August 17, 2014

ミッキーマウスの憂鬱

キーワード:
 松岡圭祐、ディズニー、青春、舞台裏、仕事
夢の国、ディズニーランドが舞台の青春小説。以下のようなあらすじとなっている。
東京ディズニーランドでアルバイトすることになった21歳の若者。友情、トラブル、恋愛……。様々な出来事を通じ、裏方の意義や誇りに目覚めていく。秘密のベールに包まれた巨大テーマパークの〈バックステージ〉を描いた、史上初のディズニーランド青春成長小説。登場人物たちと一緒に働いている気分を味わってみて下さい。そこには、楽しく、爽快な青春のドラマがあるはずです。
(カバーの裏から抜粋)
冒頭からどうでもいい話なのだけど、先月の3連休に家族と25年ぶりにディズニーランドに行った。ディズニー、ふーんって感じだったのだけど、行ってみて夢と魔法の国にしっかり影響されてしまっているような自分がいる気がした。そして、新潮社の夏の文庫フェアにこの作品があったので、読んでみたわけだ。

主人公は準社員としてオリエンタルワールド(作中はこの企業名)が運営するディズニーランドに美装部としてなんとか採用される。そこでの仕事はキャストに着ぐるみを着付けしたり、壊れた部分を補正したりする。しかし、主人公はもっと華やかな仕事を想像していたらしく、仕事に不満を持っていたり、なんでも思ったことを口にしたり、他の部署の仕事に余計なことを言ったりし、空気の読めない若干痛い存在で、正社員からも疎まれたりする。キャストとして働く間にさまざまな事件が起きたりして、主人公がディズニーランドの舞台裏で3日奮闘するお話。

半分くらいまで主人公に共感するどころか、いらっとさせられるキャラ設定となっている。それはもちろん、作者による意図的なもので、キャラがしっかり立っていると言える。

そして、やはり世界観が実在のディズニーランドがモデルということもあって、一度でも行ったことがある人はその舞台を想像しやすいだろう。あと、舞台裏的な話としては、ウエスタンリバー鉄道の近くに見えにくいところにキャストが移動する道があり、鉄道の乗客から見えないように信号待ちする必要があるとか、クラブ33というVIPルームがあるとか。また、実際に存在しない部署、調査部といった設定も出てくる。そういう実在の設定と虚構の織り交ぜられた世界観などを読み解いていくのもディズニーファンなら楽しめると思う。

あとは、主人公を通して、夢と魔法の国を維持していく人たちの舞台裏についてのお仕事論的な小説としても読める。主人公はゲストとしてディズニーにあこがれを抱いたことがきっかけで働きたいと思い、そこからキャストの立場になるのだけど、そのキャストの苦労やキャスト同士の人間関係的な話など、いろいろと興味深く読めた。

さらには事件が発生したりして、それを主人公ともう一人準社員の少女と一緒に奮闘していくというのもよくて、思ったより没頭して楽しめた。ディズニーに行った後だからなおさらかな。

実際にディズニー行ったときに、キャストの人たちはいろいろと大変だろうなぁと思った。また、夢と魔法の国と言ってもいろいろとあるんだよねぇ。あと、ディズニー行ってから改めてこのCM見ると、ディズニーってまさにこんな感じだよなと思った。このCMが流れ始めたころは、なんだこのリア充的な世界観は!!と思っていたのだけどw



おっと、最後に一番大事なことを示しておこう。
この物語はフィクションです。
実在の団体名、個人名、事件とは全く関係ありません。
その為、実在しない名称、既に廃止された名称等が含まれています。
(pp.269)
作中にミッキーを演じる人が出てくるのだけど、もちろん、中の人などいない!!w

siro




読むべき人:
  • ディズニーランドが好きな人
  • キャストとして働いてみたい人
  • 自分の仕事について考えたい人
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夢と魔法の王国・ディズニーランドの裏側を描いた、おそらく初めての小説「ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)」 よくこれを、オリエンタルランドが許したな、って思います。もし、この話に少しでも真実がまざっているなら、夢と魔法の王国の裏側は、けっこう恐ろしいところで

コメント一覧

1. Posted by 高橋   August 21, 2014 16:40

5
突然のコメント、失礼いたします。

初めまして。
書評コミュニティサイト「本が好き!」を運営しております、高橋と申します。

ただ今、Masterさんの書評を楽しく拝読させていただきました。
特に<ミッキーマウスの憂鬱>は家にあるのに、なぜか読んでいない本の一つでして・・・
読んでみよう!と、ようやく思うことができました。
ありがとうございます!

話がそれてしまいましたが、
今回は、ぜひ私どものサイトにも書評を投稿していただきたい!!
と思いコメントをいたしました。

「本が好き!」には10万件以上(7割は400字以上の長文)の書評が投稿されております。
文学からビジネス、洋書までジャンルも様々です。
そして書評家さんの間の交流も盛んです。

私どものサイトを通じて、Masterさんに、
趣味の合う方や思いもよらない素敵な本との出会いを提供させていただくことができたらと思っております。

お時間のあるときで構いませんので、一度サイトの方にお越しいただけると幸いです。

不明な点などありましたらお気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。


【URL】http://www.honzuki.jp/sp/2011/honzukilp/index.html
【連絡先】
info@honzuki.jp

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