February 05, 2016

ウォール街のランダム・ウォーカー

キーワード:
 バートマン・マルキール、株式投資、インデックス・ファンド、サル、ランダム・ウォーカー
経済学者によって株式投資のさまざまな手法をデータで分析し、その成果のよしあしが示されている本。よくネット記事で株式投資で参考になる本として必ず挙がるほどの株式投資についての名著らしい。8年くらい前に買ってずっと積んでいたのだけど、株で資産形成を図ろうと数年前から実際に株式投資を始めたので、時間をかけて読了。

約500ページほどあり、いろいろとグラフや表など学術的な記載もあって、難しそうなイメージなのだけど、本書の核になるメッセージは単純である。まずタイトルになっているランダム・ウォークについて以下のように示されている。
 ランダム・ウォークというのは、「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である」ということを意味する言葉である。これを株式市場に当てはめると、株価が短期的にどの方向に変化するかを予測するのは、難しいということだ。言い換えれば、専門の投資顧問サービスや証券アナリストの収益予測、複雑なチャートのパターン分析などを用いても、無駄ということである。
(pp.19)
そして本書の一番のメッセージは冒頭で以下のように示されている。
個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロのファンドマネジャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと持っているほうが、はるかによい成果を生む
(pp.1)
これを裏付けるために、テクニカル、ファンダメンタルなどの手法、プロのファンドマネジャーの運用成績データやインデックス・ファンドの運用成績などを分析した結果、そのような結論に至ったと示されている。

まず、株価のチャートの過去の動きから将来を予測しようとするテクニカル分析に関しては、過去の株価から未来の株価を予測などできるわけがないので、占いに過ぎないと示されている。チャート(テクニカル)分析の問題点の一つとしては、みなが同じチャートのシグナルに対して同じ行動をとるとしたら、どんなシグナルに基づいて売買したところで何の利益も得られないとある。

また、対象企業の財務諸表や現状の株価が割高か割安かなどのいろいろなデータ見るファンダメンタル分析についてもうまくはいかないと示されている。その理由の一つには、証券アナリストなどが得る情報や分析が必ずしも正しいとは限らないかららしい。さらにたとえ情報が正しく、将来の成長率も適切に予想されるとしても、アナリストがそれに基づく株価評価を誤る可能性があるらしい。

なので個人投資家にとっては、証券アナリストなどやプロのファンドマネージャーの勧める金融商品や個別銘柄を買って短期で売買して手数料を証券会社に儲けさせ、長期的には損失を出すのではなく、安定的に市場平均リターンを得られるインデックス・ファンドを買っておくべきと示されている。また、どうしても自分で有望銘柄で売買したい人は、ポートフォリオの中心部はインデックス・ファンドで運用し、残りを個別銘柄に賭けるという混合スタイルを強く勧めている。

全体を通してとても勉強になった。しかし、テクニカル分析的なものは確かに当てにならないなと実感しつつもファンダメンタル分析についてはもう少し自分なりにやって本当にそうか?を確認したいところかな。

今は個別銘柄にしか投資していないので、インデックス・ファンドもポートフォリオに組み込みたいと思うのだけど、種銭がそんなに多くなく、インデックス・ファンドを中心にしてもあまりリターンが望めないので、どうしてもギャンブルじみた個別銘柄に投資したくなる。数年前にソシャゲ銘柄などが数十倍になったのを目の当たりにしているとついね。ちなみに、保有銘柄の一つは4564で、2年前ほどから注目しているけど絶賛塩漬け中だ!!w

株式投資の本はビジネス書コーナーの近くに行くとたくさんあって、どれから読めばいいかわからないということがあると思う。どれももっともらしいことが書いてあるけど、たまたまうまくいった手法が再現性があるように書かれており、著者を儲けさせるだけの本が多い。株の本をたくさん読んでも株でうまくいっている人はあまりいないらしいので、読むべき本は名著と呼ばれる鉄板のものだけをまず押さえておけばいいのではないかと思う。

読了したのは第9版なので、書影には9版を取り上げているが、最新版は10版なので、買うならそちらをどうぞ。本書は2,484円と高めな値段設定だが、株式投資で売買を繰り返してすぐに損失が数万円以上になってしまうのに比べたらはるかに安く、読めば無駄に損失を出すことも少なくなり、また長期的にリターンをもたらしてくれるかもしれないので、株式投資を本格的にやろうと思う人は、先行投資として最初のほうに読んでおくのをお勧めする。読了まではちょっと面倒だけどね。



ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
バートン マルキール
日本経済新聞出版社
2007-05-25

読むべき人:
  • 株式投資をやっている人
  • 株価は予想できる!!と思っている人
  • 年始から日経ヘイキンズにやられている人
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