTF8&qid=1368402428&sr=1-6&keywords=%E3%82%AC%E3%83%80%E3%83%A9%E3%81%AE%E8%B1%9A

あと、言い忘れましたが今月ブログを移転いたしました。。

2. Posted by Master@ブログの中の人   May 13, 2013 21:45

>>蔵前@蔵前トラック靴気

マンガで読まれていたとはさすがです

新ブログ、了解しました

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星