September 23, 2015

お菓子とビール

キーワード:
 サマセット・モーム、伝記、小説家、奔放、愉悦
サマセット・モームの小説。以下のようなあらすじとなっている。
亡くなった文豪の伝記執筆を託された友人から、文豪の無名時代の情報提供を依頼された語り手の頭に蘇る、文豪と、そしてその最初の妻と過ごした日々の楽しい思い出…。『人間の絆』『月と六ペンス』と並ぶモーム(一八七四‐一九六五)円熟期の代表作。一九三〇年刊。
(カバーのそでから抜粋)
丸善の文庫コーナーでビールが飲みたくなる本として置かれていて、気になったので買って読んだ。ちなみに原題は『CAKES AND ALE』。ALEは簡単に言えばイギリスの伝統的なビール醸造方法だね。あらすじを簡単に補足すると、主人公のアシェンデンは冒頭ではもう50歳を過ぎていて、小説家として一定の評価を得ているらしい。そこで友人で作家のアルロイ・キアから電話をもらい、ドリッフィールドという作家の伝記を書くことになったので、アシェンデンに情報提供に協力してくれという依頼だった。

というのも、主人公アシェンデンはイギリスの地方、ブラックスタブルで15歳のときにその文豪ドリッフィールドに出会っており、そのときからドリッフィールドの妻、ロウジーとも親しかったといういきさつがある。そして、ドリッフィールド夫妻との何気ない生活の回想が始まる。

一言で言うと、大人な作品だなと思った。別に官能的な情事が赤裸々に描写されているというものではなく、登場人物が最後にはみなよい歳になって、人間関係について、人生について改めて晩年に振り返っているような感じだった。

文豪の妻であるロウジーは、主人公が15歳くらいのときは何とも思わなかったのだけど、主人公が20歳を超えたあたりから美しく感じたらしい。そのときロウジーは40歳くらいだろうけど、そこから主人公との関係があったり、結局文豪と離婚して金持ちの別の男と結婚してアメリカに行ったりと奔放な感じがした。奔放だがどこか憎めない描写となっているが、それでも個人的にはそういうのは若干受け入れられないタイプだなと思った。

解説によれば、ロウジーはスー・ジョーンズという駆け出しの舞台女優がモデルらしく、モームが本気で結婚しようとしていた相手らしい。そのため、モーム自身本書が一番好きな作品と言っていたらしい。また、タイトルになっている『お菓子とビール』はシェイクスピアの『十二夜』などにある句で、「人生を楽しくするもの」、「人生の愉悦」を意味しているらしい。作品中には別にお菓子とビールそのものはあまり出てこなかったので、丸善のもくろみは若干外れたわけだ。

モームの作品は以下2つは読んだ。両方とも感情を揺さぶられて衝撃を受けるようなスゴ本であったのだけど、「お菓子とビール」はそういうものがあまりなく、ゆったりと田舎の田園風景を列車の車窓から眺めているような、そんな落ち着いた作品だった。ある程度もっと歳を重ねてみると本書のよさがわかるのかもしれないので、そのときにまた読み返したい。



おまけ

たまたま今日は以下の日本全国の地ビールが飲めるイベントに行ってきた。

けやきひろば ビール祭り さいたま新都心

原題に沿ってエールビールを選択した。ブルーマスターという福岡の地ビール。

THE BREWMASTER 公式サイト

brewmaster_re

ラガービールと一味違った、透き通るようなのど越しで上品な味でおいしかった。ちなみにこれは小カップ210mlで300円と安い。来春もイベントがあるらしいので、また行きたい。



お菓子とビール (岩波文庫)
モーム
岩波書店
2011-07-16

読むべき人:
  • 落ち着いた小説を読みたい人
  • エールビールが好きな人
  • 人間関係を振り返りたい人
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コメント一覧

1. Posted by 管理人   September 27, 2015 14:01

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