December 13, 2015

ワーク・シフト

キーワード:
 リンダ・グラットン、変化、働き方、コミュニティ、未来予想
近未来の働き方について示されている本。以下のような目次となっている。
  1. プロローグ 働き方の未来は今日始まる
  2. 序章 働き方の未来を予測する
  3. 第1章 未来を形づくる五つの要因
  4. 第2章 いつも時間に追われ続ける未来―三分刻みの世界がやって来る
  5. 第3章 孤独にさいなまれる未来―人とのつながりが断ち切られる
  6. 第4章 繁栄から締め出される未来―新しい貧困層が生まれる
  7. 第5章 コ・クリエーションの未来―みんなの力で大きな仕事をやり遂げる
  8. 第6章 積極的に社会と関わる未来―共感とバランスのある人生を送る
  9. 第7章 ミニ起業家が活躍する未来―創造的な人生を切り開く
  10. 第8章 第一のシフト―ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
  11. 第9章 第二のシフト―孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
  12. 第10章 第三のシフト―大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
  13. エピローグ 未来のために知っておくべきこと
(目次から抜粋)
本書が書かれたのは2012年ともう3年前である。2012年の当時に2025年の生活環境がどう変わって、それに伴って働き方をどのように変えていくべきなのか?という未来予想とともにいろいろと示されている。Kindle版が安かったので、Kindle版を買って読んだ。

世界のグローバル化がより進み、家族の形態も変わり、それぞれが別の国に住んだりするようになり、高度IT化も進むので、働き方や生き方について以下の3つの点でシフトさせるべきとある。
  1. ゼネラリストになるのではなくスペシャリストとして、専門技能の習熟に土台を置くキャリアを意識的に築くこと
  2. せわしなく時間に終われる生活を脱却しても必ずしも孤独を味わうわけでもなく、いろいろな分野の人が集まるコミュニティなどに所属して緩い人間関係を構築して協業すること
  3. すべての時間やエネルギーを仕事に吸い取られて、消費をひたすら追求する人生を脱却し、情熱的になにかを生み出したりやりがいを味わえてバランスのとれた働き方、人生に転換すること
大雑把にまとめるとこのようになる。僕自身、働き方そのものを根本的にそろそろ変えなければいろいろと破綻したり消耗するだけの人生に終わってしまうという危機感があったので、これらの提言は参考になった。いくつか本当にそうか?と思う部分もあるけれど。

第1のシフトについては、確かに世の中スペシャリストになるべきと言う傾向はあるかもしれないけど、スペシャリストの職がIT化がどんどん進むと消えてしまうというリスクも考慮しなくてはいけないし、必ずしも専門分野を絞りすぎない方がいろんな可能性もあるのではないか?とも思う。もちろん複数分野を同時にやっていくと仕事で使えるほどのものにはならないので、ある程度絞る必要はあるけど。2つくらいなら戦士+魔法使い=魔法戦士、みたいな組み合わせで違う方向性にも可能性が広がるとも思う。もちろん同時にやるより1つずつやったほうがいいかもだけど。

第2のシフトで自己再生のコミュニティの重要性が示されている。SNSの発展などネット上でつながりはあってもどこか孤独に陥ってしまいがちになると。そのためリアルでの人間関係が重要であると。これについて言及されているところを抜粋。
 この点で重要性を増すのが「自己再生のコミュニティ」だ。この種の人的ネットワークは、バーチャル空間の人間関係でないという点でビッグアイデア・クラウドと異なり、自分と同様の専門技能の持ち主で構成されるわけではないという点でボッセとも異なる。自己再生のコミュニティのメンバーとは、現実の世界で頻繁に会い、一緒に食事をしたり、冗談を言って笑い合ったり、プライベートなことを語り合ったりして、くつろいで時間を過ごす。生活の質を高め、心の幸福を感じるために、このような人間関係が重要になる。
(pp.309)
これは最近特に重要だなと実感する。休職中だと基本的に人に会う機会がなく、家で1人で過ごしたりすることが多く、どうしても孤独を感じてしまうが、リアルで会える友人たちがいるので、週1回は最低でも会って食事をしたり飲んだりして精神的な健全を保てている。その友人たちというのは、高校、大学という半自動で形成される人だけではなく、社会人になって意識的に築いた人間関係の人たちが多い。

例えば、僕が主催者の1人である同学年の集まりである83年会などでは、月1回必ず主要メンバーと会っている。今年は各自の仕事の分野などをメンバーに紹介したりするという勉強会を月1回継続してやってきた。これは結果的に8年前くらいの25歳の時にこの会を作っておいて本当によかったと思う。メンバーのバックグラウンドも多様なので知らない世界を知ることができたりととても刺激になる。ちなみに同学年(1983年4月〜1984年3月生まれ)の新規メンバーは常時募集なので、参加してみたい人はよかったら左のサイドバーのメールアドレスにどうぞ。

あとはスゴ本オフ(Book Talk Cafe)など、仕事とは関係ない趣味系のコミュニティに属するのもよい。そこから人間関係も広がっていくし、やはり楽しいと思うし。社会人になると人間関係が仕事関係とかこれまでの学友などで固定化しがちになってしまう。新しい人間関係を意識的に築くのは億劫だし、人見知りが激しかったりするといろいろ大変だけど、一歩踏み出していそういうコミュニティに行って見ればよい経験になると思うし、人生が好転するかもしれない。

第3のシフトについては過労気味ではダメなので好きなこと、情熱を持てる分野の仕事をしようというようなことが示されているのは納得できた。まだ好きなことを仕事にはできていないので、これはそろそろ意識的にシフトしていく予定。とはいえ、好きなことを仕事にしないほうがいいという説もあるけど、とりあえず自分が試にやって見ないことには何とも言えない。少なくともまったく興味のない金融システムとかバッチでデータを右から左へ流すだけのシステムを作ったりするのは嫌になってきたので、転職することにした。

キャリアについて意識的に変えていけるところは変えた方がいいのは言うまでもない。しかし、自分自身や世界の未来について確実に何がどうなるか?は誰にもわからないし、自分が予定していたキャリアを順調に進めることもないだろうと思う。運とか偶然の要素に大分左右されるのが常だし。ある程度の方向性を確定してから、柔軟にいろいろな状況に対処できるようになっておきたい。あと仕事し過ぎな生き方は勘弁だなと。もちろん、仕事そのものを楽しめればいいのだけどね。

本書の未来予想はどれだけ当たるかはわからないけれど、将来の自分の働き方を考えるきっかけにはよいと思う。ちなみにこの記事投稿時点でKindle版は810円と63%オフになっているのでお買い得なので、ぜひ。




読むべき人:
  • 自分のキャリアを考えたい人
  • 転職しようと思っている人
  • 過労気味で人間関係が希薄だと思っている人
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