June 01, 2013

アンドロイドの夢の羊

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)
アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF) [新書]

キーワード:
 ジョン・スコルジー、SF、羊、宗教、ユーモア
SF小説。以下のようなあらすじとなっている。
地球‐ニドゥ族の貿易交渉の席上で事件がおきた。戦争につながりかねないこの問題の解決のため、ニドゥ族は代償として特別なある「羊」の調達を要求してくる。期限は一週間。凄腕ハッカーの元兵士クリークがこの羊探しを命じられるが、謎の宗教団体に追われ、反ニドゥ勢力の暗殺者に狙われるはめに。そして、ようやく見つけ出した羊の正体とは……。〈老人と宇宙〉シリーズ著者がP・K・ディックに捧げた冒険活劇SF。
(目次から抜粋)
本屋さんの小説の新刊コーナーで以前みつけたとき、このタイトルは!?とまず思った。そのときにはすぐに買わなくて、しばらくどうしようかと思案していた。しかし、やはりこのタイトルとあらすじが気になって、買って読んでみた。

あらすじを簡単に補足しよう。

トカゲのような異星人の二ドゥ族の大使が交渉の場で屁で暗殺されたところから物語が始まる。『屁』はタイピングミスではない。あの匂いのあるガスだ!!wそこからそのニドゥ族の補填の要求として、「アンドロイドの夢」という品種の羊を探してくることを地球政府に要求する。その羊がニドゥ族の覇権争いの儀式を完遂するために必要であるからだ。羊を受け渡せない場合は、圧倒的な軍事力を持つニドゥ族との戦争になり、地球の危機となる!!

主人公、ハリー・クリークは高校卒業時にはMITなどからスカウトが来るほどの凄腕ハッカーだが、ある犯罪の司法取引で軍隊に入隊する。そして除隊後、地球の各異星人の大使館に赴き、悪い知らせを運ぶ仕事に就いている。国務長官の友人から1週間で絶滅しかけているこの品種の羊を探し出してくれと頼まれて、その羊を追い求め、地球、ニドゥ族の惑星をまたいだ主人公の冒険活劇が始まる!!というお話。

この作品の元ネタのタイトルは、SF好きなら大体は知っているあの作品。しかし、本作ではオマージュとしてタイトルが付けられてはいるが、内容にはほとんど関係がない。羊の品種の説明で、「その昔、文学的な意味があった」というだけだ。本作の世界観は、地球以外にもさまざま種族の惑星が存在し、それらが大銀河連邦に所属している。そしてトカゲのようなニドゥ族や大型で人を捕食できる種族などいろいろとエイリアンが出てくる。そして、主人公が凄腕のハッカーということもあり、電脳空間の描写もそれなりに出てくる。

バトル要素もたくさん出てきて、あまり深い作品ではないのだけど、ハリウッド映画的なエンタメ要素としてはとても面白く思えた。また、登場人物たちのアメリカンなウィットに富んだ会話、屁で暗殺するというユーモアなどがいかにもな感じだった。きっと映画化すれば面白い作品だなと思った。

サイバーパンク的なSF作品にありがちな描写が脳内再生できないようなことはなく、割と読みやすくページがすんなりと進んでいく。560ページ近くの長編なのだけど(主人公は70ページ近くまで全く出てこない)、それほど長さを感じさせずにさくっと読了できると思う。それぞれの登場人物の思惑はちょっとだけ複雑かもしれないけど。

自分の好きな要素がたくさん出てきて、なんとなく買って当たりだったので満足。同著者の「老人と宇宙(そら)」シリーズも評価が割と高いらしいので、気になるので読んでみたい。

本作はハリウッド映画的なSF冒険活劇が好きな人にはお勧めだね。



アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)
アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF) [新書]
著者:ジョン・スコルジー
出版:早川書房
(2012-10-04)

読むべき人:
  • SF冒険活劇が好きな人
  • 凄腕ハッカーに憧れている人
  • アンドロイドと羊に反応した人
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1. 神秘を作り上げる  [ 哲学はなぜ間違うのか? ]   June 06, 2013 21:00

昔の賢人は、物理学も生物学も知らなかったのに、なぜ天変地異や幽霊や地獄や輪廻応報

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