February 27, 2014

情熱プログラマー

キーワード:
 Chad Fowler、プログラマー、情熱、キャリア、生き方
プログラマー向けのキャリア論。目次はちゃんと出版社のページに全部載っていたので、リンク先を参照と(オーム社は目次の重要性をちゃんとわかっていて、いいね!)。本書の概要が「イントロダクション」に示されていたので、そこを引用しておく。
 この本は自分のキャリアにおいて充足感と幸福感を得るためのものである。充足感と幸福感は偶然に得られるわけではない。間違いを犯したときに進路を変えるためには、思索、意思、行動、そしてやる気が必要だ。この本はソフトウェア開発におけるキャリアで(したがって人生で)根本的に成功を収めるための戦略を提示する。
(pp.xiii)
著者の経歴はちょっと変わっていて、当初は音楽大学でサックスを学んでおり、ジャズプレイヤーであるミュージシャンであった。あるとき、ゲームをやりたくてプログラミングを独学し、本格的にソフトウェア工学、プログラミングを学んでいる友人からいろいろと教えてもらいながらソフトウェア開発会社に就職する。そしてアメリカ以外にもインドのバンガロールなどでも働き、プログラマーだけではなくプロマネ的な立場にもなっている。そんな著者によって、情熱的に働くことの重要性がわかりやすく、かつ具体的な内容で示されている。

率直な感想を言えば、もっと早く読みたかったぞ!!というような内容だった。ある程度仕事をしていると行き当たる壁というか、陥りがちな考え方とそのアンチパターンのようなものが示されている。読んでいるとなんというか、耳が痛いことが多く書いてあって、線をひきまくった。

その線を引いた部分をちょっと多めに引用しておきたい。
  • ビジネスの分野における経験は、自分のレパートリーのなかでも重要な部分だと考えるべきだ。(「3 コーディングはもう武器にはならない」pp.9 )
  • 機会を与えられるだって!そんなの僕だってなかったよ!僕は学ぶ機会を自分でつかまえたんだ。(「5 自分の知性に投資しよう」pp.17 )
  • 君の目標が解雇やオフショアの嵐の中で最後まで生き残ることなら、自分自身の汎用性を高めておいたほうがいい。(プラットフォームの垣根を越えたスキルを身に付けろ)(「7 万能選手になろう」pp.24-25 )
  • 自分の仕事で秀でた存在になりたければ、自分の仕事に情熱を注がないとだめだ。(「10 愛せよ、さもなくば捨てよ」pp.32 )
  • まずは仕事で使うツールについて勉強しよう。(教えてくれるのを待つな。自分から訊け!)(「11 魚の釣り方を学ぶ」pp.40 )
  • ビジネスの仕組みを知りもしないで、ビジネスが利益を上げるために想像力を働かせて協力できるだろうか?(「12 ビジネスの仕組みを学ぶ」pp.43 )
  • これからも品質という基準で戦うつもりなら、実務で練習するという考え方は捨てなければいけない。自分の技術に対して時間を投資しなければ。(「15 一に練習、二に練習」pp.50)
  • 顧客の要求以上の対応をしたり要求する前に対応を済ませたりすれば、顧客は満足どころか大喜びだろう。(「20 読唇術」pp.70 )
  • 自分の功績を認めてもらいたいなら、まずマネージャから評価されないといけない。(「22 誰のために働いているのか思い出す」pp.75 )
  • 彼は並の働きしかしないし、態度もよくない。たとえ高い可能性を秘めていても、それが何だっていうんだ?現時点でそれを発揮していないじゃないか。(「23 今の職務を全力で」pp.76 )
  • ヒーローはあわてない(「31 あわてるな」pp. 99)
  • 君は他人の評価を気にすべきだ。認識されたものこそ現実なんだ。このことを受け入れよう。(業績の客観的な評価なんてありえない)(「33 弱点が違えば認識も異なる」pp.112 )
  • 顧客はビジネスのニーズを主張し、君は報酬をもらってニーズを満たすんだ。このことを忘れちゃいけない(「34 アドベンチャーツアーガイド」pp.115 )
  • 君の短期的なキャリア目標がレベル23のプログラマからレベル24のプログラマアナリストになることだとしても、プログラマとして次の昇進や現在の職場といった枠を超えて考えることも必要だ。(「39 業界で名前を売ろう」pp.126 )
  • 自分はプログラマ(あるいは設計者、テスター)だっていうアイデンティティにこだわるな。(「45 君は既に職を失っている」pp.145)
  • 君のキャリアにとって本当に重要なのは昇進でも昇給でもない。重要なのは、そういう成果を得るために努力した時間だ。もっと重要なのは、そういう成果と関係ないところで努力した時間だ。(「46 終わりのない道」pp.147 )
  • 大きな目標を立てたら、それを常に見直すようにしよう。経験から学び、進みながら目標を変更していこう。(「51 ウォーターフォール式のキャリア計画はやめよう」pp.161 )
仕事でうまくいってなかったりして、評価が微妙だったりすることもある。そういうときは、なんで評価されないんだ?とかプロマネがダメなやつなんだよとか、技術領域がそもそも自分の得意分野ではなかったとか、対象業務分野が自分の経験のあるものではないしなとか、自分の技術レベルではこのままではジリ貧になるなとか、そもそもこの仕事はまったく面白くないし、しんどいだけだから転職しようかなとか考えたことのある人は(もちろん全部考えたことあるぞ!!w)、ぜひ読んでみたほうがよい。

それらの考えは誰もが陥りがちな罠みたいなもので、それらに対するヒントが示されている。こういうのは、誰かに指摘されるまで気づかなかったりする。たとえ指摘されても、そんなわけあるかと直視(客観視)できなかったりするしね。そういうときに、自分で気づけるかが重要で、本書は嫌でも気づかされる。そして、自分のこれまでを反省せざるを得ない。

もちろん、反省しっぱなしで終わらずに、熱い気持ちにさせてくれるのが本書のよいところ。若干自己啓発的な感じではあるけど、ソフトウェ開発者のために具体的に示されているので、書店の自己啓発本コーナーに並んでいる微妙な自己啓発本よりも断然によい。ある程度プログラマーなどの技術職を経験したことがある人は、あるあると、経験則的に納得したりできる部分は多いと思う。

結局、今までの自分に圧倒的に足りなかったものは、技術力ではなく、『情熱』なんだということがよくわかった。そして、まだこの仕事で勝負してみたいと思ったから、格ゲーで負けた時に出てくる10カウント中にコンティニューボタンを押すように、再チャレンジしていきたいと思った。そんなこんなで、最近はずっと放置していたJavaの強化トレーニング中だ。

炭火のように静かに熱く火をつけてくれるような本だった。何度も定期的に繰り返して読みたい1冊。




読むべき人:
  • 自分のキャリアについて考えたい人
  • プログラマー、SEを辞めようかと思った人
  • 情熱的に生きたい人
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