June 24, 2014

臆病者のための億万長者入門

キーワード:
 橘玲、資産運用、株、不動産、金融リテラシー
作家による保守的な資産運用指南書。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 資産運用を始める前に知っておきたい大切なこと
  2. 第2章 「金融の常識」にダマされないために
  3. 第3章 臆病者のための株式投資法
  4. 第4章 為替の不思議を理解する
  5. 第5章 「マイホーム」という不動産投資
  6. 第6章 アベノミクスと日本の未来
  7. 終章 ゆっくり考えることのできるひとだけが資産運用に成功する
(目次から抜粋)
国勢調査によると日本では全世帯の約5%(20世帯に1世帯)が資産1億円を保有するミリオネアらしく、そんな日本にいるのだから、「誰でも億万長者になれる」可能性がある。ただし、アクティブに投資して短気で収益を上げるのではなく、かなり保守的に20年以上の年月をかけて保有する資産を増やすようなやり方で。その基本的な考え方が、株、不動産、保険、為替などの観点から、さらにアベノミクスまでに広げられて分かりやすく解説されている。

本書は以下の本の続編的な位置づけらしい。こっちは株式投資に焦点があてられている。これを読んだのが大体6年前で、そのときは結局株をやらないという結論に至った。それから6年たって、そろそろ金融的な知識もある程度ついたし、真面目に資産運用を考えようと思っていて、株も始めたちょうど良いタイミングで本書が売られていたので買った。買って読んでよかった。これから大きく損をするようなことは回避できたはずなので。

まずはお金持ちになるための方法が以下の3つとして示されている。
  1. 収入を増やす
  2. 支出を減らす
  3. 資産を上手に運用する
これらを「お金持ちの方程式」としてあらわすと以下のようになるらしい。

総資産 = 収入 – 支出 + (資産 × 運用利回り)

そして以下のように示されている。
 収入を増やすもっとも確実な方法は「勤労」だ。支出を減らすには「倹約」をこころがければいい。上手な資産運用とはいたずらに浮利を追うことではなく、いかがわしい金融商品にだまされず、将来の経済的な変動に備えてリスクを管理した確実な運用をする「賢い投資家」になることだ。
(pp.22)
つまり金融リテラシーをちゃんと身に付けるということが重要であるようだ。なので、宝くじを買うような人は金融リテラシーがないと言っていい。なぜなら、期待値(確率)の計算ができず、他人を儲けさせるためにお金を出しているのだから。つまり、宝くじというのは『愚か者に課せられた税金』と呼ばれるようだ。まぁ、賢者と名乗っているくらいだから宝くじなんか買ったことありませんよとwwそれでも本書のあとがきでは、宝くじを買ってくれる愚か者がもたらす収益によって、公共事業や社会保障に使われてみんなに還元されているから感謝しようと示されていて、なるほどと思った。

さらに保険は宝くじより割の悪いギャンブルであるとあり、加入者は生命保険から「安心」を手に入れる代償として、高い経費を負担している。そのため、別の方法で安心が確保できれば、無駄な保険は真っ先に解約すべきとある。詳細は本書でご確認を。これを機会に自分の毎月払っている年金積立型の保険の見直しも検討しよう。

最近株を始めたこともあって、3章がとても勉強になった。経済学的には「株価は確率的にしか予想できない」ので、絶対上がる株価など特定不可能であるので、個別銘柄を選択するよりも世界の株式市場をまるごと買ってしまうのが合理的と。つまり、世界株ETF、具体的には東証の「上場インデックスファンド世界株式(1554)」を買うのがよいと。これは実践してみようと思う。

あとは不動産投資の部分がとても勉強になった。『「マイホームと賃貸、どちらが得か」に決着をつける』という節タイトルが示されている。結論だけ簡単に示すと、ローンを組んで得られる住居は、同じだけ借金して株式に投資して得た利回りを賃貸に当てはめれば、同じような家に住める可能性があるということ。つまり、家計のバランスシートから考えると、マイホームの購入というのはレバレッジをかけた不動産投資で、それは株式の信用取引やFXと変わらないらしい。そして所有の場合は、震災や隣人がカルト団体だったり、地価が暴落したりするというリスクをすべて自分で負わなければならないということになる。ここも詳細は本書を一読することをお勧めする。

ということで、僕は、マイホームはローンを組んで買うという選択肢を完全に捨てることにした。(そもそも持病のせいでローン審査に必要な団体信用生命保険に入れないかもしれず、ローン組めない可能性大だし・・・)まぁ、賃貸でいいよ。気軽に転々とできるほうがいいし、ローン払い続けられるほど働き続けられるかもわからないのだし、個人的にはマイホーム購入というのは株よりもギャンブルじみた話だなと。

最後に資産運用の4つの原則を引用しておこう。
  • 1. 確実に儲かる話はあなたのところには絶対来ない
  • 2. 誰も他人のお金のことを真剣に考えたりしない
  • 3. 誰も本当のことを教えてはくれない
  • 4. 自分の資産は自分で守るしかない
なので、うまい話、つまり「金融機関が熱心に勧誘するウマそうな話」などはすべて無視するべきとあった。『臆病者』とタイトルについているのは、このように保守的になって時間をかけて資産を築いていこうという意図が込められているようだ。

著者の本をたくさん読んでいるなら読む必要がなさそうだけど、あまり読んだことない人、資産運用を真面目に考えている人は絶対読んだほうがいい。どこまで本当かは自分で考えなくてはいけないのだけどね。




読むべき人:
  • 資産運用を考えている人
  • マイホーム購入を検討している人
  • 金融リテラシーを身に付けたい人
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