健康、グルメ

November 30, 2015

ジョコビッチの生まれ変わる食事

キーワード:
 ノバク・ジョコビッチ、グルテン、小麦、食事、自伝
ジョコビッチによるグルテンフリー推奨健康本。以下のような目次となっている。
  1. 序章 私を生まれ変わらせた食事―わずか18カ月でドン底から世界王者へ
  2. 第1章 バックハンドと防空壕―すべてのプロテニス選手が富裕層のカントリークラブから出てくるわけではない
  3. 第2章 夢を叶えた、私の食べ方―私はどうやって世界一のテニスプレーヤーになったのか?
  4. 第3章 オープンマインドになるだけで体は変わる―あなたの人生を激変させる14日間
  5. 第4章 あなたの動きと思考を邪魔するもの―頭と体を密かに鈍らせているものの正体
  6. 第5章 食事に関する、私のルール―勝利するための食卓
  7. 第6章 圧倒的成果を出す、思考のトレーニング―集中力強化とストレス解消戦略
  8. 第7章 誰でもできる簡単なフィットネスプラン―ビジネスにも日常にも活かせるエクササイズ
(目次から抜粋)
ジョコビッチ、と言う人はテニスプレイヤーだというくらいの認識しかなかった。どこの出身で世界ランキング何位かも全く知らなかった。食事に関して学ぶところがあると、お勧めされて読んでみた。ジョコビッチは上位テニスプレーヤーであったが、どうしても勝ちきれないでいた。試合中に動きが鈍り、胸は締め付けられて、呼吸もできなくなり昏倒してしまうということがあった。トレーニングを見直し、メンタル面も強化しても同じようなことが続き改善しないでいた。いろいろあって、原因は普段食べている小麦に含まれているグルテンという物質であり、そのグルテンを摂取しない食事を心がけたところ動きが改善されて世界ランク1位になれたとある。

本書はジョコビッチの食事内容をそのままトレースするようなものではなく、食事からフィジカル、メンタルまで総合的に見直しをして健康的になりましょうという本。ジョコビッチ自身も示しているように、肉体は一人ひとり違うので、ジョコビッチの最高の食事をそのままとってもらいたいわけではなく、読者にとっての最高の食事が何かを知る術を伝えたいとあった。

そもそもグルテンは小麦やライ麦、大麦などの穀物に含まれているタンパク質で、これを食べることによって速く血糖値を上げてしまい、そこで大量のインシュリンが体内で必要になり、内臓脂肪が蓄積され、毒物を放出し肉体のさまざまな部分に炎症を起こし、長期的に健康に影響をもたらすらしい。よってジョコビッチのような一流のアスリートだけではなく、普通の人もグルテンフリーの食事が推奨だと示されている。

そしてグルテンが含まれている食べ物はパン、パスタ類、ケーキ、ドーナツなどのスイーツ全般、小麦で作られたスナック類、ビールや麦芽から蒸留されたアルコール飲料、ソーセージなどの加工食品、一部の卵・ナッツ製品、マリネおよび調味料、一部の乳製品、加工チーズ、揚げ物の肉と魚などにまで多岐にわたる。これらをまず2週間できるだけ摂取しないようにすると、ジョコビッチの体の動きは各段に改善されたようだ。

本書の医学的根拠の説明の部分があまり詳しく示されていないので、本当に正しいのか?という部分は若干気になるところである。東洋医学的の研究例として、ポジティブな言葉をかけた水とネガティブな言葉をかけた水の違いが云々という記述などはいかがなものかと思うが、そこはジョコビッチ自身研究者でも専門家でもなく、本書全体を通して自分がうまく行った事例を紹介しているだけなので大目に見るべきところか。グルテンフリーの仕組みや根拠については別の本を参照したほうがよさそうだ。

僕は腎臓障害を患っているので、1日のタンパク質の摂取量を合計40gまでにする食事制限をしなくてはならないから、結果的にある程度グルテンフリーになっている。乳製品は極力取らず、パンもほとんど食べず、お菓子も基本的に食べない。パスタやビールは好んで飲み食いしてしまうので、それらを制限して2週間断つくらいはできる。しかし、揚げ物、特に大好物である冬場のカキフライを2週間も断つことはできるだろうか!?と激しい葛藤に襲われるwころもをつける前に小麦粉をまぶしたり、ころもそのもののパン粉に小麦粉が使用されているからね。ということで、実際にグルテンフリーをやるなら春以降かな。

日々の食事が自分の体にどれだけ影響を与えているのかを見直す良いきっかけになった。もしかしたら普段何気なく食べているものがアレルギー反応を起こして持病に影響している可能性も無きにしも非ずなので、ジョコビッチがやったように食物アレルギーの検査でもしようかと思ったりした。

本書はグルテンフリーや睡眠やストレッチについて主に言及されているが、ジョコビッチのセルビア・ベオグラードでの戦争下での生い立ちやテニスプレーヤーになるまで、テニスで勝つためにはコーチも含めたチーム戦であるということなどの逸話も興味深く読める。また、ジョコビッチの人徳というかプロフェッショナリズムがにじみ出てくるような内容で、そういう部分が健康志向とは別に参考になった。



ジョコビッチの生まれ変わる食事
ノバク・ジョコビッチ
三五館
2015-03-21

読むべき人:
  • グルテンフリーに関心がある人
  • 日々の食事を見直ししたい人
  • テニスプレイヤーの人
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October 14, 2015

馳星周の喰人魂

キーワード:
 馳星周、エッセイ、美食家、狂乱、旅
小説家による食エッセイ。目次は多いので省略。著者はハードボイルド系の小説を多く書いているらしいけど、まったく読んだこともなく、なんとなく図書館で食エッセイが読みたいと思ってこれを借りてみた。日本の地方や東南アジア、サッカー観戦のついでに寄ったヨーロッパ各地で食べたおいしそうな料理について、著者の様々なエピソードとともに1項目3,4ページで示されている。

とても興味深く読んでみたわけだが、なんだかとても羨ましいというか、ズルい!!みたいな感想を抱いた。食べているものが割と高級なものが多く、普段生活していたら食べられないようなものがほとんどだったから。

例えば『奇跡の料理人』というタイトルでは、編集者にとんでもなくうまいレストランに行こうと誘われて訪れたお店でオムレツリゾットというものが出てくる。これは元アメリカ大統領のクリントンが来日した時に、そこのシェフが提供して「信じられない。こんなに美味しい料理を食べたのは生まれて初めてだ」といわしめたらしい。このオムレツリゾットにはフォアグラとトリュフが含まれており、著者もクリントンと同様の感想を抱いたようだ。本書の冒頭に一部の料理のカラー写真が載っているが、このオムレツリゾットがとてもおいしそうである。一応お店の名前が載っており、どうやら以下のお店らしい。いつか食べてみたい。食べログを読んでみると、客単価3万円くらいで、一見客はコースのみしか食べられない高級店のようだ。

香港では広東料理のレストランで食べたマンゴープリンによって新しい世界が広がったが、1年後また訪ねてみたらシェフが変わっていて、味も変わってしまい、楽しみにしていたのに食べられなくなった話もある。また、フランスW杯の日本代表の応援のためにマルセイユに7月ごろ滞在した時は、生牡蠣を食べようと思ってお店に行ったら、シーズンではないので、ないと言われるが、生で食えるものとしてムール貝を食べたら爽やかな風味が口の中に広がり、「うまっ!」と感嘆したとか。

いつも高級店ばかりかというとそうでもなく、タイ・バンコクでは伝説の牛すじ麺を探し求めてスラム街のようなところのハエがたかっている狭いお店に行ったりもしている。そのお店の夫人が提供する牛すじ麺に著者はうまい!と感嘆するが、それは本来の味ではなく、真の味は店主の夫が出せるが、いろいろあってもう作らないと言っているらしく、結局真の味にはたどり着けずにがっかりしているエピソードもある。

また、いつも美味しいものばかり食べているわけでもなく、イングランドにスポーツ雑誌の企画でカメラマンなどと仕事で行ったときは、著者はイングランドは美味しいものがないと分かっていてホテルのレストランでチキンを頼み、カメラマンはペンネ・ゴルゴンゾーラを頼む。チキンはまぁ食えないほどではないが、ペンネは煮すぎてすいとんのようになっていて、味がしなくて食えたものではなかったとか。著者曰く、パスタは基本的にイタリアと日本以外は美味しくないらしい。覚えておこう。

軽井沢のレストランの話では、冒頭のオムライスリゾットを作るシェフの弟子が作った最高級の仙台牛のみすじ肉のステーキが出てくる。これは若きシェフが思いつきで揚げてみたら美味しいのではないかと試してみたらびっくりするくらい旨かったとか。いったいどんな味がするのだろうか?これは想像できない。

著者はハードボイルド系作家だけになんだか傲慢な物言いも示されている。とにかくうまいものに対しては妥協せずに貪欲でどこまでも行くというようなタイプ。そんでまずいものを食わされたら激怒するような、手におえないような美食家。読んでいて本当に美味しそうなものばかり(たまには外れも)出てきて、本当に羨ましい限り。食事制限しなくてはいけなくて、好きなものを自由に食べられない身としては特に。

小説家らしく、いろいろなエピソードもあったり、料理にたどり着くまでの話も面白いし、何よりも無性に食べたくなるような描写となっている。写真が載ってないものがほとんどだけど、食べたときの味まで想像できそうな気がする(フォアグラとかトリュフとか最高級の肉とか天然で上質の松茸や鰻なんか食べたことなんかないけどね)。

著者はさんざんたらふくおいしいものを食べてきて、最後に行きつくところはマクロビオティックだった。そこかよ!!と思ったりw そこはハードボイルド系作家としては食いたいものを好きなだけ食べて、痛風になったり糖尿病になったり、健康診断でいつも数値がやばいけど美食ためには後悔はない!!というくらいに突き抜けてほしかったが、まぁ健康のほうが大事だよねと。

著者曰く、肉、魚を食べる量を減らし、野菜、玄米を食べて、調味料に砂糖を使わないという食事を続けたら半年で7キロも自然と痩せて体調も良く、たまに外食で肉や魚を食べるととてつもなくおいしく感じられるとか。これは食事制限をしているからなんとなくわかる。減塩生活をしていると味覚が鋭くなって、何食べてもおいしく感じられるよ。

普段満足に食べられないから、このような食エッセイを読みながら脳内補完して精神的に食べているみたいな感じだった。著者が終始うまい!と感嘆しているのが続いて、無性に美味しいものが食べたくなるので、特に空腹時に読むのは危険な1冊。

そして、世界中に存在するまだ見ぬ未知のおしいものを食べる旅に出たくなる。



馳星周の喰人魂
馳 星周
中央公論新社
2013-05-24

読むべき人:
  • 美味しいものに目がない人
  • 色気より食い気な人
  • 世界中を食べ歩きしたい人
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September 16, 2015

牡蠣礼讃

キーワード:
 畠山重篤、牡蠣、宮城、紀行文、森
牡蠣のことが一通りわかる本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 Rのつかない月の牡蠣を食べよう!?
  2. 第2章 おいしい牡蠣ができるまで
  3. 第3章 世界の牡蠣を食べる
  4. 第4章 知られざる「カキ殻」パワー
(目次から抜粋)
のっけからどうでもいいことを示すと、僕はいつからかカキフライが好物になってしまった。初めてカキフライをタルタルソースで食べてからというもの、そのジューシーさが口の中に広がる旨さにすっかり虜になり、飲食店でカキフライが食えるときはとりあえず食べるというくらいになった。それくらいカキフライが好きで、9(SeptemberとRのつく)月に入ったということもあるので、牡蠣についてのこの本を取り上げる。

著者は宮城県気仙沼市唐桑で牡蠣養殖業を営んでおり、牡蠣の生体や旬、宮城県のカキ養殖の礎を作った人々の歴史、世界の牡蠣養殖についてなどなどがとても面白くエッセイ調に示されている。

まず、牡蠣の旬については、一般的に英語で『Oyster should not be eaten in any month whose name lacks an "r".』という”Rのつかない月の牡蠣は食べるな”という諺があるように、5月(May)から8月(August)は旬ではないとされている。その時期は、産卵期で食べてもまずいし、食中毒の影響があるからと言われている。著者曰く、これはヨーロッパヒラガキの産卵期の身の状態から生まれた諺らしい。曰く、5月から8月のヨーロッパヒラガキを開けてみると、ドロドロとした液状の卵が流れ、見た目も白、灰色、黒と変化して食欲も減退し、おいしくないようだ。

日本で食されている大部分はマガキ(カキ (貝) - Wikipedia)で牡蠣本来の味が出てくるのは、厳寒の2月、3月らしい。また、日本列島は南から北まで長いので抱卵する時期がかなりずれるらしい。よって産地によって食べられる時期が違うようだ。気仙沼も3月が旬で、水温の低いところに垂下しておけばマガキでも6月いっぱいまで楽しめるらしい。そして暑い季節に冷やしたワインと生ガキの取り合わせは最高だって。羨ましいかぎりで。

今ではオイスターバーなどに行けば、基本的に年中牡蠣が食べられるようになっている。養殖技術が発達しているというのもあるし、世界中の産地から輸入してくるというのもあるだろう。しかし、カキフライとなると、僕の観測だと定食屋がカキフライを提供しているのは大体9月から3月までとなっているね。一部海鮮系のお店は年中食べられるが、それは産地ごとの違いで取り寄せているか、もしくは冷凍保存で食べられるようになっているのだろうね。

あとイワガキは5月以降の夏が旬らしい。しかし、大きくなるには3,4年かかり、全国的に天然イワガキ資源が枯渇しているらしく、大きめのものなら東京だと1個千円はする高級品らしい。これはまだ食べたことがないので、いずれ試してみたい。あと逸話として松尾芭蕉はイワガキの産地を行程に選んでおり、イワガキを堪能していたのではないかという説は面白かった。

世界の牡蠣の話としては、50年以上前にフランスはヨーロッパヒラガキが多く獲れていたが、ウイルス性の病気によってほとんど全滅状態になってしまったらしい。そのときに世界的に知られた牡蠣博士、今井丈夫が宮城にいたことから、宮城産のマガキがフランスに輸出され、フランスの牡蠣生産者を救ったらしい。へーっと思った。今でもフランスでは宮城産が原種のマガキ獲れるようだ。

牡蠣が育つには豊富なプランクトンが必要で、そのプランクトンは海の水質がよくないとダメらしい。それには、河口に流れ出る水質が汚染されてはダメで森林の腐葉土を通った養分が海に流れてくるのも不可欠なようだ。そのため、著者は『森は海の恋人』と銘打って大川上流の山に広葉樹の植林運動も地道にされているようだ。食物連鎖だね。

本書は牡蠣全般が詳しく分かると同時に、著者の紀行文のようにも読める。世界の牡蠣の生産地で会いたい人がいると、とりあえず出たとこ勝負で行ってみると必ず会えるという引き寄せが何度もあったりで面白い。また、エッセイ調の文体がとてもよく、読ませる内容となっている。ところどころ著者の人柄が分かる小ネタがあって読んでいて飽きない。

牡蠣料理もレシピとともに随所に示されている。これはと思ったのは、オイスターショットというもの。アメリカのオイスターバーで提供されているもので、グラスにオリンピアガキを5個ほど入れて、トマト味のジュースを少しと5種類のスパイスを入れ、最後にウォッカのストレートを注いで一気飲みするらしい。これはいつか絶対試してみたい!!

本書は2006年出版となる。なので、2011年の東日本大震災のことは当然ながら示されていない。やはり東日本大震災で被害にあわれたようで、それからの復興については最近出版された以下の本に示されているようだ、こっちも読んでみたい。

本書は牡蠣好きなら間違いなく堪能できる1冊だし、何よりも著者の牡蠣への熱意というか愛情があふれる内容だった。



おまけ
都内の牡蠣がおいしいお店をちょっとだけ紹介。

カキフライに関しては、チェーン店が意外に健闘してて、個人的にはやよい軒がお勧め。ただし10月の中旬から3週ほどしか実施しない期間限定メニューなので注意。

また、カキフライ発祥のお店が銀座の煉瓦亭 (レンガテイ) - 銀座/洋食 [食べログ]にあって、一回行ったことがある。恐ろしいことに時価という値段設定だけど!?、実際にはカキフライ定食で2000円ほどするので高め。老舗価格。味は、思ったより驚きがなかったが、カキフライマスターになるためには行かなくてはだったw

ここのカキフライが一番おいしい!!と思ったのは西新宿のOYSTERS, INC. - 新宿/オイスターバー [食べログ]というお店。個人的にはオイスターバーのカキフライはどこもおいしくないと思っていた。なぜなら揚げ物料理がメインではないので、とんかつ屋とか定食屋に比べて揚げ方がいまいちだから。しかし、ここは本当に(゚д゚)ウマーだった。1粒300円もするけど、大粒で食べて損はない。

あと、しゃれたオイスターバーで生ガキとシャブリでマリアージュを楽しんだりするならオストレア Ostrea|Oyster Bar & Restaurantがいいかな。値段高めだけどどれもおいしい。Ostreaというのはラテン語で牡蠣を意味するんだ、とか薀蓄を垂れるにはよいデート向け!?のお店w

意外にもカキの天ぷらがおいしいと思わせてくれたのは、牡蠣と魚 海宝 高田馬場店 - 高田馬場/魚介料理・海鮮料理 [食べログ]。和食系で、カキフライ以外はどれもおいしかった。

他にもいろいろと地味に開拓したい。あとは気仙沼や広島などの日本の各生産地、さらにフランスやアメリカなどの世界の各地の牡蠣を堪能したいなと思う。



牡蠣礼讃 (文春新書)
畠山 重篤
文藝春秋
2006-11

読むべき人:
  • 牡蠣が好きな人
  • 紀行文のようなエッセイを読みたい人
  • オイスターバーで薀蓄を垂れたい人
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January 27, 2009

バーのある人生

バーのある人生 (中公新書)
バーのある人生 (中公新書)

キーワード:
 枝川公一、Bar、入門書、隠れ家、人生
雑誌でバーについてのエッセイを連載していた著者によって、バーのたしなみ方が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 1 バーへの心の準備
  2. 2 バーに入る
  3. 3 カクテルを楽しむ
  4. 4 バーの時間の過ごし方
(目次から抜粋)
この本は、バーの歴史、バーの由来、バーでの注文の仕方、カクテルの解説、バーでのちょっとした客としての気遣い、バーテンダーの本質、良いバー、悪いバーの例など、幅広くバーについてまとめられている。

線を引く部分が多かった。ポイントを絞って列挙すると、水で薄めた酒みたいになってしまうので、引用を多めに示しておく。

まずは、バーの本質が示されている部分を引用。
 自由は残念ながら、非日常に集中している。一方、日常は不自由だらけである。たまたま自由を満喫しながら、遊ぶ快感にひたれる場のひとつ、それがバーであろう。日常のあれこれを置き去りにし、素のままの自分になって、カウンターに向かい、座る。あるいは立つ。それがバーである。
(pp.10-11)
バーとは非日常の中で、自由をもたらしてくれるものらしい。そして、その自由を保障するものが、バーカウンターと示されていた。

バーの所在地は分かりにくいところにあったり、看板が出ていたとしても控えめで小さいものであったりする。バーの入り口に立ちはだかる扉は、暗い感じで、開けられたくないと告げているようだとある。そして、バーというものは、特別な空間であると示されている。以下にその部分について抜粋。
 これについて、ある人が、まさにそのとおりと言いたくなる、的を射た発言をするのを聞いたことがある。「外から内部を見えづらくする。これってバーの条件のひとつでしょう。ウェルカムではあるけれど、オープンにはしない。それでいて、いったん入ってきた人は温かく迎える。ひとつの世界を構成することへの執着というか、それが昔ながらの日本の酒場とちがっているところかな」。
 扉の向こう側にあるのは別の世界である。よそよそしい扉は、そのことを客に告げるためでもあり、あるいは確認させるためでもある。ここからは、あなたがいつも暮らしている、日常の世界ではないんですよ、と改めて念を押す。だから、あまりに気軽なドアのバーに出会うと、本格的なバーであることの「自覚」が足りないんじゃないかと疑問を投げかけたくもなってしまう。
(pp.42)
あまりにも重厚な扉を備えるような本格的なバーには入ったことがないが、それでもカジュアルなバーに入るときでも、いつも別世界に行くのだと思っている。

先ほどのバーの本質と絡めて自分なりにバーを定義すると、『バーとはお酒を飲みながら、自分自身と向き合える非現実空間である』と言える。自分がバーに行くのは、日常生活の悩みや不安を全て払拭して、自分自身と向き合い、自分の仕事、プライベート、そして人生についてお酒と共に考えるためでもある。

少し観念的になりすぎたので、実際的な部分も示しておこう。

バーでの注文の仕方を取り上げよう。バーに初めてやってきた者にとっては、何をどう注文すれば戸惑うことになる。著者は、お酒のブランドやカクテルの名称を「言わねばならない」という強迫観念を捨てるべきだとある。これが注文する場合の第一歩らしい。注文するには、自分の好みの味わいをバーテンダーに説明すればいいようだ。カクテルの場合だと、次の4つの情報があればいいようだ。
  1. 甘めがいいか、ドライが好みか
  2. アルコールは強みか弱めか
  3. ソーダは入れるかい入れないか
  4. 暑さ、寒さ、涼しさなどの季節に対応したものがいいか
さらに、食事の前か後かなど、自分の心身の状態を伝えればよいらしい。これは覚えておこう。そして、あまりにもバーテンダーに任せきりなのもダメなようだ。

他にもバーテンダーについてもいろいろと示されている。『バーテン』と略すことは、差別的な意味あいになり、大変失礼になるようだ。正しく、『バーテンダー』と言わなければならない。また、あるバーテンダーは、バーテンダーのことを『心の病を治す、夜のドクター』とまで言い切ったようだ。自分も癒されたくて、バーに通うのかもしれない。

カクテルの解説もひとつだけ示しておこう。『カクテルの王様』の異名を持つ、マティーニ(マティーニ - Wikipedia)を取り上げる。一部説明を抜粋。
 こうして派生させ、自分の好みのつくり方を求めていくカクテルの筆頭に挙げられるのが<マティーニ>であろう。その意味では、いかにもカクテルらしいカクテルとも言える。ボンドほどわがままでなくても、自分の好きな味を知ってはじめて、<マティーニ>好きを自称できると言われている。
(pp.130)
マティーニといったら、007のジェームズ・ボンドのウォッカ・マティーニ(ウォッカ・マティーニ - Wikipedia)、ヴェスパー(ヴェスパー (カクテル) - Wikipedia)が思い浮かぶ。最近公開された、『007/慰めの報酬 - オフィシャルサイト』では、ボンドがヴェスパーを6杯も飲んでいる。それは、前作、『007 カジノ・ロワイヤル - Wikipedia』を見れば、なぜだか分かるだろう。自分もボンドになりきって、ウォッカ・マティーニを飲めるようになりたいものだ。

将来、本が読めるバーを作りたいと思っていたので、この本を読んでみた。バーの基本的な知識から、客のバーでのあるべき態度などもとても勉強になった。自分は、まだまだバーが似合うような存在ではないが、なるべく多くのバー、お酒を体験していくことで、バーが板につく男になりたいと思った。



マティーニ今日は25回目の誕生日を迎えた。四半世紀生きてきた自分を振り返りつつ、これからの自分の人生をカクテルの王様、マティーニとともに考えてみた。

マティーニはアルコール度数40度超のドライジンが使われているので、1杯でほろ酔い気分になる。まだこの味を自分のものにできていないけど、ものにできるようになりたい。

ちなみに、自分が好きなのはウォッカベースのカクテルだ。癖がなく、度数が強いが悪酔いしないので、味わって飲める。特に好きなのは、青色が美しいブルーマンデー(ブルー・マンデー(カクテル検索):BIGLOBEグルメ)だ。日曜日の夜に飲むといっそうよい。



バーのある人生 (中公新書)
バーのある人生 (中公新書)

読むべき人:
  • バーの入門的知識を身に付けたい人
  • バーが似合う男になりたい人
  • ロールモデルがジェームズ・ボンドの人
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July 31, 2008

高級店で尻込みしない最低限の「大人のマナー」


高級店で尻込みしない最低限の「大人のマナー」

キーワード:
 R25編集部、大谷晃、テーブルマナー、高級レストラン、決戦の地
R25によって高級レストランなどのマナーなどが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 二大料理のマナーと基礎知識
    1. フレンチ編
    2. 会席編
  2. 第2章 世界各国料理&シチュエーション別マナーと心得
    1. 寿司編
    2. 中華料理編
    3. イタリアン編
    4. 魚貝類編
    5. 韓国料理編
    6. 立食パーティー編
    7. 接待編
  3. 第3章 もっと”男”を上げるスマートテクニック
    1. 鍋編
    2. 焼き肉編
    3. バー編
    4. お座敷編
(目次から抜粋)
内容については、「まえがき」のとろころにR25っぽい文章で示されているので、そこから抜粋。
 そう、多くの場合、サラリーマンにとって高級レストランは「決戦の地」となるのである。あるときは300年の歴史を誇る名門貴族の末裔のごとく優雅でセクシーな振る舞いで、相手をうっとりさせなければならない。またあるときは、かつて女帝と呼ばれた銀座No.1クラブの伝説のママを凌駕するホスピタリティを発揮して相手を感心させなくてはならない。高級料理ウッホー!などと浮かれている場合ではないのだ。
 ならば、まず身につけるべきは「マナー」である。
 本書はプライベートやビジネスでも利用する機会の多いフレンチと会席を中心に、寿司、イタリアン、焼き肉にいたるまでのマナーや役立つポイントをまとめてみた。この一冊を読めば、どんなシチュエーションでもスマートに振る舞える知識を得ることができるはずだ。
(pp.2-3)
ということで、自分も億万長者になった成功者のイメージで、高級フレンチを堪能している姿をイメージして読んでみた。これは全編カラーイラストつきで、R25独特のノリもあってわかりやすいし読みやすかった。

とういことで、自分が特に知らなかった部分、勉強になった部分を恣意的に列挙。
  • フランス料理店のランクは7段階あり、最高級はグルメゾン(Grand Maison)
  • フルコースの流れは、前菜、スープ、魚料理、肉料理、サラダ、チーズ、デザート・コーヒーという順番
  • アラカルトは単品料理のことで、コースよりも1皿ずつの量が多いため、コース料理と同じ品数を頼まなくてよい
  • 高級店のスタッフはハイブランドを識別する目を持っているため、ジーンズだからといって必ずしも門前払いされるとは限らない
  • 高級店では、ホストや男性には通常のメニューを、ゲストや女性には価格が載っていないメニューを用意するお店もある
  • メニューが読めないというピンチのときは、堂々とスタッフに尋ねる
  • ポワレ(poêle)とは『フライパンで火を通す』という意味
  • ナイフ・フォークは外側から順に使う
  • ナプキン使用後にキレイにたたむと、「料理がおいしくなかった」という意味になるので、たたまないほうが無難
  • ナプキンを広げるタイミングの目安は、食前酒をオーダーした後がちょうど良い
  • フランス式のスプーンの使い方は、スープをすくったら手首を45度回転させて、スプーンの先端からスープを飲む
  • 接待や特別なデートなどで自分が会計を支払う場合は、デザートや食後酒が終わったタイミングが勝負なので、相手にわからないようにさりげなく会計する
  • 会席料理は左手前から食べるのが正しい
  • 寿司は箸でも手でもどちらで食べてもよい
  • 寿司のしょうゆは寿司ネタにつけるべし
  • 「おあいそ」「あがり」は客側が使うものではない
  • イタリアンは、フレンチのコースの基礎となったもの
  • イタリアンはパンが主食で、コースの流れはアンティパスト(antipasto : 前菜)、プリモピアット(primo piatto : 第1の皿。スープ、パスタ、リゾットなど)、セコンドピアット(second piatto : 第2の皿。魚や肉のメインディッシュ)、コントルノ(contorno : 付け合せのサラダ、温野菜)、フォルマッジョ(formaggio : チーズ)、ドルチェ&コーヒー(dolce & caffe : ティラミス、パンナコッタなどのデザート)の順になる
  • 立食パーティーは交流の場なので、壁の花にならない
  • 2次会のカラオケは盛りあげ役に徹すべし
  • 焼肉では、網の上はそれぞれ独立国家なので、自分の肉にのみ集中して焼く
  • 焼肉は肉を返したらズラしておき、何度もひっくり返さず1回のみ
  • バーでは乾杯するときは目線を合わせることが大事
  • バーにおいて、自分一人で来ていて、同じく一人の女性を見つけたら、ラブ・チャンスなので、しばらく様子をうかがってから声をかけたほうが無難
  • 『外食中にブログ用の写真を撮る男は嫌い。デジカメの音が恥ずかしいし、こっちも温かいうちに食べようと思っているのに・・・デートで来てるんだから、ブログのことは忘れて!』(麻子・24歳) [pp.114]
  • 『魚を美しく食べられる人には、無条件でホレてしまいます♡苦手な食材を丁寧にお皿のはじに寄せておくような、心遣いができる人も素敵です。女子はそういうのを見てますよ。』(晴美・22歳)[pp.116]
今回はいつもよりかなり多めに列挙。それだけテーブルマナーについて知らなかったことが多く、勉強になったところが多かったということだろう。そういえば、フレンチのフルコース自体はまだ食べたことがないなぁと思った。会席料理は旅館などで食べるけど。

この本はかなりコンパクトにまとまっており、120ページほどしかない。しかし、わかりやすくR25独特のイラストと文体で面白おかしく勉強できる。

さすがに1度読んだだけではマナーは身につけられないので、あとはこれを読みつつ実践あるのみ。ということで、そのうちフルコースを食べたいなと。とはいえ、持病の影響で食事制限もしなければならないがね。

マナーは早いうちから意識して身につけないと、いつまでたっても身につけられないし、その分長い期間醜態をさらすことにもなる。だから早めにスマートさを身につけたい。ということで、この本を読んだ。また、いつ高級フレンチのフルコースを食べる機会がやってくるかわからないので、いつでも「決戦の地」に赴けるように準備をしておかないとね。

ちなみに自分は、雑誌のR25自体は読まない。『みんなが手に入れられるタダ情報に価値はない』という理由から。それよりも自分で買った本を読んだほうが良い。R25のサイト(オトコを開放するwebオアシス | R25.jp [アールニジュウゴ])は暇つぶしに見るが。

テーブルマナーを気軽に勉強したい人には良い本だと思う。「決戦の地」が近い人はぜひチェック!!

読むべき人:
  • テーブルマナーを学びたい人
  • デートや接待などの「決戦」を近々控えている人
  • R25のイラストや文体が好きな人
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July 21, 2008

フライパン1本でできるお手軽フレンチ


フライパン1本でできるお手軽フレンチ

キーワード:
 ダニエル・マルタン、フレンチ、お手軽、フライパン、カジュアル
三ツ星シェフによるお手軽フレンチのレシピ本。以下のような目次となっている。
  1. 「一品」がきわ立つオードブル
  2. 「食感」を楽しむ肉料理
  3. 「盛りつけ」で魅せる魚料理
  4. 「お手軽感No.1」のデザート
(目次から抜粋)
連休特集ということで、普段は読まないレシピ本を。

著者は、日本に来てから20年以上も経つ三ツ星レストラン(フレンチレストラン「レスパドン」)のシェフであるが、「日本のフランス料理は高級すぎる!」と思っていたようだ。そのため、もっとカジュアルにスーパーにで売っているような食材を使い、さらにフライパン1本でお手軽にできるフレンチを広めたいという思いからこの本が書かれたようだ。

フランス料理の真髄は、手ごろな食材を使用し、簡単に家庭で食べられるものらしい。また、料理に大切なものは、レシピに忠実に作るのではなく、タイミングを間違えずに材料を加えていくということらしい。なるほどと思った。そのため、全レシピのステップごとにカラー写真付となっている。

示されているレシピは、オードブルが11品、肉料理が10品、魚料理が11品、デザートが8品という構成になっている。それぞれ3品ずつ自分がおいしそうだと思った料理名を列挙。まずは、オードブル。
  • たらの白子 グルノーブル風
    (Laitance de morue à la Grenobloise)
  • 田舎風フラット・オムレツ
    (Omelette plate à la paysanne)
  • じゃがいものガレット スモークサーモン添え
    (Galatte de pommes de terre au saumon fumé)
次は、肉料理。
  • 鶏肉のピカタ コルドン・ブルー
    (Piccata de volaille cordon bleu)
  • 牛肉のミートボール トマト風味
    (Boulettes de boeuf à la tomate)
  • フランス風豚肉のしょうが焼きはちみつとごま風味
    (Porc au gingembre miel et sésame)
魚料理。
  • カジキのミニッツステーキ ツナソース
    (Minute d’espadon au thon)
  • 鯛のポワレ しょうが風味
    (Dorade poêlée au gingembre)
  • ほたてのしいたけ添え
    (Coquilles Saint-Jacques aux shiitakes)
最後はデザート。
  • さくらんぼのロワイヤル風
    (Cerise à la royale)
  • バナナのオムレット
    (Omelette frambée aux bananaes)
  • いちごのポワレ バルサミコ酢風味
    (Poêlée de fraises au vinaigre balsamique)
どのレシピも5〜8ステップで完成できるものとなっている。何よりも全頁カラー写真つきなのがわかりやすい。1レシピに2ページという構成で、左ページにレシピ、右ページに料理の完成イメージ写真が載っている。この完成イメージ写真がとてもおいしそうに見える。

さて、レシピ本ということもあり、読んだだけでは本当の真価は判断できない。読みっぱなしにするのではなく、内容を実践するべし!!という基本スタンスから、実際に作ってみた。

作ったのは、『バナナのオムレット(Omelette frambée aux bananaes)』。材料をそろえるのが一番楽だったことと、ステップ数も少ないという点から、この料理を実践。レシピは以下のようになっている。
  1. recette1 ボウルに卵と砂糖を入れてよく混ぜる。
  2. recette2 バナナを2cm角くらいに切る。
  3. recette3 熱したフライパンにバターを入れてとかし、1を入れる。
  4. recette4 すぐに2入れ、生クリームを加える。
  5. recette5 4をフライパンの端に寄せてひっくり返し、形を整える。
  6. recette6 仕上げ 5を皿にのせ、粉砂糖をふる。熱した金属棒(焼き串)を表面に軽くあてて、焼き目をつける。
(pp.92)
このレシピどおりに作ったのが、以下のものとなる。

バナナのオムレット『バナナのスクランブルエッグ!?』のできあがり。  .............. Orz 
どうみても、recette5でしくじりました。ありがとうございました・・・・・。

バナナが多すぎた。レシピには1本と書いてあるが、目次の端っこを見ると、レシピの分量は2人分と書いてあるし・・・。完全に見逃し・・・。そんな重要なことは、もっと大きく書いて目立つようにしてしかったなぁ。まぁ、1人分の材料でも、自分のヘタさはカバーしきれなかっただろう。

普通にオムレツを作る技術がないと完成写真のようにはいかないということで。自分は料理などめったにせず、今回の実践のためにコンロに火をつけたのは2年ぶりくらいだし・・・。手順自体は問題なく簡単だった。20分くらいでできたし。デザートだったけど、昼食として食べた。2人分だからちょうどいい量かな。

肝心の味は、見た目は悪いが、自画自賛ではなく、本当においしかった。まぁ、材料がそこまで間違えようのないほど少なく、簡単だからという側面が大きい。甘くて熱々のバナナと卵が良い感じに合っている。ポイントは、オムレツを作るときに、丁寧にひっくり返していくということだろう。そいうワンポイントも示してほしかったなと思う。たぶん、この本の想定読者は、それなりに料理に関心がある人向けだろう。自分のような、1年に1回自炊するかしないかの読者には、高等すぎたかも。特にオムレツに関しては。しかし、『田舎風フラット・オムレツ(Omelette plate à la paysanne)』は、ヘラで平らにするタイプのものなので、これなら簡単そうだ。材料もそんなにいらないし。次はこれに挑戦しよう。

著者の趣味は釣りで、フランス料理で使わない生魚を出したりするような、伝統にとらわれない人のようだ。そこには、「自分が食べたいものを多くの人に食べてもらいたい」という思いがあるかららしい。なるほどと思った。また、最後のあとがきに印象に残った部分があるので、その部分を抜粋。
冒頭でも述べたように、料理をつくるコツは「タイミング」です。そして「シーズン(季節)」を大切にしてほしいと思います。もちろん食べるときはテーブルマナーを気にするより、自分がいちばんおいしく食べられる食べ方をしてください。それでいいのです。そして一緒に食べた人とあなたが、料理という空間の中で同じしあわせを共有してくれることを、私は心から願ってやみません。
(pp.111)
なるほどと思った。料理は一人で食べるよりも、誰かと同じ時間と空間を共有したほうがよいということでもあるのかなと思った。

基本的に全てフライパン1本で簡単につくれるレシピとなっている。レシピは、そっけないのではないかと思えるほど簡潔に示されている。細かいところは、あまり気にするなということだろうし、何度も作っていくうちに分かるのだろうと思う。

フライパン以外に必要なものは、あわ立て、セルクル、ヘラなどが料理によって必要になる。セルクルなんて持ってない。また、著者の愛用のフライパンは、フランスの老舗メーカー、T-falのものらしい。Amazonだと定価の半額というかなりの割引率。ついでのフライパンもお買い得で。

初めてフランス料理を作ってみたが、良い経験になった。もっと他のレシピも作ってみようと思った。料理が得意じゃなくても実践できそうな内容なので、良いと思う。

フランス料理を手軽に作りたい人はぜひ読んでみたほうがよい。

読むべき人:
  • フランス料理を作ってみたい人
  • フライパンだけて料理を作りたい人
  • 好きな人に気取った料理を作ってあげたい人
Amazon.co.jpで『ダニエル・マルタン』の他の本を見る

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July 01, 2008

カレーライスの謎


カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか

キーワード:
 水野仁輔、カレーライス、歴史、食文化、スパイス
東京カリ〜番長の調理主任による、カレーライスの謎を解き明かしている本。以下のような目次となっている。

  1. 第1章 カレーライスの正体
    1. 1. カレーライスの魅力
    2. 2. カレーの語源
  2. 第2章 カレーライスの歴史
    1. 1. 日本人とカレーの出会い
    2. 2. ヨーロッパ人とカレーの出会い
    3. 3. 日本カレー文化の黎明期
  3. 第3章 カレーライスの革命―国民食への歩み
    1. 1. 日本独自のカレールウの誕生
    2. 2. 即席カレー市場をめぐる攻防
    3. 3. 日本の製造技術が生んだレトルトカレー
  4. 第4章 カレールウの謎
    1. 1. カレールウの分解
    2. 2. スパイスの常習性とそれを操るテクニック
    3. 3. カレーのコクってなんだ?
  5. 第5章 カレーライスの将来
    1. 1. おふくろの味からの脱却と変化の兆し
    2. 2. カレーはどこへ向かうのか?
(目次から抜粋)
著者は、出張料理ユニット『東京カリ〜番長』という調理主任をしている人らしい。ある日タモリと一緒にカレーを作ったときに、タモリが「おふくろのカレーが一番うまいという男を私は信用しない」と名言を言ったことに感心し、その通りだと思っていたようだ。しかし、実際に普通の家のカレーを食べてみると、不覚にもめちゃめちゃうまいと感心してしまって、そこから、日本人の誰もが長年にわたって夢中になり続けているカレーライスとは何ものなのか?という謎にはまり込んだようだ。そして、その謎を歴史的な側面、ビジネスや科学、食文化的な側面から解き明かしているのがこの本ということになる。

純粋に読み物としてとても面白かった。もちろん、自分の好きな食べ物はカレー。毎週水曜日はカレーの日と決めている。あぁ、今日は火曜日だ。明日更新にすればよかった。

カレーは奥が深い。きっとこの本を読めば、へぇーとへぇボタンを押したくなることが多く載っている。明日から使えるカレーネタは以下のようになる。自分のへぇ感度に引っかかったものを恣意的に列挙。
  • カレーの語源の一つにヒンズー語で、『香り高くおいしいもの』を意味する「ターカリー」が「ターリー」に転じ、CURRYになったという説がある
  • 福沢諭吉がCURRYをコルリとカタカナ英語の読みをつけた
  • 日本で初めて紹介されたカレーのレシピには、アカガエルが使われていた
  • インド料理がイギリス人の手によってカレーという料理として変貌させられ、日本にもたらされた
  • 昔の日本では高級路線をカレーライス、大衆路線をライスカレーと読んで区別していた
  • ボンカレーの「ボン」はフランス語の「ボン(おいしい)」からとったもの
  • レトルトカレーのククレカレーは、「クックレス(cookless)」を略して「ククレカレー」とした
  • 「ソースが主役を演じている料理は、日本のカレー以外には私は知らない」と著者の知り合いのフレンチの巨匠が言った
  • スパイスの配合でカレーの個性が決まるが、その個性を引き出すには乳化というテクニックが必要
  • 著者の経験から、カレーをおいしくする4種の神器として、にんにく、バター、トウガラシ、砂糖が挙げられる
  • カレールウが日本全国の食卓に魔法をかけた
なんだか、この本の本質とは外れているものばかりの気がしないでもない。

著者は相当カレーが好きなんだなということがよく伝わってくる。レトルトカレーのパッケージコレクションをしているらしく、書斎のレトルト収納棚には1500種類以上のレトルトカレーのパッケージが整理されているらしい。また、好きじゃなければ、こんな本は書けないよなと思った。

読んでいると確実にカレーが食べたくなる。なので、カレー屋に行って、カレーを食べながら読むのがいいかもれない。新宿中村屋のインドカリーとかが高級感があっていいかも。個人的には、CoCo壱よりもゴーゴーカレーが好きだ。中村屋は確かにおいしいが、高い。CoCo壱はルウが水っぽくてご飯とミスマッチしすぎていまいち。しかし、モンスナックカレーは水っぽさを前面に出している新食感のそれなりにうまいカレー。カレーの話はもういいか。

食事制限をしている身としては、気軽に外で食べられるカレーはとても重宝する。そんなカレーの秘密がよく分かってよかったと思った。

おまけリンク。読むべき人:
  • カレーライスが好きな人
  • カレーライスの歴史や文化を知りたい人
  • カレーライスは飲み物だと思う人
Amazon.co.jpで『水野仁輔』の他の作品を見る

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June 28, 2008

最新ミネラルウォーター完全ガイド


最新ミネラルウォーター完全ガイド

キーワード:
 松下和弘、ミネラルウォーター、界面活性力、酵素活性、ランク
ミネラルウォーターを科学的に分析している本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 “カラダにいい水・脳にいい水”って、どんな水?
  2. 第2章 “カラダにいい水・脳にいい水”は、ウエストを減らす
  3. 第3章 体内の毒物を洗い流し、健康な赤ちゃんを育てる
  4. 第4章 子供の集中力を増し、偏差値を高める脳にいい水
  5. 第5章 家族の健康を、水で守る
  6. 第5章 水と水処理規の選び方―浄水器、浄・活水器、活水器、磁気活水器など
  7. 資料篇 “精選カラダにいい水・脳にいい水136選”データ
(目次から抜粋)
最近水にこだわっていることもあり、読んでみた。基本的に自分の持病のためだけど。そのため、この本のカテゴリを新カテゴリ『健康、グルメ』に設定。

著者は水を30年研究してきた人らしく、その研究成果から、カラダにいい水・脳にいい水には、次の3要素が必要であると提案してきたようだ。
  1. 油分を溶かす力の高い水(界面活性力=油脂の分散性の高い水)であること。
  2. 酵素活性を高める水(体内酵素を活性化し、抗酸化物質の力を低下させない水)であること。
  3. 表面張力の低い水、あるいは水分子の集団(クラスター)が小さい水であること。
    (pp.35)
理由は以下のように示されている。
  • 酵素活性:健康な人は体内酵素が100%の力で順調に働いており、これが100%未満だと、免疫や体力が落ちて、病気がちになる。そのため、これを100%以上に高めるものがよい水となる。
  • 界面活性力:体内の毒素を洗い流し解毒する力が高いものがよい水となる。
  • 表面張力の低い水:クラスターの小さい水は細胞との結合が強く、なかなか離れないし、老化を促進する活性酵素を消去する酵素SDOの力も持ち上げてくれるからよい水となる。
詳しいことは、この本を読んで理解して欲しい。

さらに、自分が一番気になったのは、カラダにいい水・脳にいい水を飲んで、人工透析を回避し、腎機能が回復したという話。以下抜粋。
 腎臓は血液を濾過して尿にしていますが、1分間に約1ミリリットルの尿を絶えず分泌しています。したがって、1日の尿量は1ミリリットル×60分間×24時間=1440ミリリットルになります。日本人の場合は、だいたい1回の排尿量が約200ミリリットルですから、1日の排尿回数は1440ミリリットル÷200ミリリットル≒7回となる計算です。このことから200ミリリットルの飲水とは、1回の血液洗浄に相当するということです。
 前出のTさんが「1日に2000ミリリットルの<カラダにいい水・脳にいい水>を飲むことによって、体重が減り、血圧が下がり、腎臓の機能が回復した」理由は、水を飲むことによって尿を薄くし、腎臓の負担を軽くした結果なのです。つまり、1日に血液を10回洗浄していたわけです。体調に不安のある方は<カラダにいい水・脳にいい水>を1日2000ミリリットル(コップで10杯)ていど飲んでみてください。必ず体調がよくなってきますから。
(pp.139-140)
これは本当かなと思った。もし本当なら、自分も病んでいる腎臓が回復するのかな。実際今日、定期通院で、医者に食事以外で1日2リットルは水分を取れと言われたので、たぶん本当だろう。今までは、どうしても多くて1.5リットル程度だったので、これから食事以外で1日2リットルを目安に飲んでみることにする。

では、飲むべきよい水は具体的にどのようなものかが、著者の観点で三ツ星から五つ星で紹介されている。以下、Amazonで購入できる、五つ星のミネラルウォーターを列挙。

合馬天然水 赤ラベル 極麗 EXCELLNT 2リットル(6本入り)


(お徳用ボックス) エスオーシー 温泉水99 ペットボトル 2L×6本



(お徳用ボックス) 日田天領水 ペットボトル 2L×10本入り

(お徳用ボックス) 樵のわけ前 2L×6本
これらは、酵素活性力を150%も引き上げ、さらに油を溶かす力が水道水の2.1倍のものらしい。また、Amazonで購入できないもので五つ星のものは、『仙人秘水』、『月のしずく』、『釈迦の霊泉』などが示されていた。

ちなみに、自分がよくコンビニなどで好んで飲む『クリスタルガイザー アルパイン 500ml×24』は三ツ星、『アサヒ 富士山のバナジウム天然水500ml×24』は四つ星だった。『(お徳用ボックス) 六甲おいしい水 2LX6本入り』はまったく触れられてもいない。一番好きな水は、クリスタルガイザーかな。軟水で飲みやすいし、あの安っぽいペットボトルが好きだ。水の本質とは全然違うところだが・・・。

また、ミネラルウォーターは水道水の1000倍の値段で高いので、よい水を造れる浄水器をつけたほうがよいとあったので、導入を検討しよう。

これから夏を迎えるので、水分補給はこまめにする必要がある。

普段飲んでいるミネラルウォーターや水について知りたい人はぜひ読んだらいいと思う。あと病弱な人も。

読むべき人:
  • ミネラルウォーターが好きな人
  • 健康な体を維持したい人
  • 水道水をそのまま飲んでいる人
Amazon.co.jpで『松下和弘』の他の本を見る

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