September 03, 2016

逃亡のSAS特務員

キーワード:
 クリス・ライアン、SAS、特殊部隊、アルカイダ、停電
特殊部隊ものの冒険アクション小説。以下のようなあらすじとなっている。
SAS隊員ジョシュ・ハーディングは、アリゾナの砂漠で銃弾を受け、意識を失って倒れていた。そばには射殺された少年が横たわっていた。ジョシュは美しい女性ケイトに助けられる。が、彼の記憶はすべて失われていた。しかも追跡者が次々と迫ってくる。折りしも世界の大都市で大規模な停電が続発していた。追っ手と闘いながら徐々に記憶を取り戻していく彼は、やがて驚くべき真相を知る!謎に満ちた会心の冒険アクション。
(カバーの裏から抜粋)
主人公はイギリスのSAS所属の兵士で、アルカイダの重要指名手配犯暗殺の任務を負っていた。しかし、上司の命令によりアルカイダの指名手配犯の狙撃に失敗してしまう。そのあと舞台は変わり、アリゾナの砂漠で首と足を撃たれたて記憶が飛んでいる状態で目が覚めて、世界ではテロ犯によると思われる停電が起きていた!!という状況。

ハリウッドアクション的で割と疾走感のある内容。アリゾナ砂漠を激走するバイクとマスタングのカーチェイスあり、ヘリで追撃されるシーンもあり、荒野のカウボーイのように撃ち合うシーンもあり、手製の釘入り火炎瓶の爆発もありでページがすらすらと進む。

拷問シーンがあって、結構えぐいというか、残虐ではないけど、リアルだなと思った。殴る蹴るは序の口で電気攻め、毒蛇にかませる、ナイフで刺すなど痛々しい。主人公はSASの兵士ということもあり、拷問に耐えるための講義を事前に受けていて、その説明があった。一部抜粋。
五つの数えを、頭に叩き込んでおく。まず、”精神的な根城”を持たなければならない。絶望し、暗い気持ちになるのを避けることはできない。そういうときに逃げ込む心のなかの隠れ家だ。つぎに、”集中できる言葉”を持つ。お祈りでも詩でもいい。一日を切り抜けるためにすがりつくものが必要だ。痛みに耐えるには、見えないものを心のなかで映像化する”視覚化”を用いる。たとえば、痛みをどこかに蹴とばしてしまえるサッカーのボールに見立てる。ありとあらゆる妄想や想像力を駆使し、逃避できるような幻想の世界を創りあげる。また”魔法の箱”も作らないといけない。自分の心以外の場所に、恐怖、不安、苦痛をしまいこんでしまうのだ。
(pp.281)
まるで著者がこの講義を受けたような感じでもある。このリアルさは著者自身がSAS隊員だったことによる。冒険小説の主人公並みの経歴だなと思う。

あと、拷問講義の講師のよって最後に重要な言葉が示されている。それも引用。
「自分が生きる目的や理由を持たなければならない。それがなかったら、痛みに耐え抜くことはできない。」
(pp.282)
拷問ではなくとも、普通の生活でもしんどい状況に陥ることがある。その時はこの言葉を思い出そう。

特殊部隊ものが割と好きで映画とかもよく見ている。小説はあまり読んでなかったので、読んでみると楽しめた。また、特殊部隊ものを読むと、自分も強くなったような妄想とともにモチベーションが少しだけ上がる気がする。



逃亡のSAS特務員 (ハヤカワ文庫NV)
クリス ライアン
早川書房
2006-12

読むべき人:
  • 特殊部隊ものが好きな人
  • ハッキングものが好きな人
  • 拷問に耐え抜く知恵が必要な人
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