February 21, 2010
賢者たちの人生論
キーワード:
金森誠也、人生論、偉人、至言、賢者
世界の偉人たちの至言がまとめられた本。以下のような目次となっている。この本は、世界の代表的人物の名句を一人三つずつ選んで記載し、それについて著者の主観的な感想が示されている。著者の専門は西洋の哲学や文学であり、教授を歴任されてこられたようだ。そして、著者の専門領域となる西洋思想の中で特に印象深かった名句が恣意的に選出されている。
- プロローグ
- プラトン
- エピクロス
- セネカ
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- フランシス・ベーコン
- モンテーニュ
- カント
- ゲーテ
- ソーロー
- スタンダール
- チャールズ・ダーウィン
- ショーペン・ハウアー
- ニーチェ
- フロイト
- ドストエフスキー
- トルストイ
- へルマン・ヘッセ
- モーム
- アインシュタイン
- マックス・ヴェーバー
- ヴェルナー・ゾンバルド
(目次から抜粋)
自分も特になるほどと思った名句を3つだけ選んで本記事に示すこととする。
まずは快楽主義者のエピクロス(エピクロス - Wikipedia)から。
人は将来のことを思い惑うことなく、現在を享受すべきである。死ぬまでに残っている年月の長さではなく、現在享受できる快楽の量の多寡によって生活の価値をはかるべきである。これはもう、その通り!!と思った。何年生きたかは重要ではない。いかに面白おかしく、そして楽しんで生きたか、が重要なんじゃないかと思っていた。―『喜びの哲学』(pp.36-37)
そのように至るまでは長い時間がかかった。特にモームの『人間の絆』を読んでからエピクロスのように考えるようになった。もちろん、快楽といっても、退廃的に過ごすのではなく、健全にかつ楽しめることが重要であると思う。楽しめずに我慢大会をしながら人生の大部分を過ごすなど、御免こうむる。楽しむことを常に追い求めて生きたい。
モームの作品を示したところで、モームの名句を示しておこう。
入院患者の奇妙な密閉された生活は、彼らの性格を歪曲し退化させるが、それでいて彼らに活力を与えるという不思議な影響を与える。これはちょうどサモアやタヒチの住人が、暑い気候と異常な環境のせいで退化しながらも活性化されるのと似ている。一か月半ほど入院したことがあるので、これもよく分かる。入院すると、なんで自分がこんなことになったのかと自分の運命を呪いたくなるが、それと同時に何とか立て直そうという活力が沸いてきたのを思い出した。―『要約すると』ペンギンブック(pp.230)
このままじっと入院生活を続けたくないという思いがわきあがってくるような感覚。それと同時にやはりなぜ?という自問自答も出てくる。そういうのがsinカーブのように何度も繰り返されるんだと思う。
最後は、名言の宝庫であるゲーテから。
愛人の欠点すら美徳と思わない者は、愛しているとは言えない。ゲーテは老齢期にまでに若い女性と何度も恋に落ちたようだ。説得力があるように思える。本質的に『愛している』と言えるようになりたいものだ。―『格言と反省』(pp.102)
このような格言集は、著者の趣味や主観が入っているほどよい。なぜなら、そのほうが各格言の解説が客観的なものよりも面白く、一味違った視点が得られるからである。ゾンバルトなんかはまったく知らなかった。最後に著者の言葉を示しておくことにする。
ともかく「良薬は口に苦し」という言葉が示すように、彼の言葉をはじめ多くの文人、学者などの人生論を読むと、世の中で生きていくうえには、若者でも老人でも、どんな職業につきどんな社会的に地位にある人でも、苦悩に打ち克つべく日夜奮励(ふんれい)努力をせねばならぬことを痛感させられる。そういうことらしい。苦悩を克服するには、自分もそれなりに努力したほうかなぁ。しかし、もう無駄な努力などしないと決めた。努力するよりも健全に楽しむことのほうが重要だ。
つまり、きれい事では駄目だということだ。(pp.282-283)
ようやくこのブログのタイトルにある『賢者』らしい本を取り上げることができた。本当は、今年、2010年最初に取り上げたかったが、タイミング的なものがいろいろと折り合わず、このタイミングで取り上げることとなった。
人生論が好きでよく読んだりする。人生論を読むと、自分の生き方についてよく考えられるようになるから。

賢者たちの人生論 (PHP文庫)
著者:金森 誠也
販売元:PHP研究所
発売日:2009-08-03
読むべき人:
- 人生論が好きな人
- 格言、名言、至言が好きな人
- 賢者を目指している人
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