June 09, 2013

みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?

みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?
みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの? [単行本(ソフトカバー)]

キーワード:
 西村佳哲、仕事、働く、生き方、物語
2010年に奈良県立図書情報館で開催された「自分の仕事を考える3日間」という名前のフォーラムの内容が書籍になったもの。以下のような目次となっている。
  1. 地域をつなぐ人・友廣裕一さんの旅の報告を聞く―旅を通じて次の仕事をつくる、という気持ちで
  2. 出版人/ミシマ社代表・三島邦弘さんを自由が丘の一軒家のオフィスに訪ねる―「こんなもんで」と思ったら、「こんなもん」でもいられないと思います
  3. 建築家/Open A代表・馬場正尊さんの出し惜しみのない働きぶりについて―無駄に走ることを厭わない
  4. フェアトレード団体ネパリ・バザーロ代表・土屋春代さんはなんのために国際協力の仕事をしているのか―ともに生きてゆく方法を探して
  5. ソーシャルワーカー/浦河べてるの家理事・向谷地生良さんはなにを大切にして働いてきた?―生きるエネルギーを仕事からもらわない
  6. CAFE MILLETオーナー・隅岡樹里さんを京都・静原の自宅カフェに訪ねる―じぶんの色や形をみつける
  7. 編集者/編集集団140B総監督・江弘毅さんが地域情報紙や祭りを通じて考えてきたことは?―人格的な接触が大切だと思うんです
  8. ファシリテーター/マザーアース・エデュケーション代表・松木正さんのお話をフォーラムでみんなと聴いて―誰かとともにちゃんと「いる」ことで、自己肯定感もあがると思う
  9. 料理人/くずし割烹枝魯枝魯店主・枝國栄一さんにとって料理の仕事とは―生きることは、死なないようにすることです
(目次から抜粋)
前作が2009年に実施された内容で、今作は2作目。イベントページは以下。前作の本は以下。基本的なスタンスは前作と変わらず、「どんなふうに働いて、生きてゆくの?」と著者が各業界で活躍する人に尋ね、インタビューをしている内容となる。
 でも、同じ時代を生きている他の人たちが、どんなことを感じたり考えながら、働いて、生きているのかは聞いてみたい。どんなしんどさや、どんな嬉しさととともにいるのか。そしてその言葉に触れた時、自分の中から浮かび上がってくるものを識りたい。またそれによって照らし出されるものを、よく見てみたい。
(pp.32)
インタビューされる人たちの業種、業界は様々。普通の会社員という人はおらず、独立していたり、自分で起業していたり、お店を持っていたりする人がほとんど。そういう人たちの、そこまでに至る経緯、そして仕事で何を大切にしているのだろうか?ということが著者のインタビューを通して分かるのがよい。

インタビューされるそれぞれの人たちは、きっとその業界では有名な人なんだろうなと思う。しかし、僕はそんなに他の業界のことをそんなに知っているわけではないので、ほとんど知らない人ばかり。ただ、その分どこかの大企業の社長というような誰でも知っている有名人ではない代わりに、それぞれの人の仕事観などを先入観なく自然な形で受け入れられたと思う。

僕と同じように成り行きでその仕事をしている人、どうしてもやりたいと思ってその仕事を始めた人など様々。どの人たちも最初からすんなり仕事がうまくいっているわけではない。うまくいかない部分やしんどい時期もそれなりにあるようだ。

たまたま僕は大学で学んだことを活かすというただそれだけの理由でSEを仕事として今までやってきたのだけど、他の人は何を動機として別の職種、仕事をやっているのだろうか?ということにわりと関心があったりする。世の中に星の数ほどの職種があるなか、なぜそこに至ったのか?何がきっかけだったのだろうか?ということを知るには、著者のようにインタビューする以外にこのような本を読むしかなく、そしてそれが分かって興味深く読めた。

一ヶ所なるほどと思う内容があった。ファシリテーターでカウンセラーの仕事もしているマザーアース・エデュケーション代表・松木正氏の以下の言葉。
 カウンセラーとして人の話を聴いている時、「ああ。人って、物語を生きてんねんな」って感じるんです。他人が示した条件に応えようとして生きてきた物語って、これ主役誰でしょうね?母親の顔を見ながらそれに応えようとしてきたとしたら、主体は母親で、子どもは客体化されている。自分の人生やから、ほんまは自分が主人公のはずやのに、母親の物語の中に取り込まれてる感じです。自己肯定というのは、「自分は自分の物語の主人公でいいんや」って、ちゃんと主体になれることかもしれん。そのことを認められる感じかもしれない。
 だけどこれって、人との関わり合いがないと出来ひんわけです。存在そのものを大事にしてもらえる感覚の中で、自己肯定感は育ってゆくんだと思う。
(pp.207)
昔は自己肯定感があまりにも低くて自分の存在義を自問自答してしまうときもあった。今はそれほどではないのだけど、それでもまだ低いことは自覚している。そして松木氏の示すような自分の物語の主人公でいいんだという感覚を以前から意識していた。それでも自分の物語がどういう方向に転じるのかは、自分でもよく分からない。バッドエンドにだけならないようにはしたいけどね。

何のために働くのだろう?と考えるときに、自分自身のことを考えつつも、他の人がどういう経緯で働いて生きてきたのだろうか?ということを知るのはとても参考になる。基本的に同時並行でできる仕事はそんなに多くはないし、一生のうちに従事できる職種も限られている。そしてこれからどうやって働いていくべきか?ということを考えるのにはとてもよいね。もちろん、それぞれの読者に対する答えなどどこにも書いてないけどね。

同著者の以下の本も参考に。

みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?
みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの? [単行本(ソフトカバー)]
著者:西村佳哲
出版:弘文堂
(2010-12-01)

読むべき人:
  • 転職しようかと思っている人
  • 就職活動中の人
  • 働き方、生き方を考えたい人
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