December 28, 2015

ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!

キーワード:
 4Gamer.net編集部 / 川上 量生、ゲーム、経営、廃人
4Gamer.netで連載されていた記事が書籍になったもの。本書の内容は以下で読める。簡単に概要を示すと、ドワンゴの川上氏が自分のゲーマー人生の自慢をしたいだけで始まったゲーム関係者などと対談、鼎談している内容となる。

連載の建前上のテーマはゲーマーの戦略性や一定のルール化で思考(試行)しながら最適解を導いてプレイする能力が実社会、例えば会社経営にも通じるところがあるのではないか?というものが設定されているのだけど、連載初期で早くも川上氏によって完全否定されていたりする(笑)。連載途中でも全然テーマとは関係ない話題にもなって、そもそもテーマってなんだっけ?みたいなことになるのだけど、全連載を通関して読んでみると、そのテーマの設定がすごくよかったと思う。

個人的な感想を最初に示しておくと、今年読んだ本の中で一番面白くて、共感できて、そんでかなりマニアックで、そして勉強にもなるスゴ本!!今年の優勝本!!

この連載をリアルタイムでウォッチしていた人にとっては何をいまさら感があるかもしれないけれど、僕は本書の存在を最近まで知らなかった。そんで年末恒例となっている西新宿のブックファーストの書店員が勧める今年の本というようなフェアで本書が置いてあって、買って読んでみたらガチャで超激レアカードを引いたような、そんな感覚w西新宿のブックファーストの店員さんマジ神!!!!

内容がかなり多岐にわたってかつマニアックな内容なので、どこを個別に取り上げるかはすごく迷う本。上に示したリンク先でどういう人が川上氏と対談しているかわかる通り、ドワンゴの身内の人やはてなの伊藤直也氏とか今ではフリージャーナリストとしてテレビコメンテータにもなっている津田大介氏や将棋棋士・谷川浩司氏、SF作家・藤井太洋氏などいろいろな人がゲームプレイ遍歴やビジネスや会社組織やその人の興味関心のあるテーマについて語っている。

連載初期の方はみんなゲーム廃人みたいな人ばかり出てきて、マニアックすぎると思うと同時に、あるあるwwと共感しつつも読める。「Ultima Online(ウルティマオンライン - Wikipedia)」や「Diablo(ディアブロ (ゲーム) - Wikipedia)」にハマってリアルでの生活に支障をきたすくらいとか。川上氏は3日連続で寝ないでぶっ続けでやってやばいと思ってなんとかアンインストールしたらしい。

僕はオンラインゲームをやったことがないけど(絶対ここに出てくるような人のように廃人になるのが目に見えてたからなんとか自重したw)、そういうゲームのはまり方はよくわかる。特に中高時代はダビスタで最強馬生産に明け暮れてたなぁとか(そのために視力と成績がガタ落ちになった!!w)読みながら自分のゲーム遍歴をオーバーラップさせてた。他にもファミコンを買ってもらえなかった人はよりコアでマニアックなPCゲームにはまっていき、ゲームを卒業できずに大人になってダメ人間になるとかなんとかw

ファミコンの懐かしいソフトやオンラインゲーム、ほかにもボードゲーム(そこに将棋も含むからプロ棋士の谷川浩司氏の対談もあり、将棋ソフトと絡めた話も面白い)、カードゲーム、最近のソシャゲについて多岐にわたり、そのゲームリストが最後に載っているのもよい。

僕は1984年生まれで、一応ファミコン世代であるので、リアルタイムでファミコンをやっていた最後当たりの世代になり(おそらく僕の2,3歳下の世代からはスーファミからの世代)、本書に出てくる人たちよりも15歳以上若いので、ファミコンを含めたコンピュータゲームの興隆をリアルタイムで体感してはいないが、その空気は十分に感じることができた。40歳以上のゲームにはまったおっさん世代は絶対懐かしくも興味深く読めるはず。そんで俺にもなんかゲームについてちょっと語らせろ!!みたいな気持ちになれると思うw

また、ドワンゴの経営方針というか、内情が川上氏の視点から語られて、ニコニコ動画とかニコニコ超会議の裏話的な話もとても面白い。ドワンゴ大丈夫か?みたいな感じだけど、何となく結果的にうまくいっていて、それが川上氏の手腕なのか魅力なのか確かなところはわからないが、変だけどスゴイ会社だなと思った。

さらに、川上氏の考え方や持論もとても興味深い。特に激しく同意!!と思った部分は連載初回のテーマのあとからコラム1の最後の部分(ちなみにあとからコラムはWeb連載上にはなく、書籍版のみ収録)。
 ちなみに。連載のこの回のタイトルは「世の中で一番面白いゲームは『現実』」とありますが、本音を言うと現実はクソゲーだと思います。だって「現実のゲーム」は自分ではコントロールできない変数が多すぎて、ほとんど「運ゲー」ですからね。ゲームバランスもなにもあったもんじゃありません。
(pp.28)
ほんこれ!!と日ごろから考えたいたことが同じように明言されていて、一人でうなづいていたのだったwまぁ、クソゲーでどうにもならなくて詰んだら死ぬじゃん、みたいなところはあるし、まだ積んでる状況でもないし、バグってても何とかプレイできるし、先が見えないゲームだから楽しむ余地もたくさんあるじゃないか!?と前向きに考えて生きていきたいと思う。

ゲーマーが経営者となるべき、を体現しているのが、連載の最終回の任天堂の岩田 聡氏の回。ちょうど去年の年末の今頃に公開されており、確か読んだ記憶がある。しかし、岩田氏の書籍化を望まれていないという意向もあってこの回は本書には収録されていない。そしてさらに残念なことに、岩田氏は本書が出版された後の今年7月に若くしてお亡くなりになられてしまった。この回はWeb上でしか読むことはできないので、この回だけでも読んでおく価値はあると思う。経営論としても本書の連載のテーマに一番沿った内容でもあるし。

なんというか、本書の面白さはいろんな要素が含まれまくっていてうまく伝えきれないので、もうゲーマーというかゲーム好きな人はさっさと連載記事を読めばいいんだよ!!みたいな感じ。ゲームにかかわらずWebサービスやコンテンツビジネスをしている人も面白くかつ勉強になることも多い。でもビジネス書のように読むと、内容がマニアックすぎてなんじゃこりゃ!?と面食らうかもしれないwでも経営論というか組織論とかもところどころで論じられていて、そこも勉強になる。

個人的な話をすると、今年はいろいろあって、休職することになり、その間は暇なので久しぶりにゲームの封印を解いて(ゲームよりリアルをプレイしなくちゃと思って自重してたわけだ)PS4を買ってプレイしてみたらやはりゲームは面白いなと思った。あとは東京ゲームショーにも行ってみて、ひと昔前はゲーム業界はもう落ち目だと思っていたけど、全然そんなことはないなと実感した。

自分の今後のキャリアについて考えて、好きなことをやるべきかなと思っていたときに本書を読んで、来年は思いっきりゲーム漬けになろう!!と腹をくくれたわけだ。そんでなんとかゲーム業界に逝こう!!、そしてゲーム廃人になろう!!を来年のテーマとしていきたいと思うww

(゚Д゚)

ちなみに本書の単行本は560ページと分厚く、値段も2000円ほどする。タダで読みたい人はWeb上の記事を読めばいいし、もっと便利にかつあとからコラムも読みたい人はKindle版がよいと思う。Kindle版は1000円以内で買えるし。

とにかく、ゲーム好きな人は絶対読め!!な1冊で、読んでいるだけでニヤニヤできるし、なんというか、昔感じたゲームのときめきみたいなものを思い出せたとても良い本だった。

(追記)
この記事を更新してからちょうど翌日、任天堂の岩田氏の追悼特別記事がアップされてた。本当にスゴイ人だったんだなと思わされる超良記事。そして合掌。




読むべき人:
  • ゲーマー(廃人)の人
  • 経営者の人
  • ゲームを作りたい人
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