January 11, 2016

戦略読書

キーワード:
 三谷宏治、戦略、読書、資源配分、オリジナリティ
戦略的に読書をする方法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. はじめに
  2. 序章 戦略読書のススメ――読書には戦略が必要なのだ
  3. 第1章 読書ポートフォリオ・シフト――セグメント管理で資源配分を変える
  4. 第2章 セグメント別戦略読書――読み方を変えて効率的にリターンを得る
  5. 楽章1 ボクたちは読んだものでできている――私的読書全史
  6. 第3章 発見型読書法――5つの視点で5倍読み取る読め方革命
  7. 第4章 知のオープン化――書斎と本棚と魔法の1冊
  8. 楽章2 みんなと同じ本を読んではいけない――オリジナリティを育てる珠玉の12冊
  9. 終章 知と行のサイクル――読書→思索・行動→発信→スキル
  10. おわりに
  11. 付録 セグメント別ブックガイド――独自の視点と思考をつくるための424冊
(目次から抜粋)
著者はBCGで戦略コンサルタントからキャリアをスタートさせており、あるとき仕事の場で同僚とまったく同じことを言っていることに気づく。それは同じようなビジネス書ばかりを読んでいたからであり、自分自身をコモディティ化させず、オリジナリティを確保するためには、他の人と違う本を読むべきと示されている。そして社会人のどのタイミングで何を重点的に読むとよいかが図解や書評、著者の生い立ちを含めた読書遍歴などを交えてわかりやすく示されている。

本書の目的が端的に示されているところが「おわりに」にあるのでそこを抜粋。
  1. 読者諸氏が自らの読書に「戦略」を持ち込み
  2. そこでスキルと経験を効率よく得て、自己を改造し
  3. 量産機(コモディティ)にならず、オリジナリティのある存在(量産機改造型試作機)になること
    (pp.367)
そのためには、社会人1年目はビジネス書(自分の専門分野)を1年で100冊読み、2〜3年目はビジネス系と非ビジネス系(趣味や教養書)を1対1の割合にし、社会人5〜10年目からは100冊を目標としつつも量より質重視でビジネス系よりも非ビジネス系の割合を増やし、キャリアチェンジ準備期間はその行き先のビジネス系をメインで読み、慣れてきたら非ビジネス系も復活させる、というようなポートフォリオを意識して読むべきとある。

著者の示す戦略的な読書論はとても参考になるし、特に異論はない。僕が社会人になりたての頃に本書に出会っていたら、読む本に迷ったり悩んだりしなかっただろうと思う。また、ビジネス書ばかり読むことに対する危機感もあったりで、オリジナリティを意識して多様に読むようにはしてきた。しかし、本書のような戦略的な読書をできる人は一体どれだけいるのだろうか?これはある意味戦略系コンサルタントになるための大リーグ養成ギブスのような、相当しんどい読書指南書でもあるような気がする。

この読書ブログは社会人になりたての4月から継続してきてやっているから言えるのだけど、年間100冊読むのは結構しんどい。もともと読書に慣れていない人が月8冊以上読むのは難しいだろうし、本書に示されているようなビジネス書は戦略系の本とかマーケティングの本とか難しめでページ数の多いものばかりである。これをフルタイムで働きながら読みこなすのは大変だろう。もちろん精読する必要はないし、著者も示すように雑誌もカウントしてよいとのことだが。

どのようなジャンルの本をどれだけ読むかの資源配分を意識して読むべきと示されているが、その資源には自分の時間とモチベーションも考慮する必要がある。仕事、睡眠、食事、風呂などの生活に必要な時間やゲームやネットなど余暇の時間もきっちり意識的に配分していかなくてはいけない。それをそこまで徹底的にやるときに、どれだけモチベーションを保てるかが鍵になるだろう。僕は読書ブログを継続することで何とかできたが、それでも著者の示す理想的な戦略には程遠い結果となった(それはこのブログの左のサイドバーの図書リストリンクから知ることができるが)。

現在大学生で将来は戦略系のコンサルタントになりたい、もしくは社会人の1年目くらいの人はこの戦略読書に従って読むのがよい。特に何も考えずにやってみることをお勧めする。実際に自分が戦略コンサルに向いているかどうかわかると思う。仕事が激しく忙しい合間にそれなりに難解な本を継続的に読み込まなくてはいけないので。おそらく著者の示すとおりに実行できる人は100人に1人いるかどうかではなかろうか。

ある程度の社会人歴のある人やそんなに読書に慣れていない普通の人は本書を読んでどう活かすか?については、それぞれ著者が示すお勧め本を元に自分なりのポートフォリオを組んでいくのがよいと思う。著者の示す読書戦略をみっちりやるには若干手遅れ感があるし。かといって今からみっちりなぞってやることが無駄だということはないが。

本書ではビジネス書と科学、SF、歴史書、プロフェッショナリズムが啓発される本という軸でお勧め本が435冊ほど示されている。SF小説は結構コアのものが多く示されているし、読んだこともある本もあったりで共感できる。逆に科学本はほとんど読んだことがないものばかりなので、そこは自分のポートフォリオとしては弱いところなので強化していきたいと思った。また『バガボンド』、『寄生獣』、『MASTERキートン』、『動物のお医者さん』など漫画もたくさん紹介されているので、読んでみたいと思う本が多く見つかると思う。それをAmazonのほしいものリストに突っ込んでいくとさらによい。

とはいっても、海外文学やエッセイなどはほとんど紹介がなかったり、歴史系の漫画で『チェーザレ』、『ヒストリエ』が紹介されているのに『キングダム』とか『ヴィンランド・サガ』はないの!?というような突っ込みたいところは随所に出てくる。そういう自分ならこのテーマではこれを推薦する!!みたいなことを考えられるのも面白いと思う。

ちなみにKindleの無料お試し版というのがあるらしく、それにはお勧め本435冊がすべて載っているらしいので、お勧め本だけ知りたい人はまずはこちらを読んでみるとよい。また、お勧めされている本で過去にこのブログで取り上げた本は以下となる。9冊と案外少なかった。

2016年の1冊目は本書となった。なるべく戦略的に読書していこうかなとは思う。一応キャリアチェンジ期間にあたるので、その分野の本(技術書)をメインで読むべきなのだけど、どうなるかは終わって見ないことにはわからない。読書に限らず資源配分はもう永遠の課題。科学本などあまり読んでこなかったジャンルを含めつつ今年はなるべく多様に読みたい。今年の目標は50冊の予定。週1更新。ということで、今年もよろしく!!



戦略読書
三谷 宏治
ダイヤモンド社
2015-12-18

読むべき人:
  • 戦略コンサルタントになりたい人
  • ビジネス書ばかり読んでいる人
  • 読むべき本を探している人
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