December 24, 2014

百年の孤独

キーワード:
 ガルシア=マルケス、幻想、歴史、孤独、陶酔
ノーベル賞作家による幻想小説。

本書について書こうとすると、一筋縄とはいかない。本書の解説担当者も、一体どういう「解説」が可能なのか、途方に暮れると示している。なので、まずは同名の焼酎から語ることにする。

焼酎の「百年の孤独」は、宮崎県の酒造メーカー、黒木本店によって生産されており、店主が本作品に惚れ込んで名前を付けたらしい。いわゆるプレミアム焼酎の分類で、定価2,900円ほどのものが定価で購入することは難しく、ネット上の販売価格を見ると大体8,000円前後となっている。居酒屋などで飲もうとすると、1杯800〜1,000円ほどになる。

アルコール度数が40度でウイスキーのような洋酒に近いといろいろと書かれている。実際に居酒屋で2回ほど飲んだことがある(直近だとこれを読んでいる途中に1回)が、個人的にはズブロッカの癖のある草っぽさを緩和したような味で焼酎っぽくはなく、ウォッカが好きなので個人的には好きな味だった。

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ちなみに、この焼酎を定価で購入する方法がある。以下にまとめられたページがあるので参考に。飲みの席などで『百年の孤独』がメニューにあった時に、これはノーベル賞作家であるガルシア=マルケス(今年2014年に逝去)が書いた同名の小説が元ネタなんだよと、薀蓄を語るときが来るかもしれない。そんな時のために、備忘録もかねて書いておこう。この作品を一言で説明すると、コロンビアに架空の都市『マコンド』が作られて、そこでブエンティア家が100年にわたって世代を重ねながら、様々な事件やイベントが発生し、最後にはマコンドが消滅するまでのお話。

もちろん、改行がほとんどなく、びっしりと書き込まれた480ページ近くの重厚な作品を一言で示すのは無理がある。100年の間に、マコンドができた当初の様子、そこで幽霊が出てきたり、雨が3年間やまなかったり、物体を動かす超能力を持つ人間がいたり、大食い競争をやったり、鉄道が近くで敷かれたり、革命のようは戦争が起こったり、美しい少女に見とれて足を滑らせて死んだ人間がいたり、いろいろと情事もたくさん発生している。それらのエピソードを挙げていくときりがない。

しかも、ホセ・アルカディオ・ブエンディアをはじめとして、アルカディオ、アウレリャノなど世代間で名前を継承しているので、誰が誰だかわからなくなってくる。心情描写もあまりなく、途中の数々のエピソードや長い文章で、改行がない状況が続くと、自分自身がこの物語に埋没していくような、そんな不思議な体験をする。読んでいてもよくも悪くもまったく内容が頭に入ってこないこともときどきあるが、振り返ってみると、確かに自分もそこにいてぼんやりと神の視点でマコンドの様子を俯瞰的にずっと見ていた、そんな感覚が確かに残る。

この作品を最初に読んだのは今から10年ほど前の大学生のころだった。大学の図書館に置いてあって、確か2chの文学スレか何かを見てから、この作品の存在を知り、試に読んでみることにした。そのときは、大学の図書館で少しずつ読んでいたのだけど、その本は2段組みでフォントが小さく、今ほど読書経験が多くなかったので、まったく頭に入ってこず、強烈な睡眠薬のようでもあった。それでも精神修行だと思って、表面の字面だけを追って、最後数十ページと言うところで、結局挫折した。

それから社会人になって、改訳版が出版されているのを書店で見かけて買って、5年近く積んでいた。そしてようやく今年の夏ごろから少しずつ読んでみた。やはり読みやすいとは言い難い小説で、1日で物語の区切りとなる20ページぐらいずつしか読めなかった。読んでいても、途中で自分が物語に置いてかれ、10年前と同じように睡魔に襲われることもしばしば。それでもなんとか最後まで読了できた。内容の詳細についてはあまり頭に残っていないのだけど。

それでも、この作品を読むというのはとても贅沢な行為なんだと思った。ネットが発達し、読みやすくて短いネット、スマフォ的な文章がインスタントに好んで消費され、人々が読書をしなくなったと特集番組が放送されるような時代に、こんなに読了するまでに時間がかなりかかる傑作を悠長に読むのだから。時間的にも精神的にも余裕がないとまず無理だなと(ついでに値段的にも。また、図書館で借りたとしても、貸出期間2週間とかで読了は難しい)。

さらには1度読んだだけでは完全に頭に入ってこないので、また後で再読した時もきっと新鮮な状態で読めることだろう。また10年後に読み返したい1冊だな。そのときは、焼酎を手元に飲みながら、幻想的な物語と酒とを同時に陶酔したいものだ。



百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
ガブリエル ガルシア=マルケス
新潮社
2006-12

読むべき人:
  • 幻想的な小説が読みたい人
  • 焼酎が好きな人
  • 贅沢な読書体験をしたい人
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